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芯から身体を温める柚子の葉の鍋料理と、スパークリングドリンク。|1月のハーブ・柚子

人にとって有用な植物をハーブとして捉え、さまざまな使い方を提案する連載「ワンモア・ハーブ」。同じハーブでも、組み合わせることによって奥行きや複雑さを楽しめると〈ハーブスタンド〉の平野優太さんは言います。日本人にとって馴染み深い柚子も、その葉を使うことで未知の味わいを楽しむことができるのだとか。第15回は、「柚子の葉」について。身体を温めてくれる鍋料理と、さっぱりとしたスパークリングを提案します。

取材・文/村岡俊也 撮影/ナタリー・カンタクーゾ 料理/阿部匠海

柚子の葉

近年、料理人の方々が一つの素材だけで奥行きや複雑さを表現する手法を探求されています。フレッシュとドライを掛け合わせたり、発酵するものを入れたり、果実と葉を合わせたり。同じハーブでも、その使い方でさまざまなバリエーションが生まれます。

冬に身体を温めてくれる柚子の果実は、入浴剤としてお風呂に入れたり、自家製ポン酢を作ったり、とても重宝しますが、柚子の葉っぱを活用している方はまだあまり多くないと思います。私たちは、果実だけではなく、植物全体の可能性も探っています。

今回、焦点を当てるのは、柚子の葉っぱ。爽やかな柑橘香を求めるのであれば、生葉を使った方がいいけれど、フレッシュな香りは青さにも繋がっています。出汁のような旨味や甘味などを活用したい時には、ドライを使うのもオススメです。柑橘の葉と言えば、タイ料理で使うバイマックルー(こぶみかんの葉)を思い浮かべますが、レモンやライムなど柑橘の果実を使い分けるように、葉っぱも選んでみてほしい。すべてフレーバーが違うので、楽しみ方が広がります。

こんなふうに使ってみるのはどう?

●「食べる」
柚子の葉のトムカーガイ鍋

ー材料ー(2〜3人前)

柚子の生葉 5〜6枚 
国産生姜 50〜60g
柚子の皮 好みで
柚子果汁 15〜20g
レモングラス 好みで
とうがらし 好みで
鶏肉 好きな部位200〜300g
きのこ 1パック (フクロタケやしめじなど)
ミニトマト 6個を反割りで
春菊 適量
白菜 適量
砂糖 20g
ココナッツミルク 1缶(400ml)
水 200g
ナンプラー 25g
白だし 調整

ー作り方ー

一口大に切った鶏肉と生姜、水を入れて中火にかけ、灰汁を取りながら鶏肉に火を通す。

キノコを加え、さらにココナッツミルクを加えて、ナンプラー、白だし、砂糖を入れて味の調節を。

柚子の生葉を加えて、煮込む。

全ての具材を加えて、火が通るまで煮る。最後に柚子果汁で酸味を整えたら完成。

バイマックルーの代わりに柚子を使った、タイの鍋料理です。柑橘香、スパイシーさは、やはり柚子の方が優しく、タイ料理でありながら和食のニュアンスも感じられるはず。なので、今回は生姜もタイのものではなく、日本の生姜を使います。こちらもタイの「ガー」と言われる生姜に比べると控えめで、繊細。柚子も生姜も、どちらも体を温めてくれます。バイマックルーの代わりに柚子を使う一番の利点は、日本で簡単にフレッシュな葉が手に入ること。いい意味での青っぽい香りが、ココナッツと合うんです。パクチーではなく、春菊を香草として使って、さまざまな角度から「和」を感じるタイ料理に仕上げました。

●「飲む」
柚子の葉のスパークリング

―材料―

ドライ柚子の葉 3〜5枚
生柚子の葉 3〜5枚
きび糖 大さじ2〜3(好みで調整)
水 360ml

柚子の葉シロップ40〜50ml
ライム果汁 1/4個分
炭酸水 200〜300ml
乾燥柚子の葉 1枚(飾り用)

鍋に水ときび糖を入れて加熱し、沸騰直前にドライ柚子の葉を入れて、約3分煮出す。

火を止めてから生柚子の葉を加え、2〜3分蒸らす。

ライム果汁を搾り、シロップと合わせ、炭酸水を注ぎ入れて完成。

柚子の葉っぱの良さを余すことなく活用したスパークリングドリンクです。ドライにした柚子の葉を抽出すると、不思議とキノコのような旨味のフレーバーが出てくるんですね。今回のドリンクでは、ドライの柚子の葉を出汁のように使い、生葉でフレッシュさを表現したいと思います。生葉は、煮込むと青さや雑味が出てしまうんですが、ドライの葉は煮込んでも大丈夫。柚子を絞って合わせてももちろん美味しいのですが、今回は柑橘類のハーモニーをより感じるために、ライムの果汁と合わせました。鍋同様に、アジアの中に「和」が感じられるはずです。

1月のハーブスタンドの様子

厳しい寒さが続く富士北麓。雪の下でじっと芽を守る植物たちは、凛とした空気の中で静かに力を蓄えています。春を迎えるための、冬ならではの美しさを感じる季節です。