ストレートネックに 7秒逆ストレッチ&テニスボール整筋
頭が前にでて頸椎のカーブが失われる不良姿勢、ストレートネックの改善には、収縮→弛緩で緊張をほどく「7秒逆ストレッチ」と、骨格の歪みの原因となる硬く縮んだ筋肉をほぐす「テニスボール整筋」がおすすめ。7秒逆ストレッチでは、頸椎を支える筋肉強化し、テニスボール整筋では姿勢不良で縮こまった首、肩甲骨まわりの筋肉をリリース。効果はすぐに出るとは限らないので、合うと感じたケア法は、最低1か月は続けてみよう。
<b>7秒逆ストレッチ</b>:取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/山田久美子 監修/石部伸之 <b>テニスボール整筋</b>:取材・文/オカモトノブコ 撮影/山城健朗 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/村田真弓 監修/村木宏衣
初出『Tarzan』No.853・2023年3月23日発売
頸椎を支える筋肉を強化する7秒逆ストレッチ
石部伸之さん
教えてくれた人
いしべ・のぶゆき/理学療法士。准看護師や介護支援専門員の資格も保持。20年以上勤務する病院で幅広い疾患のリハビリテーションを行う。『7秒「逆」ストレッチ』や『ほぐすだけボールペンマッサージ』など著書多数。
頸椎の本来のカーブが消え頭部が前に突き出たストレートネック。7秒逆ストレッチでは悪化を防ぐために頸椎を支える首の筋肉の強化を狙う。
首には7つの椎骨があるが、第1・2頸椎と後頭部を結ぶ後頭下筋群の2つにアプローチ。第3〜7頸椎ほど動きがなく、固まりやすいこの筋肉をしっかり活性化。
1. 後頭下筋群の逆ストレッチ
❶正面を向いた状態で親指を顎にかける。❷親指だけでクッと顎先を押し上げて7秒キープ。この時、後頭部から大きく倒すと後頭下筋群ではなく普段首を動かす時によく使う第7頸椎周辺の筋肉へのアプローチとなってしまう。よって顎先だけを動かして、頭と首の境目付近を収縮させることを意識。
2. 後頭下筋群のストレッチ
壁に後頭部と背中の上部をぴったりつけて立つ。顔を正面に向け、左手の親指の腹を顎先につける。壁から後頭部が離れないよう注意しながら、親指で顎を押し込み7秒キープ。首を前に曲げるのではなく、顎だけを押し込むイメージで行うことで効果が高まる。
こんなやり方はNG
親指で顎を押し込んだ時に、後頭部が壁から離れてしまうとNG。首の付け根付近の第7頸椎が動き、後頭下筋群を伸ばせないためだ。
テニスボール整筋で首&肩甲骨を正しい位置へ
村木宏衣さん
教えてくれた人
むらき・ひろい/エイジングデザイナー。サロン〈Amazing♡beauty〉主宰。エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックを経て独自の「村木式整筋」を確立。セルフケア法を紹介する『整筋・顔体大全』(日経BP)など著書も多数。
テニスボール整筋では、PCやスマホの使いすぎなどによる前かがみ姿勢をストレートネックの大きな原因と考える。
改善にはまず、前に引っ張られた首の胸鎖乳突筋をほぐして緩める。さらに肩甲骨の間にある菱形筋、肩甲骨の下の広背筋もほぐし、前に縮んだ姿勢を整えよう。巻き肩の改善にも効果的。
1. 胸鎖乳突筋を前側から狙って緩める
首を横に向けると、斜めに浮き上がる太い筋肉が胸鎖乳突筋。この前側のキワを狙ってボールで後ろ方向へ圧をかけながら、手のひらで小さくクルクルと耳下から鎖骨まで、各部位を5回×3セットほぐしていく。
2. 腕の動きを使って肩甲骨の間をほぐす
膝を立てた仰向け姿勢で、肩甲骨のキワにボールを置く。腰が浮かないように注意。❶腕をなるべく真上にまっすぐ上げ、❷上体に腕を沿わせながら肘をゆっくり下ろし、位置をずらしながら各部位で3回繰り返す。
肩甲骨まわりに痛みがある人は無理なく行うこと。また、腕を動かさずに、ボールを置いて深呼吸するだけでもほぐし効果が期待できる。