タナカカツキさんが改めて考える「サウナの良さ」と〈渋谷サウナス〉

五感を満たすサウナができました！

サウナブームの火付け役といえば『マンガ サ道』。それまでおじさまのものだったサウナを、若者や女子、クリエイターらに開放し、老若男女が「ととのう」という素晴らしい体験を手に入れた。

その原作者・タナカカツキ氏によるサウナ専門ビルが、満を持して2022年12月、渋谷に完成した。

開放感のある外気浴空間。フィンランドを彷彿とさせる植栽が侘びている。

3階建ての〈渋谷サウナス〉、その佇まいはまるで美術館のよう。

2、3階部分には趣向を凝らした合計8種類9つのサウナ室と、2種類4つの⽔⾵呂が出迎えてくれる。陽光が降り注ぐルーフトップは最高のととのい仕様で、まさにサウナパラダイス！　

男⼥の浴室は⽇替わり制で、奇数日と偶数日で通えば全てのサウナがコンプリートできる。

⾳楽家・とくさしけんごと〈WHITELIGHT〉が共同開発したサウンドシステムを搭載した「SOUND SAUNA」は、日本で唯一重低音を体感できるサウナ。

SYVÄ（シヴァ）＝深いと命名された水風呂は、 関東最深級を誇る160cm。頭までどうぞ。

日常や情報から半強制的に切り離される

タナカカツキ氏がこだわったのは、脳を休息させ五感を満たすサウナ。そのため、館内には注意書きなどの視覚的ノイズがほとんどない。

「サウナの良さを改めて考えると、日常や情報から半強制的に切り離されることでした。マルチタスクに追われ、エンタメがネットを介して向こうから手元にやってくる社会が到来し、脳はフル回転しっぱなしです。

思考の世界から出て、脳を休息させるにはカラダの感覚を満たすことが必要でした。ジャングルの王者ターザンの強靱なボディとメンタルの元は、自然とのシンクロにあると思うんです。

このサウナスにも風や植物の香りなど自然と同調し、五感を満たすたくさんの工夫をしています」（タナカカツキさん）

北欧に伝わる植物療法「ウィスキング」が受けられる。

極上サウナの後は、ミシュラン2つ星の〈醍醐〉監修によるヴィーガンレストランで小腹を満たす。オシャレな〈ディガウェル〉の館内着と仕事が捗るワークスペースで、サウナ後のオンライン会議も死角なしだ。

取材・文／山本加奈　撮影／小川朋央

初出『Tarzan』No.850・2023年2月9日発売

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