ヨガと気づき|vol.19

メルボルン出身・東京在住の人気イラストレーター、エイドリアン・ホーガンさんは、数年前にヨガを始めて以来、ライフスタイルが少しずつ変わってきたそう。ヨガが与えてくれるささやかな日々の気づきを、毎週コミックエッセイ形式で紹介します。

イラスト・文/エイドリアン・ホーガン


陰ヨガは眠りながら行うような感覚で、ゆっくりとした動きで深いポーズに入れます。

先生のコメント

陰ヨガは、静けさに浸りながら1つのポーズに全身をゆだねるものです。重力とともに筋肉や筋膜などをしなやかに伸ばしたり、ひねったり。身をゆだねればゆだねるほど、徐々に固まっていた身体がほぐれていきます。

同時に、長い時間をかけてポーズを取っていると、普段気づかない感覚に出会えたり、不安になったり、感情的になる場合も。しかし、生じた感情を我慢する必要はありません。無理に心を整えることは「諦める」。それは陰ヨガでの大切な学びの1つです。表出した不安や感情的な部分は、優しくアプローチすれば徐々に身体に順応していきます。

近年では、活発な「陽」の生活を送る大半の人は、内向きの穏やかな面を育む時間がほとんどないことも。その結果、肉体も精神も消耗してしまいます。

ありのままの自分を心身ともに解放し、「ポーズをとる」ではなく「諦める」ことで、まずは全身のプレッシャーや不安、緊張感から解放されましょう。そうすれば自然と、疲れにくく、忍耐力も育まれる(陰)の時間に出会えるはずです。陽と陰のバランスを取り戻し、心身全体のバランスを保つことで、身体も心も安定した、幸福な状態へと変化していくことができるのです。

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