不整脈の新たな相談口! スマートウォッチ外来とは?
スマートウォッチにドキッとする表示が出ることがある。そんな人のために開設された総合東京病院の「スマートウォッチ外来」。どんな人が来院し、どんな受診を受けられるのかを伺った。
取材・文/瀬谷創一郎
初出『Tarzan』No.867・2023年10月19日発売
時々しか出現しない動悸や不整脈を拾い上げるチャンスに
スマートウォッチを使っている人は少なくないはず。
心電図の計測などが可能なタイプも多く、なかには“不整脈が出ています”“心房細動の疑いあり”なんてメッセージが表示されドキッとする場合も。そんな人のために開設されたのが総合東京病院の「スマートウォッチ外来」である。
滝村由香子医長
教えてくれた人
たきむら・ゆかこ 総合東京病院 循環器内科 スマートウォッチ外来。専門領域は循環器内科一般、不整脈など。日本循環器学会認定専門医、日本不整脈心電図学会認定不整脈専門医、日本内科学会認定医。総合東京病院/東京都中野区江古田3-15-2、WEBサイト
「病院での検査では、心電図で不整脈が確認できないと診断までたどり着けません。その点、スマートウォッチはずっと心拍を見張ってくれるので、時々しか出現しない動悸や不整脈を拾い上げるチャンスが増えます。
不整脈は“現行犯”で見つける必要があり、症状が出る前にすばやく検知するべく専門外来を作りました」(滝村由香子医長)
「不整脈」の表示が出て外来に相談に行くと、異常の頻度や持続時間を確認したり、動悸も起きている場合はどのような感じ方なのか、悪性の不整脈である心房細動が起きていないかなどをチェック。
病気の早期発見と治療に結び付ける仕組みだ。
「最近は自覚症状がなくても受診される方が増えています。働き盛りの世代こそスマートウォッチを使い、症状が出る前に不整脈を防ぎましょう」
Q. 来院者はどんな人?
A. 年齢で言うと40代から60代。不整脈の出現は60代以降で増えてきますが、それより若い世代が受診している印象です。
Q. 受診の流れは?
A. スマホやスマートウォッチを持って来院いただき、不整脈を診断します。薬の服用がすぐに必要ではない方もデータを溜めて経過観察をするので定期的に通院してもらいます。
Q. 受診者の感想は?
A.「スマートウォッチをきっかけに、内科ではなく不整脈の専門医に診てもらえて安心できた」といった声をいただいています。