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左腕の宿命をどう乗り越えた?元プロ野球選手・和田毅さんの歪み解消術。

見るからに左右の動きが違う競技をする人は、歪みにどう対処しているのか。体幹、股関節、骨盤などを中心に、元プロ野球選手の和田毅さんが編み出した歪み解消法を聞いた。

取材・文/鈴木一朗 撮影/吉松伸太郎 ヘア&メイク/村田真弓

初出『Tarzan』No.910・2025年9月11日発売

Profile

和田毅(わだ・つよし)/1981年生まれ。元プロ野球投手。2003年、早稲田大学から福岡ダイエーホークスへ。14勝を挙げ新人王。5年連続2桁勝利。10年、17勝でパ・リーグMVP。11年、所属する福岡ソフトバンクホークスが日本一となり、シーズン終了後メジャーリーグ、ボルチモア・オリオールズと契約。14年、シカゴ・カブスを経て、16年にソフトバンクに。24年、引退。通算成績165勝94敗。

左腕の宿命でカラダはゆがむ。救いは「アクティベーション」。

24年、22年間のプロ生活に別れを告げたのが、日本を代表する左腕投手の和田毅さんだ。ただ、現役時代は決して順風満帆ではなかった。大きな原因は“左”だ。

「カラダって左側に内臓が少ないから、左の体幹は右より弱いと聞いたことがあります。投げるには体幹を利かせるのですが、ただでさえ弱い左側が年を重ねるうちに疲弊し、筋肉が収縮した状態になる。すると左の肩や肩甲骨が下がり、姿勢が歪んでしまうんです」

和田毅

© SoftBank HAWKS

投球にも悪影響を及ぼす。左側の機能が低下すると、カラダをより傾けるようになり、制球が難しくなる。だから体幹の筋肉の緊張を解いて動きを整え、歪みをなくす。このテーマで出合ったのが「アクティベーション」だった。

「たとえばエンジンの出力が大きくても、小さいギアのひとつひとつが上手く嚙み合っていないと、力は発揮できませんよね。ギア同士が離れていたら空回りするし、ガチッと固まったら動かない。この間隔を調整するのがアクティベーションで、硬くなりがちな左側の体幹に関わる筋肉のギアの連動を強化できるんです」

和田さんに実践してもらった。現役時代は毎日下のエクササイズを行い、カラダの歪みを解消することに努めていたのだ。

「やり始めたときは、なにこれって感じ。繰り返すうちにどうすれば効くのかがわかってきた。皆さんもやってみてください。僕は大リーグに行く前(2010年頃)から始めたのですが、これがなかったら22年も現役を続けることはできなかったと思っています」

和田流歪みチェック。

和田流歪みチェック

和田さんは左投げのピッチャー。左側の体幹が酷使され、ここに関係する筋肉が疲弊して収縮してしまう。すると、左肩や左の肩甲骨が下がり、姿勢が崩れる。だから、現役を離れた今でも、常に意識して左肩を上げて正しい姿勢を保つようにしている。

エクササイズ1.左肩を浮かせて起き、左体幹を目覚めさせる。

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  1. タオルを何枚か重ねて厚くし(小さなトレーニングボールでもよい)、両膝で挟む。床に仰向けになり、股関節、膝、足首を直角に曲げて足の裏を壁につける。

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2.骨盤を立てるよう意識して、尻を床から少し浮かせる。

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3.右脚を上方に伸ばし、右側の骨盤を前方に(つまりさらに上方に)スライドさせる。

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4.タオルを潰すように両膝に力を入れる。息を吐きながら、左の太腿内側の内転筋、脇腹の腹斜筋、尻の大臀筋、太腿裏のハムストリングスに力を入れて、ゆっくりと上体をひねって左肩を床から浮かせる。息を鼻から吸って元へ。5回×2セット。

エクササイズ2.タオルを押し潰して、腹、尻、内腿を刺激。

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  1. 右側を下にして床に横になって脚を揃え、股関節、膝、足首を直角に曲げ、足裏を壁につける。タオルを何枚か重ねて厚くし(小さなトレーニングボールでもよい)、両膝で挟む。

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2.タオルを圧縮するように、左の内転筋、大臀筋、腹斜筋に力を入れ、左膝を下方に押し下げる。和田さんのように脇腹を手で押して力が入っているか確認しよう。5回×2セット。

エクササイズ3.左右のバランスを保つ。右側の中臀筋がキモ。

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  1. 左側を下にして床に横になって脚を揃え、股関節、膝、足首を直角に曲げ、足裏を壁につける。タオルを何枚か重ねて厚くし(小さなトレーニングボールでもよい)、左足の下に置く。左右の足裏、拇趾球と踵で壁を強く押す。

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2.右側の骨盤を前方へスライドさせる。

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3.息を吐きながら、尻横にある中臀筋を意識して、ゆっくりと右膝を上げる。このとき、足の裏には力をかけたまま、動かさないこと。上げ切ったら息を鼻から吸って元へ。5回×2セット。