アクション映画は眼精疲労を起こしやすい?|専門家に聞く「疲労の正体」vol.3
どうして人間は疲れるのか? 頑張る男子くすぶりくんの漫画と疲労の専門家・梶本先生の解説をテーマごとに読めば、謎が解ける! 今回のテーマは、「眼精疲労の原因」について。
取材・文/石飛カノ イラストレーション/沼田光太郎
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売
眼精疲労も自律神経の疲れで起こる。
梶本修身先生(以下:梶) アクション映画を見て疲れたのは、脳疲労による眼精疲労です。
くすぶりくん(以下:く) ただの眼精疲労じゃないんですか?
梶 自律神経のうちの交感神経が優位なときは本来、遠い場所に焦点距離が合いやすいんです。狩りをするときは遠くの獲物を狙うでしょう? 逆に赤ちゃんにおっぱいをあげるときは近くを見ますよね。このときは副交感神経が優位になっています。
く ふんふん、なるほど。
梶 でも、仕事中は逆ですよね。脳自体は交感神経優位だけれど近くのモニターを見るときは副交感神経の刺激を出さなきゃいけない。これが脳にとって負担になります。
く へえー、じゃあ興奮してるときは遠くを見ればいいんですね。
梶 そうです。アクションものは映画館で見るのが、脳にとっては健全です。
く そうか! 家で見るなら『ワイルド・スピード』じゃなくて『三丁目の夕日』にすればよかったのか〜!