1週間の集中メニュー!テストステロン強化トレーニング。

カラダの衰えないし男性ホルモンの衰えを感じたら、筋トレや有酸素運動がマスト。生やさしいのじゃ物足りない。ハードに鍛えて1週間。男性ホルモンを自在に操ろう。

取材・文/井上健二 撮影/内田紘倫 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/白川いく美 トレーニング指導・監修/澤木一貴(SAWAKI GYM代表) 編集/CAPSTAR

初出『Tarzan』No.907・2025年7月17日発売

教えてくれた人

澤木一貴(さわき・かずたか)/1971年、静岡県生まれ。SAWAKI GYM代表。全国でトレーニングセミナーを展開。日本大学卒業。整形外科で経験を積み、専門学校講師や協会理事として多くのパーソナルトレーナーを育成。一般のクライアントはもちろん、プロレスなどの格闘技選手から、小学生や高齢者まで幅広い指導経験を誇る。書籍『長寿の体幹トレーニング4週間で姿勢がよくなる!スタスタ歩ける!』が好評発売中。

1週間のテストステロン増強大作戦。

男性更年期の主原因はテストステロンの減少。ならばとにかくテストステロンを増やすべき。必要なのは運動だ。

とくに有効なのは、筋肉に乳酸が溜まるような少々キツめの運動。

筋肉のエネルギー源は糖質と脂質。運動強度が上がると糖質の利用率は高まり、その結果、糖質の代謝物である乳酸が溜まり始める。この乳酸蓄積がサインとなり、テストステロンの合成が促進されるのだ。

筋トレでも有酸素運動でも、ややハードに追い込めば、乳酸が出てテストステロンがドバドバ放出される。筋トレと有酸素の二刀流なら、その効果は倍増。また、太りすぎはテストステロン分泌にブレーキをかけるが、筋トレ×有酸素なら体脂肪は着実に減り、太りすぎも防げる。

ここではテストステロンを効率的に増量できる筋トレ×有酸素の1週間メニューを紹介しよう。

トレーニングプログラム

自体重トレ編【初級】|スロートレーニングで手軽にスタート。

自体重を用いる筋トレでテストステロン放出を狙うなら、第1選択肢は初級者でも手軽に行えるスロートレーニング。

スロトレとは、その名の通り、ゆっくり動き続けるトレーニング。筋肉の緊張が持続するため、乳酸が蓄積しやすい。3カウント(3秒)で動いたら、3カウント(3秒)で戻り、1回に6秒かける。これを休みなく10回ずつ、4種目続けよう。その際、関節を完全に曲げ伸ばししない「ノンロック法」を心掛けると、乳酸は一層溜まりやすい。

プログラム
  • 3カウントで動き、3カウントで戻る(1回6秒)。
  • それを10回連続して行う。
  • 4種目を順番に休みなく行う。
1.フルレンジプッシュアップ

フルレンジプッシュアップ

  1. 高さ10cmほどの本や、同様に重ねた雑誌の束を2個用意。それを肩幅よりやや広めに離して置き、両手をついてうつ伏せに。
  2. 肘を伸ばし、両足を腰幅に開いて頭から踵まで一直線に。肘を曲げて胸を床すれすれまで下ろし、元に戻る。
2.ハンズアップスクワット

ハンズアップ スクワット

  1. 両足を肩幅より広めに開いてまっすぐ立つ。Y字を作るように両腕をまっすぐ上げ、手のひらを向かい合わせる。
  2. 胸を張り背すじを伸ばす。お尻が膝よりも下がるようにその場でしゃがみ、元に戻る。膝を爪先より前に出さない。
3.インバーテッドロウ

インバーテッドロウ

  1. 机の下に潜り込み、仰向けになる。両手を肩幅よりやや広めに開き、机の端を握る。両脚を肩幅に開いてまっすぐ伸ばす。
  2. 肘を伸ばし、机を軽く引いて頭を床から浮かせる。鎖骨を机に近づけるように肘を曲げ、元に戻る。
4.リバースランジ

リバースランジ

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、両手を胸の前で組む。膝を軽く曲げ、股関節から上体を少し前に倒す。胸を張り背すじを伸ばす。
  2. 左足を大きく後ろに引き、左膝を床に突き刺すようにしゃがみ、戻る。左右を変えて同様に行う。

自体重トレ編【中・上級】|シングル→ダブルで追い込む。

スロトレに飽き足らなくなった中・上級者が、次に挑みたい自体重トレは、シングル×ダブルトレーニング。

自体重トレは両脚・両手で行うよりも、片脚・片手だと強度は格段に高い。ならば、まず元気なうちに片脚・片手のシングルでトレーニング。

シングルで追い込んでも、強度が落ちる両脚・両手のダブルならまだ行える余力が残っている。そこでシングル→ダブルと立て続けに行い、疲労困憊するまで筋肉を攻め、乳酸蓄積を促してやろう。

プログラム
  • 片脚種目を10回×左右行う。
  • それが終わったら両脚種目を10回行う。
    *プランクは左右各10秒キープ後、両手両足で30秒キープ。
1.スクワット

●シングル(ピストル)

シングル(ピストル)

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、両手を胸の前で組む。
  2. 片脚を30度くらいの角度でまっすぐ前に伸ばす。胸を張り背すじを伸ばす。
  3. 軸脚をできるだけ深く曲げ、その場でしゃがみ、元に戻る。左右を変えて同様に行う。

●ダブル

ダブル

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、両手を胸の前で組む。
  2. 両膝を軽く曲げ、胸を張り背すじを伸ばす。
  3. 太腿が床と平行になるまでしゃがみ、元に戻る。爪先を膝より前に出さない。
2.ヒップリフト

●シングル

ヒップリフト_シングル

  1. 仰向けで両腕を体側で開き、手のひらを床につける。
  2. 両膝を腰幅で曲げて立てる。
  3. 右膝を90度曲げたまま、股関節の真上まで引き寄せる。
  4. 左膝、腰、胸、肩が一直線になるまでお尻を上げ、元に戻す。左右を変えて同様に。

●ダブル

ヒップリフト_シングル

  1. 両足を床につけたまま、膝、腰、胸、肩が一直線になるまでお尻を引き上げ、元に戻す。
3.プランク

●シングル(ダイアゴナル・アーム&レッグリフト)

プランク_シングル

  1. 両肘を肩の真下についてうつ伏せになる。両脚を腰幅でまっすぐ伸ばし、爪先を立てる。頭から踵まで一直線にする。
  2. 対角の片腕と片脚を水平に引き上げる(手のひらを内側に向け、親指を天井へ向ける)。その姿勢を10秒キープしたら、左右を変えて同様に行う。

●ダブル

プランク_ダブル

  1. スタート姿勢を崩さずに30秒キープする。

ダンベルトレ編|ショートインターバルで効率アップ。

ダンベルが家にあるなら、自体重トレは必要ない。この4種目で全身をバランスよく整えよう。実践する際のポイントは、大きく2つある。

1つ目は最適の重さを選ぶこと。一度に10〜15回反復するのがやっとという重さを見つけ、限界まで10〜15回続ける。これを3セット行うのだ。

2つ目は、セット間のインターバル(休息)を60秒以内と短くすること。インターバルが長すぎると、その間に乳酸の処理が進むため、テストステロンは出にくいのだ。

プログラム
  • 10〜15回しか反復できない重さを見つける。
  • 限界まで10〜15回×3セット行う。
  • セット間のインターバル(休憩)は60秒以内。
1.ダンベルプレス

ダンベルプレス

  1. 両手にダンベルを持ち、仰向けに。肩甲骨の真下にクッションを2個重ねて置く。両膝を腰幅で90度曲げて立てる。
  2. 両腕を伸ばし、ダンベルを乳首ラインで「ハ」の字に構える。肘が床につくまでダンベルを下ろし、戻す。
2.ベントオーバーロウ

ベントオーバーロウ

  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。膝を軽く曲げ、股関節から上体をできるだけ深く前に倒す。肘を伸ばしてダンベルを肩の真下で平行に構える。
  2. 肘で天井を突くようにダンベルを脇腹まで引き上げ、戻す。
3.ブルガリアン・スクワット

ブルガリアン・スクワット

  1. 両手にダンベルを持ち、肘を伸ばして肩の真下で平行に構える。後ろの椅子の座面に右足の爪先を乗せ、半歩離れる。左膝を軽く曲げ、上体を前傾して左足に荷重。
  2. 右膝を床に突き刺すようにしゃがみ、戻る。左膝を爪先より前に出さない。左右を変えて同様に行う。
4.ルーマニアン・デッドリフト

ルーマニアン・デッドリフト

  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。膝を軽く曲げ、股関節から上体を床と平行に倒す。肘を伸ばしてダンベルを肩の真下で平行に構える。
  2. 肘を伸ばしたまま、股関節から上体をまっすぐ起こし、元に戻る。

有酸素編|筋トレのオフ日はHIITを。

有酸素でテストステロンを出すなら、俄然、高強度インターバルトレーニング(HHIIT)。短時間で乳酸がどんどん出るから、筋トレのオフ日に行う。

もっとも有効なプログラムは、タバタ式と呼ばれるもの。20秒の全力運動を、10秒のレスト(休み)を挟んで8セット続けるのだが、かなり過酷だからビギナーは挫折必至。

そこで10秒全力+20秒レストからゆるく始める。慣れてきたら15秒全力+15秒レストに格上げし、最終的にはタバタ式がこなせるようになろう。

プログラム
  • 【ステップ1】10秒全力+20秒レスト×8セット
  • 【ステップ2】15秒全力+15秒レスト×8セット
  • 【ステップ3】20秒全力+10秒レスト×8セット

*3種目から最低1種目選び、毎回ローテーションする。

1.キックスルー

キックスルー

  1. 両手、両足を床について四つん這いに。両膝を床から浮かせる。
  2. 左肘を後ろに引きながら上体を左側へ開き、右脚を斜め前方へまっすぐ伸ばす。左右交互にリズミカルに行う。
2.タックジャンプ

タックジャンプ

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。膝を軽く曲げ、股関節から上体を深く前に倒し、両肘を後ろに引く。
  2. 両足で床を強く踏んでその場でジャンプ。曲げた両膝を両手で抱え、着地。
3.ラテラルバウンド

ラテラルバウンド

  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。左膝を軽く曲げて上体を前傾させ、右膝を引き上げ、右肘を近づける。
  2. 左肘を後ろに引く。右へジャンプして右足で着地し、膝と肘を入れ替える。これを左右交互にリズミカルに続ける。