
ネイリスト・金子渚さんの、ランニングに欠かせないコスメ。|ささやかだけど、大事なこと。 vol.7
気持ちよく汗をかくときにこそ使いたいコスメやアイテムがある。日々身体を動かしているあの人がどんなものを愛用しているのか、アクティビティに同行して紹介。第7回はネイリストで、サロン〈DISCO〉のオーナー、金子渚さんがランニングの前後で使う3つのアイテムの話。
取材・文/佐々木彩 編集/黒木許子 撮影/五十嵐一晴(ロケーション)、鳥羽田幹太(プロダクト)

Profile
金子渚(かねこ・なぎさ)/ネイリスト。渋谷のネイルサロン〈DISCO〉オーナー。エッジィで人それぞれの個性を光らせるネイルデザインが人気を誇る。2025年には2店舗目となる〈DISCO root〉をキャットストリート沿いにオープン。ジュエリーブランド〈MAIDEN〉のデザインや、サロンオリジナルのアパレル雑貨も手がける。2児の母。
ネイリストの金子渚さんは、半年前からランニングを生活に取り入れている。20代の頃は、フルマラソンを3度も完走するほどで、もともと走ることは好きな運動のひとつだったそう。妊娠を機に遠ざかっていたけれど、40歳の時にリスタート。そのきっかけとはなんだったのだろうか。
「体力アップとメンタル強化のために、運動習慣を改めてつけたいと思ったことが大きなきっかけです。数年前から、ヨガや水泳などをやっていて、自分に合った継続できるものを探していました。その中で、走ることに落ち着いたという感じ。一人でさっと取り組めるところが、一番の理由だったかもしれません。日々の仕事や育児に向き合いつつ、一人の時間も持ちたいと思っていたので、それを両立できるのがランニングでした」

「家を出たら、ストレッチは割愛してすぐに走り出してしまいます」
金子さんのランニングは、週に1~2回、1回3キロ。家を出てから戻るまで、20分で完結できるようにしている。家の近くの大きな公園の外周を1周走って帰宅するというコースだ。
「朝、子供が起きてくる前にランニングをするのですが、彼らが支度を始める前に戻ってきたい。そうなると、私にとって捻出できる時間は20分程度だとわかったんです。20分ならば短いですし、走りに出かける面倒臭さも感じないだろうと。試しに公園の周りを走ってみたら大体3キロだったので、このコースで無理なく続けられると思ったんです」

走っている間は、自分のことに集中できる貴重な時間。
走る時はタイムキーパーとして、〈ナイキ〉が提供するランニングアプリ「ナイキランクラブ」の音声ガイドを聴きながら。
「1キロを6分台前半で走ります。走り始めた時は、7分台後半だったのですが、20分間で帰宅することを死守するためにペースを早めていって、だいたい3ヶ月後には、今のタイムで安定して走れるようになってきました」

シューズは〈アシックス〉の《NOVABLAST 5》を愛用。
この、“1回3キロ20分”というランニングスタイルは、金子さんがネイリストとして培ってきた時間への意識とも関係している。
「私は、隙間時間を作り出すのが得意なんです。サロンワークを長く続けているので、目の前のことを設定時間内に終えるということが、体に染みついているんだと思います」
たった20分間だけれど、金子さんのメンタル面にも大きな変化があった。ランニングから帰ってきた金子さんを見て「ママご機嫌だね」とお子さんから声をかけられるのだそう。
「やっぱり、走り終わって帰宅すると、汗を流した気持ちよさが表情に出ているのだと思います。私も自分だけに向き合う時間を持てたことが嬉しいし、走りながら仕事のことを頭で整理でき、気分もさっぱりして1日のスタートを切ることができるんです。」

半年ランニングを継続できたご褒美として買った〈ルルレモン〉のウエアで颯爽と走る金子さん。
金子さんはネイルサロンの経営者であり、多くのスタッフを抱える立場。
「経営的な判断が求められる局面やスタッフからの相談事など、日々いろいろなことがありますが、仕事の時ほど、感情ではなく理性で物事を受け止めたいといつも思っています。だから自分のメンタルを整えておくことが必要ですし、それには運動がすごく有効です。苦しいけれど足を前に一歩出すというのは、精神面も鍛えてくれると改めて実感しています」
体調面でも、寝起きが良くなったり、足のむくみ解消がスムーズになったり、さらに体力がついてきたことで疲れにくくなったり、狙っていたプラス効果をいくつも感じているそう。
20代や30代前半は一回にもっと長い距離を走っていた金子さんだが、理由をつけてはランニングに出ない日もあったという。今回改めて始めるにあたり、いかに継続できるかをしっかりと考えた時、“ハーバード式20秒ルール”という考え方に出合い、取り入れたのだそう。
「立ち上がる、出かける、道具を手に取るなど、行動に移すまでの時間を20秒以内にするというものです。面倒な時ほどこれを思い出して、動くようにしています。とにかくドアを一歩出たら、自然とランニングモードになれる。もちろん、今は走りたい気持ちが勝つのでランニングの行き渋りはないのですが、どんなことでもこの20秒ルールを当てはめて、自分の動きを次へ次へと進めて、持ち時間を効率的に使えるように意識しています」

そのため、ランニングの日は、起床して歯磨きなどを終えたら真っ先に日焼け止めを手に取る。
「日焼け対策は欠かさずに、そして万全に。スポーツ時にも効果実感の高いSPF50の日焼け止めを2度塗りした後、香りの良い〈スリー〉の日焼け止めをさらに重ねます。ちょっと気分を上げて自分にスイッチを入れる役割を果たしてくれています」
ランニング中は日焼け止めだけを塗りノーメイク。帰宅してシャワーを浴びたら朝のルーティンコスメを手にとるそう。
「髪はオイルでスタイリングするのが定番です。この〈ディプティック〉は、友人にいただいて以来リピートしていて4本目」

〈ディプティック〉の「サテンオイル」。ボディ&ヘア用で、ジャスミンやイランイラン、サフランなどの香りが漂う。
そして最後にはフレグランスを纏う。
「〈イソップ〉の香水は、軽さが好きで他の種類も持っています。この香りは、グリーンの爽やかさに少しフローラルな華やかさも感じられて、最近のお気に入りです」

マグノリアの葉の部分を用いた〈イソップ〉の「オルナー」。
ランナーの数だけランニングのスタイルがあるけれど、金子さんは、いわばマインドフルネスの時間として日々走っている。
「いつも同じコースを同じ時間内で淡々と走り切って、日常のルーティーンに無理なく組み込めたことが良かった。時間も距離も私の生活にフィットしていたからだと思います。なにごとも、誰かから薦められても必ずしも自分に合うとは限らないですよね。ランニングも同じで、走る時間帯や頻度、距離などを試行錯誤してみて、自分の気持ちいいタイミングでやることが、継続のコツだと思います」

こんなアイテムも、おすすめです。
ランニング前後に使いたい金子さんの愛用コスメに着想したアイテムを、Tarzan Web編集部が見つけました。
日焼け止め
植物由来で高SPF値のUVケア
マルチオイル
髪にもボディにもフェイスにもOK
フレグランス
爽やかなグリーンフローラルの香水