キープできてる? 芸人ダイエット企画“その後”レポート
『ターザン』841号で芸人4名が自ら手を挙げ、挑戦してくれたダイエット企画。食事改善と運動に5週間励み、全員が見事減量に成功した。その後もダイエット後の体重をキープできているのか? 2022年9月9日に《ヨシモト∞(むげんだい)ホール》で開催された成果発表イベントの様子をレポート!
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志
目次
禁断? ダイエット企画の“その後”を追いかけるイベント開催!
〈アイロンヘッド〉ナポリさん、〈男性ブランコ〉浦井のりひろさん、〈蛙亭〉中野周平さん、〈サンシャイン〉坂田光さん。東京都渋谷《ヨシモト∞ホール》でレギュラー出演する4名の芸人たちが、雑誌『ターザン』のダイエット企画に挑戦してくれた。
彼らが互いを監視し合い、ときに切磋琢磨し、ときに励まし合いながら減量を成功させたのは本誌でお伝えした通り。トレーナーであり、管理栄養士としても活躍する河村玲子さんによる指導のもと、体重で体重で平均−6.85kg、体脂肪で平均−3.7%を達成した。
ダイエット前
ダイエット後
そんなダイエット成功を祝して、去る2022年9月9日に《ヨシモト∞ホール》で4名の成果報告会を特別開催。〈アイロンヘッド〉辻井亮平さんが司会を務め、アシスタントととして、同様に以前『ターザン』の減量企画に挑んだ〈ダンビラムーチョ〉大原優一さん(こちらも見事減量成功)も登場した。
ただし、『ターザン』としては一つ懸念がある。それは、イベント開催日が9月9日であること。雑誌に掲載するために4人の成果を取材したのは8月上旬。つまり、本誌用に成果を撮影&計測をした日から約1か月のタイムラグがあるのだ。
通常、ダイエット企画は「ダイエット前」と「ダイエット後」で成果を確認する。今回は禁断の「さらに、その後」を計測するという恐怖のイベントなのだ。
もともとダイエットには初挑戦だったという4名。その後も継続して減量したのか、あるいは上手にキープできているのか、はたまたリバウンドしてしまったのか。4人の成果はいかに…。
現在の体重を測定。撮影から1か月でどう変わった?
時刻は夜20時30分。編集部員の心配をよそに、イベントは定刻通りにスタート。客席からの歓声を受けながら、4名が自信を漲らせてステージに登場する。
堂々のポージングで客席にカラダを披露しながら入場する4名(パっと見だけでは、まだリバウンドしたか分からない…)。司会の辻井さんが「皆さんどうですか? …その後も、ダイエットを続けてますか」と聞くやいないや、4名が一斉に口を開く。
浦井さん:僕らは(雑誌の)撮影当日にマックスの減量を叩き出すことを目標にやってきたワケで…!
ナポリさん:ボクサーだって、そうやろ?
坂田さん:それに(雑誌の)撮影から1か月あいてますからね!? 逆になんで今日? やりようあったでしょ!?
辻井さん:言い訳の言葉数が多い!
ナポリさん:いや、でもまぁ、中野はマジで痩せたよなぁ。
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中野さん:どこがやねん!!
中野さんはダイエット企画を通じて、5週間で6.2kgの減量に成功したが、元々の大きめシルエットが起因して、なかなか成果が伝わりづらかった。イベント当日の控え室でも「大丈夫、痩せてる、痩せてる!」とほか3名から励まされつつステージに上がったのだという。
言い訳からスタートした成果発表会。それぞれが不安をいだきつつも、イベント開場での体重計測が始まった。
雑誌の撮影後も、気をつけて過ごしていたという4名の体重がこちら…!
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イベント当日 | ターザン撮影時 | ダイエット企画前 | |
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ナポリさん | 76.1kg(−1.6kg) | 77.7kg | 84.9kg |
浦井さん | 74.7kg(+0.9kg) | 73.8kg | 80.2kg |
中野さん | 90.3kg(+1.4kg) | 88.9kg | 95.1kg |
坂田さん | 73.1kg(+3.8kg) | 69.3kg | 76.9kg |
イベントが夜(1日のなかでも体重が重くなりやすい時間帯)だったこともあり、4名中3名が体重増になってしまっているが、おおむねキープできている様子だ。坂田さんだけ、若干体重が戻りつつあるが、それでもダイエット企画前を上回ることはない。イベントを見守っていた編集部一同もほっと胸を撫で下ろす。
撮影時からさらに絞れたナポリさんは「俺、マジでずっとウォーキングを続けているからな」とぼそり。やや右肩上がりの他の3人は「朝イチならもっと(体重が)少ない」「さっき食事もしたんで」「この増量分は(たぶん)筋肉の重さ」と言い訳、もとい補足説明に余念がない。
中野さんの体脂肪減はなぜ1%に留まった?
そんななか、ダイエット終了時の体脂肪率について、減少幅の平均値は−3.7%だったのに対し、中野さんだけ体脂肪率が−1%に止まったことが話題に。その理由を、あらためて、今回ダイエットを監修した河村玲子さんが分析した。
「体重が減るとき、基本的に脂肪も筋肉もどっちも減ります。脂肪が多く減ると体脂肪率が下がりますが、脂肪以上に筋肉が減った時は体脂肪率が増えてしまう。
中野さんは体脂肪率が1%減でしたが、これは『体脂肪もきちんと減ったが、筋肉もそれなりに減ってしまった』ということ。他の人に比べると脂肪の減りが割合的に少なかったのかと。
こういった状況は、学生時代など、これまで『運動経験が少なかった人』のダイエット初期に起こりがちです。今後も食事改善と一緒に筋トレを頑張って続けると、ちゃんと体脂肪率も結果に繋がるはずです」
とはいえ、今回のダイエット企画では十分に善戦した数値と言えよう。何より全体的に雑誌の成果計測後も不摂生を卒業したことを反映した結果となった。改めて、皆さん、お疲れ様でした!
辻井さん:『ターザン』の減量企画が終わった今もダイエットを続けている大原先生、4人を見てどうですか?
大原さん:みんな、有酸素運動が足りないよね。
坂田さん: いや、謎の水着を着た人に言われたくないっすよ!
結局何が効いた? 4人それぞれの食事改善のポイントを整理
体重測定も一件落着(?)したところで、次はそれぞれの食事改善のアプローチをおさらい。舞台には4人と並走した、河村玲子さんが登場し、成果につながったルールを振り返った。
ナポリさんの食事ルール
- 自炊で使う調理油をカット
- 歩行時のスポーツドリンクを水かお茶に
- コーラを飲むなら0kcalコーラで代用
- 余ったロケ弁は他の人にゆずる
ナポリさんが一番減量に影響したと推測するのは二番目のルール。
「前は散歩中のスポドリ、食事中のコーラを飲んでましたから…」(ナポリさん)
「ダイエット前はスポーツドリンク、コーラ、乳酸菌飲料などを1日に何回も飲んでましたね。ジュース100mLでだいたい10gの砂糖が入っているので、合わせるとすごい量の糖質を摂っていました。
人工甘味料が苦手な人もいらっしゃいますがナポリさんはそうではなかったので、今回は体重を減らすことを最優先にして、ダイエット期間中は0kcalのジュースを積極的に活用してもらいました」(河村さん)
浦井さんの食事ルール
- “ダブル炭水化物(ラーメン+ごはんなど)”禁止
- ご飯は1食につき150gまで
- 各食事にカット野菜を好きなだけ追加してOK
- 甘いものを食べたいときはギリシャヨーグルト
「僕、底の深い茶碗でご飯を食べるのが本当に好きでして。まずは熱々おかずと熱々ごはんを一緒に食べて、次にごはんをおかわりして、冷めてきたおかずと熱々ごはんを食べるのが幸せなんですよ…」(浦井さん)
そんなふうに1人前の倍量の炭水化物(糖質)を摂る習慣を断つことに。
「その分、野菜は油で調理していなければ好きなだけ食べてOKとしました。またおやつ好きでもあったので高タンパクなギリシャヨーグルトを提案。三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のなかでも、タンパク質が一番脂肪に変わりにくいのでおすすめなんです」(河村さん)
中野さんの食事ルール
- 外食するなら和食オンリー
- 朝食は抜かずにプロテインを1杯飲む。
- 食事は一日2回を厳守 (朝のプロテインは別)
- 砂糖入りのドリンク禁止
もともとハンバーガーや韓国料理などを好んで食べていた中野さん。
「メニューにもよるのですが、食事内容が糖質と脂質を抱き合わせにしたもの多く、タンパク質が不足してました。なので以前は何も口にしなかった朝にプロテインを飲み、また外食の際は脂質が低めな和食から選んでもらいました。天ぷらなど、揚げ物はさすがにNGですが」(河村さん)
「最初、『和食だけ』と言われて、まったくメニューが想像できずに絶望しました。そんなとき『生姜焼きはOKですよ』と(河村さんから)聞いて、世界が広がりました、実は和食って幅広いんだな、と。奥さんにも焼き魚とか作ってもらいました」(中野さん)
坂田さんの食事ルール
- 毎日の晩酌を一日おきに減らす
- ビールや日本酒をやめ、焼酎かハイボールにシフト
- 家での食事は鍋 (肉か魚を150g、野菜は好きなだけ)
- 外で丼やカレーを食べる時の ご飯は小盛りに
1日1食で、毎日ザルのように酒を鯨飲し、朝方に牛丼×瓶ビールで〆る(これが1日のうちで1食目)など奔放な食生活を送っていた坂田さん。
「酒だけはやめたくないですと先生に話して、せめて2日に1日は飲酒ができるこのルールに。ビールが一番好きなんです…」(坂田さん)
「1日にビールを5杯以上飲んでましたが、それだけで1,000kcal超え。さらに他のお酒も飲むので1日1500kcal程度をお酒から摂っている計算でした。せめて2日に1回にすれば1週間で摂取カロリーを4,500kcal減らせるんです」(河村さん)
まさかの暴露大会がスタート…?
食事のポイントを振り返り、全員のダイエット成功を讃えあってハッピーエンドを目前に…「残念ながらリーク動画が2本届きました」と、辻井さん。会場上部のモニターに現れたのは中野さんの相方である〈蛙亭〉のイワクラさん。
お酒は2日に1回のはずが…
最初にイワクラさんに告発されたのは相方の中野さん…ではなく、2日1回以上にお酒を飲んでいたという坂田さん。
坂田さんが、私ともう一人の芸人を韓国料理屋に連れて行ってくれたんですよ。そのとき、
「ごめん!! 僕、ダイエット中で」
と言うので、申し訳ないな〜と思いつつ、サムギョプサルやチヂミ、チャプチェを頼んだんです。
そしたら坂田さん、私たちと一緒に結構な量を食べてて…。その時点で既にいいのかな〜って思ってたんですけど、
「今まで食べたチヂミの中でこれが一番うまいかもしれない」「もう我慢できない、ちょっとお酒頼むわ」って。
ダイエット的に(お酒は)大丈夫なんですかと聞いたら「『スミマセン飲んじゃいました』って言ったら、正直許される感じだから(笑)」って。
でもその後、聞いたところによれば、今回の企画のグループLINEの食事記録にはサムギョプサルとお酒しか書いてなくて、チヂミとチャプチェは報告しなかったみたいです。…ごめんなさい仲間を売るみたいで…
(イワクラさんのリーク動画より)
「違うんすよ…イワクラが馬鹿みたいに料理を頼んで食べきれないっていうから、
代わりに食べてあげただけなんですよ。河村さんはたまにのご褒美だったら良いって、許してくれるタイプだったので」と言いながらも、膝から崩れ落ち、平謝りする坂田さん。
満喫したバーベキューを報告せず?
もう1本のリーク動画に登場したのは…〈蛙亭〉のイワクラさん。今度こそ、相方である中野さんへの証言が始まった。
この企画中、常にピリついてたんですよ。
「俺、食べるのめっちゃ好きじゃから、すげぇストレスじゃわ」とか言いながらグゥウゥってずーっと腹鳴らしてて、腹立つわ〜と思いつつ。
宮崎でやっている私の番組でBBQのロケがあって、別に呼んでないのに翌日の仕事のために前乗りしてた中野が、わざわざBBQ会場まで来て、結構(肉を)食べてたらしい。
で、ロケが終わって宮崎料理店に移動することになり、食べられないからかわいそうだな〜、と思ってたんですけど。食事中見たら、だるそ〜にチキン南蛮を肘ついて食べてて。「ハァ、1個しか食えん」。
それにフルーツ盛り合わせが出ても「俺が食べられるの何もねぇ!」「さくらんぼが好きなんよ…」と言いつつ、ちゃっかりみかん食べてて。私、ちょいちょい食べてるくせに頑張ってるアピールというか、ピリつく感じを出してくるのが本当に耐えられない!
(イワクラさんのリーク動画より)
こうしてイワクラさんの“告発”は終了し、『ターザン』が知らない、坂田さんと中野さんの“裏側”が明るみに。
司会の辻井さんも、ナポリさんが期間中にストレスのせいか漫才を一回ストライキしたことをリーク。浦井さんは、相方の平井さんに「俺の前では草(サラダ)しか食べてない」と心配されていたそうだ。
「それぞれ大変だったのは察しています。ダイエット中に欲望に流されて寄り道してしまうのはよくあること。それでも、4人とも見事な結果を出しました」と河村さんが一言。そう、全てが万事うまくいくダイエットの方が珍しいのだ。リークはあったものの、それでも減量に成功した4名に拍手を送りたい。
最後はみんなで公開エクササイズ!
成果報告会もいよいよ終盤。クライマックスは大原さんによるフィットネス講座。
「今回は僕がいつもやっているとっておきのドローインを伝授しましょう! 腹を凹ます上ですごく大事で、『ターザン』の減量企画でトレーナーさんから学んだメソッドの1つです」(大原さん)
大原さん直伝のドローインではインナーマッスルを鍛えつつ、腹周りを鋭く絞るのが狙い。息をフーッと吐き切りながら腹を最大限凹ませたら、そのままお腹をツイストして30秒キープ。これを左右2回ずつ、大原さんは行っているそう。
「とにかく息を吐き切ってからひねるのが大事。その時、脇腹の筋肉をものすごく使うんですよ。これによって腹が締まっていくんですね」と、先生然とした口ぶりの大原さん。
浦井さん:このポーズ、何なんですか?
坂田さん:このドローインでイベント終わり…それでいいの?
と一瞬ザワつくも、実践すると「うっ…きつい…」と揃って苦悶の表情。辻井さんが「どこがしんどいの」と不思議そうに聞くと「脇腹です」とハモる4人。お笑いイベントではなかなか見ない、フィットネスタイムで成果報告会は幕を閉じた。
これからも彼らのダイエットは続いていく?
最後の最後まで自分の限界に挑んだ4人。きっとエネルギーも使い果たしたであろう…ということで、イベント後にはシュークリーム&エクレアを差し入れ。今日だけは、ダイエットは忘れていただきます! 大原さんも、ドローインお疲れ様でした。
不摂生がたたり体脂肪の収拾がつかなくなったカラダも、適切な食事改善と悪習慣の見直しで、きちんと絞れる。「30代になると簡単には痩せないという人が多いですが、それは思い込みだということを、今回この4人が実証してくれました」と河村さんも太鼓判。
これを読んだあなただって、何歳からでもカラダは変えられる。(必要ならば)できるところから地道にコツコツ、ダイエットに励んでみよう。