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筋肉の左右差を解消するには?ハードル・寺田明日香選手の歪み解消術。

ハードル選手・寺田明日香さんが編み出した歪み解消法は、股関節、骨盤などを中心としたエクササイズ。特にハードルは「左右の筋肉差が開きやすく、カラダが歪みやすい」と言われている。どうやってジレンマを克服しているのだろうか。

取材・文/鈴木一朗 撮影/中西祐介 ヘア&メイク/村田真弓

初出『Tarzan』No.910・2025年9月11日発売

Profile

寺田明日香(てらだ・あすか)/1990年生まれ。女子100mハードル元日本記録、U20日本記録保持者。2014年に陸上から引退し、出産後の16年に7人制ラグビーに転向。19年に陸上に復帰し、100mハードルで12秒97の日本新記録、日本初の13秒切りを達成。その後2度日本記録を更新。21年、東京オリンピックに出場し同種目で日本人として21年ぶりに準決勝へ。世界陸上にも3度出場。

常に左脚を前に出すせいで股関節にも左右差が。

寺田明日香さんは陸上女子100mハードルを牽引してきた。日本で初めて12秒台を出し、この種目が今年の日本選手権の大トリになったのも彼女の功績。で、このハードル、実は歪みとの闘いだ。

寺田明日香_ハードル

撮影/中村博之

「ハードル間は3歩で必ず左脚が前に出ます。このとき重要なのが股関節。調子が良ければ股関節だけで脚を前に持っていけるけど、股関節が動きにくいと骨盤の左側を無理に出して脚を運ぼうとする。左が前に出ると、つまりは右を向いて走っていることになる。何年もやっていると、普段から骨盤の左側の方が前に出て、斜めになっているような状態なんです」

推進力を保つためには、正面を向くことが大切。だから、スタート前に股関節をチェックするのがルーティンだ。また、左足が前に出るため、常に右足で地面を蹴ることになる。

筋力に左右差が出て、これも歪みの原因に。それを解消すべく行っているのが、下のトレーニング。股関節を滑らかに動かせるように準備するとともに、姿勢を改善する方法だ。

「ほぼ毎日続けています。やるとやらないとでは、やっぱり違います。あとは、トラックだけで練習していると走りに繊細になりすぎるので、オフシーズンには芝とか不整地でも走るようにしています。いろんな地形を走ることで、カラダのバランスも整っていくし、故障も少なくなると思っています。でも、大きくなった娘(小学校5年生)が今でも私の右側で寄り添って寝ているので、右肩が痛んで歪みが出ていると思う。まあ、これは仕方ないですね(笑)」

寺田流歪みチェック。

寺田流歪みチェック

寺田さんがスタート直前、スターティングブロックの後ろに立ったときのルーティン。腰に手を当て、8の字を描くように左右の骨盤を動かす。調子が良いときは地面と平行に8の字が描けるが、悪いと骨盤の左右が上下に動いてしまう。繰り返し修正する。

エクササイズ1.まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

  1. 左右の手を肩幅に開いて、手のひらを床につき四つん這いになる。このとき太腿と腕は横から見て、床と垂直になるように意識する。また、前から見ると左右の内腿と床で正三角形ができるように膝の位置を決める。

まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

2.骨盤を右横、つまり時計の3時方向へ移動させる。

まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

3.股関節と膝を折りつつ、ゆっくりと時計の3時から6時方向へと動かす。

まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

4.そのまま6時から9時方向へ。股関節と膝は伸展していく。

まずは骨盤を動かし、股関節の詰まりを解消。

5.最後に9時から12時方向へ。股関節と膝はさらに伸びる。12時に戻ったら、次は逆回転。3周ずつ行う。

エクササイズ2.後方に深く沈み込み、下半身の筋肉を伸ばす。

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1.左右の手を肩幅に開いて、手のひらを床につき四つん這いになる。このとき太腿と腕は横から見て、床と垂直になるように意識する。また、前から見ると左右の内腿と床で正三角形ができるように膝の位置を決める。左の脚を前方に出して曲げ、足の外側を右の膝にかける。

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2.両手をできるだけ左側へと移動させる。このとき膝の位置は変えないように注意すること。

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3.股関節と膝を深く屈曲させ、尻をゆっくりと後方へと引く。股関節まわり、尻、太腿の筋肉が伸びる。逆も行う。基本は5回ずつだが、どちらかの股関節が詰まった感じがしたら、そちら側を多めに行う。

エクササイズ3.股関節の動きを、より滑らかにする。

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  1. 左右の手を肩幅に開いて、手のひらを床につき四つん這いになる。このとき腕が横から見て床と垂直になるように意識する。左右の膝はできるだけ大きく開く。

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2.左の肩を内側に入れるようにしてカラダを右方向へとひねり、同時に左側の膝から下を前方へと振り出す。

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3.脚を元に戻したら今度は逆で行う。決して無理をせず、初めはゆっくり小さな動きから始めよう。5回行う。