トレーナー直撃「脱げるカラダ」ファイナリストのお悩み相談
ターザン夏の恒例企画「脱げるカラダ2022」のファイナリスト10名も、カラダやトレーニングの悩みはまだまだあるもよう。審査員を務めたトレーナー・河村玲子さん、澤木一貴さんへの相談会を開催!
取材・文/神津文人 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾、村田真弓
初出『Tarzan』No.837・2022年7月7日発売
河村玲子さん
教えてくれた人
かわむら・れいこ/トレーナー・管理栄養士 。1985年生まれ。メンタル&フィジカルサポートスーパーバイザー。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー。フィジカルとメンタル、栄養指導が行える稀有な存在。
澤木一貴さん
教えてくれた人
さわき・かずたか/トレーナー 。1971年生まれ。〈SAWAKI GYM〉代表。パーソナルトレーナー。1991年よりトレーナーとして活動を開始。専門学校講師や協会理事として多くのトレーナーを育成してきた。東京と沖縄でジムを運営している。
目次
手足が長いせいか前腕と膝下のボリュームが出ません!(熊上さん)
「私と比べてみても確かに熊上さんは、前腕と膝下が長いですね。その分、筋肉がついていても細く見えるというのはあると思います。大きくなりにくいと感じているなら、普段とは違う刺激を入れるのがおすすめですね。
前腕ならウェイトを持って歩くなどして持久系の筋トレを行う。膝下については、熊上さんは腓腹筋は発達しているので、ヒラメ筋を狙うシーテッドカーフレイズ(右写真)なんかをやると、バランスがとれてくるでしょう」(澤木トレーナー)
脚がなかなか引き締まらないのが悩みです!(鈴木さん)
「鈴木さんの脚は十分引き締まっていると思いますが、筋肉がありつつもよりシャープに見せたいのなら、脚トレの時のフォームを見直すといいかもしれません。
スクワットのフォームを見せていただきましたが、体幹が他の部位と比べて弱いからか、太腿の前側に刺激が入りやすいフォームになっていました。
大腿四頭筋が発達すると細い印象にはなりにくいので、体幹の強化とフォームの見直しでお尻に刺激が入りやすいスクワットをしましょう」(河村トレーナー)
澤木さんはフィジークに出たときどんなトレーニングをしましたか?(実原さん)
「僕がフィジークに挑戦したのをご存じなんですね(笑)。ありがとうございます!
普段は週2回、40分程度しかトレーニングしていないのですが、フィジークにチャレンジしたときは半年ぐらい全体の筋トレのボリュームを増やして、弱点だと思う部位は種目数も増やしました。
ただ僕も50代で、20代の時のようには筋肥大しませんし、リカバリーにも時間がかかるので、ケガをしないこと、しっかりと休みを取ることを心掛けました」(澤木トレーナー)
筋トレは総ボリュームが一番重要って本当ですか?(森谷さん)
「ボリューム(重量×回数)の総量は、確かに筋肥大に大切な要素ですが、それが全員にとって正解というわけではないかなと思います。
時間が限られているなら、ショートインターバルで追い込んでも全然大丈夫。関節を痛めやすいという人はボリュームを追いすぎない方がいいでしょう。
基本的な理論をベースにしながら、新しい理論が出てきたら試してみて、最終的には自分に合うものをチョイスして続けるのがベストです」(澤木トレーナー)
胸トレできれいにバストアップしたい!(渡邉さん)
「猫背の状態でベンチプレスやダンベルプレスなどの胸トレをすると、どうしても肩が前に出て、筋肉がついてもゴリラのように…。
女性らしいボディラインとバストアップを目指すなら、肩甲骨を引き下げて背骨の上部を反らせ、伸びを感じながら胸トレを行いましょう。
体幹を入れて肋骨を締めるイメージを持つことも重要です。ボディラインをきれいに見せたいのなら、筋トレの際の姿勢を大切にしましょう」(河村トレーナー)
筋トレで手首を痛めがちなんですが解決策はありますか?(岩田さん)
「手首は親指側に約24度(橈屈)、小指側に約55度(尺屈)可動します。つまり親指側にはあまり動かない。なので、バーやダンベルを握る際に親指を強く握りすぎる人は手首を痛めやすかったりします。
あとはベンチプレスをワイドグリップでやる人も手首を痛めやすい傾向がありますね。グリップ位置を変える、親指ではなく小指側を意識するだけで、改善することがあります。もちろん手首のストレッチも十分に行いましょう」(澤木トレーナー)
スクワット以外におすすめの尻トレはありますか?(小須田さん)
「一般的なスクワットに何か1つ尻トレを加えるなら、ブルガリアンスクワットがおすすめですね。理由は、動作中に大臀筋がものすごくストレッチされるからです。ブルガリアンスクワッは、通常のスクワットとは違う刺激を与えることができますし、お尻にも効かせやすい。
また左右のどちらかに偏ることなく負荷をかけられます。ウェイトを持つスクワットの前の、ウォーミングアップ的に取り入れるのもいいですね」(澤木トレーナー)
右側の腰が張りやすくて困っています!(中村さん)
「まず、おすすめしたいのが筋トレ前にカラダを十分にほぐすこと。デスクワークなどで筋肉が硬くなっている状態で大きな負荷をかけるのは、ケガのリスクを上げてしまいます。
それから筋力に左右差があると、どうしても強い側が頑張りすぎたり、弱い側の負担が大きくなることがあるので、たとえばスクワットなら、脚を前後に開いて行うスプリットスクワットのような左右非対称な動きのあるトレーニングを入れて左右差を整えていきましょう」(澤木トレーナー)
お尻の横側にボリュームが欲しい!(前田さん)
「お尻のボリュームアップが目的で、特に横側に筋肉が欲しいのであれば、クロスバックランジがおすすめです。片足を斜め後ろに引いて脚をクロスさせるランジなのですが、お尻の横側に位置する中臀筋にとても効かせやすいトレーニングです。
下げる脚側の骨盤が落ちないようにすること、前側の膝が外に逃げないようにすることが注意点です。体幹も鍛えられますし、ステップの幅で負荷の調整もできるので、ぜひチャレンジしてみてください」(河村トレーナー)
痩せやすくて油断すると筋肉が落ちてしまいます!(小松さん)
「まずは3食きっちり食べること、それから十分なタンパク質を摂る必要があります。体重が落ちやすい人は、カロリー収支がマイナスにならないように気をつけることも大切です。そして筋肉をつけて体重が増えたら、それを一定期間以上キープすることを心掛けましょう。
人間のカラダにはホメオスタシス(恒常性)があります。体重が増えた状態が一定期間続けば、それを保とうとするので、すぐに体重が落ちてしまうのを避けられるはずです」(河村トレーナー)