ストレスも解消!キックボクシングでヒップアップを目指す。

お尻まわりの筋肉が発達し、ヒップアップが狙えるキックボクシング。カロリー消費も多く、ダイエットに最適。日頃のストレスを蹴り上げるつもりで、いざ実践!

取材・文/神津文人 撮影/内田紘倫 実演/YUKKO

初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

キックボクシングでヒップアップ
教えてくれた人

新田明臣(にった・あけおみ)/〈バンゲリングベイ〉代表。キック界のレジェンド。現役時代は世界タイトルを2度獲得。バンゲは恵比寿本店と、中町・駒沢通り店を展開。東京都渋谷区恵比寿1-23-9 ヴェルミドール恵比寿1F。入会金11,000円、登録料2,200円、月会費12,100円。

キック特有の動きを習得する。

本格的なエクササイズに入る前に、まずはキックの基本動作から。一つ一つを繰り返すだけでも、いい運動になる!

Basic 1|美しいキックを支えるのは、正しい構えと予備動作。念入りに繰り返して身につけたい。

パンチに加えて、ローキック、前蹴り、膝蹴りといったキックでの攻撃が可能なキックボクシング。キック動作では軸脚側の中臀筋や大臀筋が刺激され、蹴り脚のハムストリングスが使われる。

また、脚を持ち上げるためには腸腰筋の働きが欠かせない。キックの際、カラダを回旋させるときには腹斜筋も重要となる。ヒップアップが狙え、カロリー消費も大きいため、近年、フィットネスとしてキックボクシングを楽しむ女性が増えているのはご存じの通り。

「正しいフォームを意識すれば、姿勢改善にも効果大。左右両方の脚でキックを練習すれば、当然足腰も強くなりますし、カラダのバランスも整います」と〈バンゲリングベイ〉代表の新田明臣さん。鈍ったカラダをキックボクシングで鍛え直そう!

1.基本の構え&予備動作

基本の構え 予備動作

構えは、両足を肩幅程度に前後に開いて、やや半身に立つ。背すじを伸ばす。頭頂を天井から糸で引っ張られているようなイメージで、重力に負けないようにカラダを引き伸ばす。脇を締めて両手を上げ、後ろ側の手は顎に。

予備動作は、後ろ足の爪先で床を押し、後ろ側の腕を後方に振りながら、カラダを回旋させる。胸が構えのときとは反対側を向くまで捻る。前方にあった手で顎をガード。構えと予備動作は、左右両方でできるようにする。

予備動作が難しい人は…

スイング

スイング

構えの姿勢から。両腕を胸の前でクロスする。後ろ足の爪先で床を押し、カラダを回旋させる。

スイム

スイム

構えの姿勢から。両腕を上下に伸ばす。腕を一直線に保ちながら、泳ぐように回転させる。

2.片脚立ち

片足立ち

キックをするとバランスが崩れるという人は、ウォーミングアップも兼ねて片脚立ちにチャレンジ。両腕を左右に広げ、片足を床から離す。最初は目を開けたままでもOK。20秒キープしたら、反対側も同様に行う。

Basic 2|蹴り技こそキックの華。5つの蹴り技と、ローキックのカット(防御)を身につける。

1.ローキック

ローキック

構えから予備動作を行ったら、前足の爪先を外側に向けながら、後ろ側の脚の膝を前方に持ち上げる。自分と同じ身長の相手が目の前にいることをイメージし、相手の太腿あたりを目がけてキック。反対側も同様に。

2.ミドルキックバランス

ミドルキックバランス

構えから予備動作を行ったら、前足の爪先を外側に向けながら、後ろ側の脚の膝を前方に持ち上げる。自分と同じ身長の相手が目の前にいることをイメージし、相手の脇腹あたりを目がけてキック。反対側も同様に。

3.ハイキックバランス

ハイキックバランス

構えから予備動作を行ったら、前足の爪先を外側に向けながら、後ろ側の脚の膝を前方に持ち上げる。自分と同じ身長の相手が目の前にいることをイメージし、相手の顔のあたりを目がけてキック。反対側も同様に。

4.前蹴り

前蹴り

構えの姿勢から。後ろ側の脚の膝を前方に高く持ち上げる。そこから膝を伸ばし、スナップを利かせるようにキック。目の前に相手がいることをイメージし、みぞおちあたりを狙う。反対側も同様に。

5.膝蹴り

膝蹴り

構えの姿勢から。目の前に相手がいることをイメージし、みぞおち付近を目がけて、後ろ側の脚の膝を前方に高く上げる。このとき後ろ側にあった腕を下方に振ってバランスをとる。反対側も同様に。

6.カット

カット

構えの姿勢から。目の前に相手がいることをイメージ。相手が自分の後ろ側の脚を蹴ってくることを想像し、その蹴りに自分の脛を合わせるように脚を上げる。腕は動かさない。反対側も同様に。

キックを組み合わせて、腹と尻を徹底的に絞る!

基本動作の後は、それらを組み合わせたコンビネーションに挑戦! 蹴った分だけ脂肪は燃え、蹴った分だけヒップが上がる!

Combination 1|カットを挟みながら4種類のキックを連続で。左右を変えて2周行おう。

構えからスタートし、カット。構えに戻って、膝蹴り。構えてカット。構えに戻ってローキック。カットを挟みながら、ミドルキック、ハイキックと繫げていく。

息が上がってきても、構えと予備動作を丁寧に行うことがポイント。2周目は左右をスイッチして行う。なるべくリズミカルに。慣れてきたら2セット。

2 TURN KICKS

Combination 2|パンチやディフェンスの動作を織り交ぜたコンビネーションに挑戦。

1.ジャブ・ミドルキック

ジャブ・ミドルキック

構えの姿勢から。手の甲が上を向くように捻りながら、前側の腕を伸ばして、ジャブ。そこから予備動作を入れて、ミドルキックに繫げ、構えに戻る。視線はずっと前方に向けたまま。反対側も同様に。左右各10回。

2.ワン・ツー・ミドルキック

ワン・ツー・ミドルキック

構えから。ジャブの後に、後ろ足で床を押した力を利用して後方の手でパンチ。一瞬構えに戻り、後ろ側の脚でキック。今度はワン・ツーの後に前側の脚でキック。5回繰り返し反対側も同様に。

3.スウェーバック・ミドルキック

スウェーバック・ミドルキック

スウェーバックは攻撃をかわす動き。構えの姿勢から。後ろ足を半歩引きながら、相手のパンチをかわすイメージで上体を後方へ反らす。上体を戻し、ミドルキック。反対側も同様に。左右各10回。

膝蹴り連打でオールアウトしない?

効率よく脂肪燃焼を目指すなら、左右の膝蹴り連打がおすすめ。腸腰筋のいいトレーニングにもなる。

膝蹴り連打

両手を頭の上で組む。腕を振り下ろしながら、左膝でキック。元に戻って、今度は右膝でキック。これをリズミカルに繰り返す。背すじは伸ばしたまま。視線はずっと前方へ。1分間。