
教えてくれた人
中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむずしゅういち)/1971年、長野県生まれ。スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者。PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないフィジカルとメンタルの両面を指導できるトレーナー。多くのオリンピック代表選手、青山学院大学駅伝チームなどを指導。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』が現在ベストセラーに。
目次
足底筋膜炎|ラン初心者は走る前後にケアを。
足底筋膜炎は足の裏の踵から指の付け根を繫ぐ足底筋膜が炎症を起こした状態を指す。とくにラン初心者は走る前後にケアを。
- 正座の姿勢から爪先を床に立てて踵の上に体重を乗せる。
- 30秒間このポーズをキープ。痛みを感じる場合は踵に乗せる荷重をコントロールして弱めにストレッチ。
腰痛|ランナーの約8割が経験。
臀筋
ランナーの約8割が腰痛を経験するという。その原因は大臀筋や中臀筋など、臀部の安定感が弱いこと。まずはほぐそう。
- 両脚を前後に開き、前脚の膝を曲げて床に座る。両手の掌はカラダの前で床につく。
- 曲げた膝を真横に倒し、できれば太腿の外側を床につけてキープ。逆脚も行う。
胸腰筋膜
背中の広背筋と大臀筋の間にあるのが胸腰筋膜という大きな筋膜。ここが固まると反り腰など腰痛の原因に。
- 床に仰向けになり両膝を立てる。左右の手でタオルの端を摑んでタオルを頭上にセット。
- タオルはピンと張った状態で背すじを伸ばす。そのまま両膝を真横に倒してキープ。逆脚も。
梨状筋
コアが安定していないと股関節が不安定になり股関節の内外旋に関わる梨状筋が硬くなる。最悪、坐骨神経痛の原因に。
- 床に座り、片脚の膝を曲げて太腿の外側を床につける。反対側の脚の膝を立てて、床につけた太腿の外側に足をセット。
- 立てた膝を胸に近づけ上体を外側に捻る。逆脚も。
シンスプリント|脛の過労性障害。
シンスプリントは地面から足を離して着地する動きの連続で起こる、脛の過労性障害。初心者はランの前後で必ずケアを。
- 正座の姿勢で座る。片膝を同じ側の手で摑んで床から引き上げる。
- 反対側の手は床についてカラダを安定させる。痛気持ちいいと感じるところで30秒キープ。逆脚も行う。
ランナーズニー|膝周辺に起きる痛み。
ランナーズニーは膝周辺に生じる痛みの総称。特に初心者に多いのが膝の皿下の膝蓋腱炎。腿前のストレッチとあわせて行いたい。
- 床で片膝立ちの姿勢になる。両肘を曲げて膝の上に乗せる。
- そのまま立てた膝を前に押し出して体重をかける。痛気持ちいいところでキープ。逆脚も同様に。
アキレス腱炎|ふくらはぎの硬い人はリスク大。
ふくらはぎの筋肉と踵を結ぶアキレス腱は繰り返しの負担によって炎症を起こしやすい。とくにふくらはぎが硬いとリスク大。
- 床に四つん這いになり両膝を床から浮かせる。
- そのまま膝をまっすぐに伸ばし、片脚を床から引き上げる。軸足の踵はできるだけ床につけたままキープ。逆脚も。
股関節炎|座り姿勢が多い人は要注意!
着地時に最も負担がかかる筋肉のひとつが腸w腰筋。普段の座り姿勢で硬く弱くなっているので股関節炎予防ケアは必須だ。
- 片膝立ちの姿勢をとり、両手は自然に体側に垂らす。
- 骨盤を前に押し出しながら両手を頭上に上げて胸を張る。後ろ脚の付け根の伸びを感じながら30秒キープ。逆脚も。