淡白な減量食に、ひと工夫。香りと刺激を楽しむスパイスレシピ。
減量中の淡泊な食事に飽きてきたら、カロリーゼロのスパイスを使って食事をよりおいしく、刺激的にアレンジしてみてはいかが?
text: Tatsuya Matsuura photo: Nanako Ito recipe supervision: Daisuke Okamoto expert advisor: Reiko Kawamura
『Tarzan』No.930 on sale July 23, 2026.

教えてくれた人
岡本大佑(おかもと・だいすけ)/Spice飯店・店主。中国・台湾料理を土台に国境を超えるスパイス使いの達人。燗酒やナチュラルワインとの合わせも。著書『「Spice飯店」のスパイスつまみ』。
スパイスを減量食の味方に。
減量生活も終盤となり、仕上げに近づく頃。しかし、そろそろ“タンパク”な食事に飽きが来ている人も多いに違いない!
そんな皆さまに紹介したいのが、スパイスの風味を取り入れること。辛味や痺れや苦味だけにとどまらない、清冽で多彩な香りが、いつもの鶏胸肉や茹で卵を、まるで違う味わいへと連れ出してくれる。
スパイスには交感神経を刺激したり、脂肪をエネルギーとして利用しやすくしたりする成分も含まれていて、ラストスパートの背中を押してくれる頼もしいパートナー。その味わいを存分に引き出してもらうべく、スパイスを愛する〈スパイス飯店〉の岡本大佑さんに、減量中に心置きなく楽しめるスパイス料理を作ってもらいました。

〈Spice飯店〉東京都杉並区西荻南2-19-5 1F。平日17:00〜23:00、土・日・祝15:00〜22:00。火休、不定休。
減量中に取り入れたい、7つのスパイス。
花椒|エネルギー消費を促進。

辛味成分「サンショオール」が唾液や胃液の分泌を促し、食欲不振や消化不良を解消。交感神経を刺激し、エネルギー消費を促進。腸の運動を促進する腸活効果も期待できる。
クミン|体脂肪率の減少サポート。

消化酵素の分泌を促し、胃腸の調整効果が期待できる「クミンアルデヒド」が含まれる。体脂肪率やウェストまわり改善の可能性も。抗酸化・抗炎症作用で活性酸素を抑制する。
胡椒|脂肪細胞生成を抑制。

辛味成分の「ピペリン」が血管を広げて血流を改善させる。抗酸化・抗炎症作用を示す研究例も多く、クルクミンなど脂溶性成分の吸収効率を向上させる効果が期待されている。
シナモン|食後血糖値の上昇を抑える。

芳香成分の「シンナムアルデヒド」が糖質を分解する酵素を一部抑えることで消化吸収を遅らせる。結果、食後血糖値の上昇が抑えられ、脂肪の合成も抑制される。
生姜|食後のエネルギー消費増大。

生の状態に含まれる「ジンゲロール」は加熱後「ショウガオール」に変化し、エネルギー代謝に関与する。食後高血糖の抑制、血糖値のコントロール作用も期待される。
カレー粉|消化促進から脂肪燃焼まで。

消化酵素の分泌を促すコリアンダーの「リナロール」、胡椒の「ピペリン」とセットで肥満サイクルを断ち切るターメリックの「クルクミン」など健康効果までブレンド済み。
赤唐辛子|交感神経を刺激し代謝を上げる。

主成分「カプサイシン」が交感神経を刺激し、褐色脂肪細胞を活性化させる。食事におけるエネルギー消費量増による抗肥満作用も示唆され、食欲抑制効果も期待できる。
スパイスで、減量食をおいしく変える。
唐辛子の辛さでじわり汗ばむ「辣子鶏」。

市販のから揚げで本格中華の味わいを実現。
- 市販の鶏のから揚げ(冷凍)200gは温めておく。
- フライパンにサラダ油大さじ2と赤唐辛子5〜6本を入れて中火にかける。
- 香りが出たら、ニンニクと生姜のみじん切り、花椒各小さじ1と豆板醬小さじ2を加える。
- から揚げを加えて全体をなじませたらピーナッツ大さじ2を加えてひと混ぜして完成。
清涼な生姜香る鶏胸肉「塩水鶏」。

無限に食べ続けたい魅惑のしっとり食感。
- 鶏胸肉の両面に塩大さじ1と花椒小さじ1をすり込み、一晩漬ける。
- 翌日、鶏肉表面の塩を洗い流す。鍋に鶏胸肉とかぶる程度の水、生姜30gをつぶして入れて中火にかけ、沸騰したらごく弱火にする。
- 5分茹でたら火を止め、そのまま常温まで自然に冷ます。粗熱が取れたら冷蔵庫で保存して翌日が食べ頃。
クミンの芳香が乳酸香にピタリ「タコとアボカド、クミンヨーグルトソース」。

爽快な乳酸の奥から深い滋味があふれ出す。
- タコ80g、アボカド1/2個をぶつ切りにする。
- ヨーグルト100g、レモン汁1/4個分、ニンニク(すりおろし)1片分、オリーブオイル小さじ1、塩、クミンパウダー各小さじ1/2を混ぜ合わせたソースをかけてよく和える。
唐辛子と花椒の麻辣共演「麻辣枝豆」

鍋ひとつで作れちゃう、憧れの中華風つまみ。
- フライパンにサラダ油大さじ1と種を抜いた赤唐辛子1本を入れて中火にかける。
- 唐辛子が黒く色づいたら弱火にして、ニンニク(みじん切り)1片分、豆板醬小さじ2、花椒小さじ1、クミン小さじ1/2を加える。
- 香りが立ったら枝豆150g、水100mLを入れて蓋をする。
- 水分がなくなったら最後に醬油小さじ1を加えて全体を和える。
ターメリックと青魚の邂逅「鯖タンドリー」。

北インドの味と鯖の文化干しどこにもなかった出合い。
- ヨーグルト100gにカレー粉小さじ2、ターメリック小さじ1、ニンニク、生姜(各すりおろし・小さじ1/2)を合わせた漬け地に鯖の文化干しを半日から1日漬け込む。
- ヨーグルトソースをスプーンの背などで拭いて、魚焼きグリルで両面を焼く。
ほのかに漂う中国茶の芳香「茶葉蛋」。

卵の風味も優しく香る台湾風の“味玉”。
- 小鍋に水3カップを入れ、烏龍茶のティーバッグ1袋と、八角、シナモン、ローリエを加えて中火にかける。
- 沸騰したら火を止め、煮出したお茶に醬油110mL、砂糖60gを加えて自然に冷ます。
- 固茹でにした卵の殻にスプーンの背などで全体にひびを入れ、殻ごと漬ける。翌日以降が食べ頃。
貝の旨み&爽快な香草「アサリと春雨ニンニク蒸し」。

旨みあふれるアサリ出汁をたっぷり吸った春雨に悶絶。
- フライパンにサラダ油小さじ1とニンニク(みじん切り)1片分を入れ、中火にかける。
- 香りが立ったら、アサリ150gと水150mLを入れて蓋をし、貝の口を開かせる。
- 醬油、黒酢、ナンプラー各小さじ1と春雨50gを加えて水分がなくなるまで煮る。皿に盛り、パクチーを散らす。

