セバスチャン・サウェ|大いなる壁を乗り越えた、脅威の“サブ2”達成ランナー。

人類が130年かけて追い続けてきた、フルマラソン2時間の壁。その先へ踏み込んだセバスチャン・サウェは、限界の瞬間に何を感じていたのか。

text: Tarzan photo: Getty Images

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セバスチャン・サウェが走る姿
Profile

セバスチャン・サウェ/1995年、ケニア生まれ。10000m、ハーフマラソンの自己ベスト記録はそれぞれ26:49、58:05。通算4度目のフルマラソンで世界新記録を樹立。

着用シューズは〈アディダス〉の《アディゼロ アディオス プロ エヴォ 3》。平均重量は97g(27.0cm)と世界最軽量クラス。日本発売は未定。

可能だと感じたのは、最後の1分から。

1896年、第1回アテネ・オリンピックで初めて、マラソンが競技として採用された。全長40kmのコースを2時間58分50秒で走り優勝したのは、スピリドン・ルイスという23歳のギリシャ人青年。羊飼いだった。

それから130年。走ることがスポーツになってから、人類は少しでも速く走ろうとしてきた。それでも越えられなかった大きな壁が今年、破られた。フルマラソンでの2時間切り、いわゆる「サブ2」である。

達成したのはセバスチャン・サウェ、ヨミフ・ケジェルチャの2人だ。1時間59分30秒の記録で優勝したサウェはもともと、10000mやハーフマラソンで活躍していた選手。

2024年のバレンシアでフルマラソンデビューを果たし、そこからロンドン、ベルリンとメジャー大会で立て続けに優勝。今年4月、フルマラソン初参戦から約1年半後のロンドンマラソンで世界新記録を出した。

今年9月末にはベルリンマラソンを走る予定だったが、怪我のためサウェは棄権。どこまで速く走れるか。人の限界に挑む、終わりなきチャレンジはまだ続く。