上級者の憧れ・厚底スピードシューズを履きこなすトレーニング。

トップランナー御用達の厚底スピードシューズは、脚のたたみ込みをサポートする反面、着地が不安定でケガのリスクも高い。履きこなし、武器にするためのコアトレーニングを実践しよう。

取材・文/石飛カノ 撮影/園山友基 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション最高技術責任者)

初出『Tarzan』No.897・2025年2月20日発売

教えてくれた人

中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむずしゅういち)/1971年、長野県生まれ。スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者。PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないフィジカルとメンタルの両面を指導できるトレーナー。多くのオリンピック代表選手、青山学院大学駅伝チームなどを指導。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』が現在ベストセラーに。

「厚底」を履くには週2のトレーニングがマスト。

2017年に登場した「厚底スピードシューズ」はある意味、ランニング界を激震させた。それまでのトップランナー御用達のソールが薄いシューズを厚底シューズに履き替えることで、日本記録や世界記録が次々に塗り替えられたからだ。

今やトップランナーだけでなく市民ランナーでも厚底シューズにシフトする人が続出。ところが、反発性に優れた厚底シューズは脚のたたみ込みをサポートしてくれる反面、着地時が不安定になる。

これに耐えうるカラダを作らなければケガをすることも。不安定さをカバーするために大腿四頭筋や大臀筋の高負荷トレ、ブレない体幹を作るコアトレは必須。週2頻度で実践を。

不安定さをカバーするウェイトトレ。

スプリット(左右15回×2セット)

スプリット

  1. 左右の手に8kgのダンベルを持ち、両足を前後に開く。
  2. 後ろの足の踵は床から浮かせる。前脚の太腿が床と平行になるまで腰を落としたら立ち上がる。15回行ったら逆脚で。
スライディング(左右15回×2セット)

スライディング

  1. 4kgのダンベルを左右の肩に乗せ、両足を前後に開く。
  2. 後ろ足の爪先の下にタオルを敷き、後ろに滑らせて腰を落とす。
  3. そこからタオルを前に滑らせる。15回行ったら逆脚で。
スタンドアップ(左右各15回×2セット)

スタンドアップ

  1. 4kgのダンベルを左右の手で持つ。椅子の前に立ち、片足を座面に乗せて上体を前傾。
  2. 椅子に乗せた足を下ろして立つと同時にダンベルを頭上に上げる。15回行ったら逆脚で。

ブレないカラダをつくる体幹トレ。

サイドリフト(左右15回×2セット)

サイドリフト

  1. 椅子の横で床に横向きに座る。両手を床につき、上側の足を椅子の座面に乗せる。
  2. 椅子側の手を天井に向けて伸ばすと同時に頭から踵までをまっすぐキープ。15回行ったら逆も。
バックエクステンション(15回×2セット)

バックエクステンション

  1. バランスボールの上にうつ伏せになる。両手は体側につけ、頭を下に下ろす。
  2. お腹でバランスボールを押すイメージで上体を持ち上げ、コアをまっすぐキープ。
ロウイング(左右15回×2セット)

ロウイング

  1. 8kgのダンベルを片手に持ち、同じ側の足をボールに乗せて軸脚の膝を曲げる。
  2. ダンベルを引き上げながら軸脚の膝を伸ばして股関節をまっすぐに。15回行ったら逆も。
エアプレイン(左右15回×2セット)

エアプレイン

  1. バランスボールの前に立ち、片足をボールに乗せる。
  2. 軸脚の膝は自然に曲げ、両手は左右に開く。骨盤から上体を捻り、胸を開いて飛行機のように回旋。15回行ったら逆脚で。