シルバーボディが自由が丘の街並みによく馴染む。《メルセデス・ベンツ C200 AVANTGARDE AMG》|クルマと好日

アウトドアフィールドに、あるいはちょっとした小旅行に。クルマがあれば、お気に入りのギアを積んで、思い立った時にどこへでも出かけられる。こだわりの愛車を所有する人たちに、クルマのある暮らしを見せてもらいました。

撮影/伊達直人 文/豊田耕志

初出『Tarzan』No.837・2022年7月7日発売

歴20年のテニスボーイは、 メルセデスのシティなセダンがバディ。

〈自由ガ丘インターナショナルテニスカレッジ〉の駐車場は、メルセデス・ベンツ率が高い。思えば、メルセデスは全米オープンのスポンサーでもあるし、CMには鉄人、ロジャー・フェデラーがたびたび登場するし、どうやらテニスとメルセデスは切っても切れない関係らしい。

それを知ってか知らずか、アパレルブランドにて企画生産を担当しつつ、金曜日限定でコーチも務める増井康亮さんもご覧の通り、メルセデス党だ。

「でも、僕の場合、フェデラーでもUSオープンでもなく、アメリカのラッパー、エイサップ・ロッキーがきっかけ。彼がメルセデスのCMで、Cクラスのセダンに乗っているシーンが大好きで。そろそろクルマを持とうか、と思ったときにC200 AMGしか思いつきませんでした」

とはいえ、厳密には増井さんのためのメルセデスではなかった。病気になって元気のなかった父親を盛り上げるため、兄と共同で購入した。

「父は根っからのクルマ好き。昔はジャガーに乗っていて、ある時“ベンツに乗りたいなぁ”と言っていたのを思い出して。ちょうどいい機会だと兄と折半して購入したんです。でも、結局父はお気に召さなかったのか、あまりハンドルを握ることもなく。共同出資者の兄も遠方に引っ越してしまったので、こうして僕が管理することになったわけです」

紆余曲折を経て、マイカーに昇格したメルセデスは、普通乗用車的な立ち位置のCクラス。2016年式の4代目C200アヴァンギャルド。“メルセデスの自信”が漲ったセダンだ。

「向こうのラッパーに倣って、高級なドレスアップがなされたAMGライン(笑)。ドアトリムのウッドパネルをはじめ、どのディテールを取っても上質な雰囲気で統一されているから、シートに座ったときはデザイナーズのソファで寛いでいる感じ。それに敬愛する先輩が、テニスコートには白とネイビーのテニスウェアが似合うと言っていましたが、自由が丘という落ち着いた街並みには、C200の控えめなシルバーボディがとてもよく馴染みますねぇ。つくづくシティな一台だなぁと」

だから、C200のハンドルを握って東京を流すときは、いまだに気分が盛り上がると言う。

「それこそお気に入りのミックスCDをセットし、近所のテニスクラブに出掛けるだけなのに、なんか映画の主人公にでもなったかのような気分に浸れる。それが、メルセデスのパワーなんだと思います」

MERCEDES BENZ C200 AVANTGARDE AMG

アジリティを追求したスポーティな車体が特徴。2015年には、世界・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。W205というコードネームで呼ばれることも。ちなみに当時の新車価格は、約581万円。中古市場では、大体半値で取引される。

高級レザーを使用した後部座席も広々。レザー特有の品のよろしい香りが車内に漂うので、芳香剤いらず?

上質なソファのように居心地抜群なコックピット。8.4インチのワイドディスプレイに、直感的に操作が可能なタッチパッドやCOMMANDコントローラーを備え、運転中のドライバーのストレスを軽減。

増井さんが大好きなメルセデスのスリーポインテッドスター(その名の通り、星を意味する)が刻印されたホイール。

彼がユニフォームのように着るポロシャツは、アドバイザーとして手伝う東京のテニスウェアブランド〈S2O〉のもの。

  • 全長4,715×全幅1,810×全高1,435mm
  • エンジン=1,991cc、直列4気筒DOHCターボ
  • 乗車定員=5名
  • 燃費=16.5km/ℓ(JC08モード)。
Owner

増井康亮(〈S2O〉ディレクター)
1989年、東京都生まれ。アパレル会社で数々のブランドの企画生産に携わる。テニス歴20年の経験を活かし、金曜日限定でテニスコーチも務める。

Information

〈自由ガ丘インターナショナル テニスカレッジ〉
土居美咲さん他、多くのプロ選手を輩出、現在も有望な若手選手が所属する名門テニスクラブ。体験レッスンも随時受け付け中。増井さんが出勤する金曜日を狙ってみるのも手。
住所:東京都目黒区八雲3-23-7|地図