チャーミングで都会的なジープ《JEEP CHEROKEE RENEGADE》|クルマと好日

アウトドアフィールドに、あるいはちょっとした小旅行に。クルマがあれば、お気に入りのギアを積んで、思い立った時にどこへでも出かけられる。こだわりの愛車を所有する人たちに、クルマのある暮らしを見せてもらいました。

text: Koji Toyota photo: Naoki Honjo

『Tarzan』No.788 on sale June 11, 2020.

チャーミングを宿した〈ジープ〉に90‌’sアウトドアギアを積んで、都会の“ウィルダネス”へ。

〈ジープ〉といえば、悪路をモノともせずに力強く突き進む“マッスルカー”の象徴。でも、コンビニの駐車場に佇むこの〈ジープ〉は、少し雰囲気が異なる。空が高く、緑豊かな景色が、実に居心地良さそう。揺るぎなき頑丈さのなかに、まろやかな“チャーミング”を宿した一台は、《チェロキー レネゲード》というモデルだ。

2000年代初頭に作られた“異色な〈ジープ〉”のハンドルを握るのは、古着店〈ウォーミング〉の店主、坂本高久さんである。

「もともと〈ジープ〉好きだったわけではなくて。90年代に花開いた〈L.‌L.ビーン〉や〈エディー・バウアー〉などのアメリカンアウトドアに傾倒して、それに似合うクルマって何だとリサーチした結果、《チェロキー レネゲード》に辿り着きました。アメリカのワイルドライフに惹かれているのに、ヨーロッパ車じゃ格好つかないじゃないですか(笑)」

確かに、〈ジープ〉の野性味を程よく残した都会的なルックスは、90年代アウトドアブランドの名品たちとシンクロする。

「フロントガラス上部には目玉のようなルーフライトバーが付き、カクタスグリーンと呼ばれるサボテン色をまとった佇まいは、どこかカエルのよう。この呑気な感じがたまらない。車体もあまり大き過ぎず、インテリアは適度にレザーを使ったグレージュカラー。メーターパネルは、見ようによっては〈タイメックス〉の腕時計《キャンパー》の文字盤のようにも思える。まさに、僕好みのポップさを感じます」

この《チェロキー レネゲード》、実は70年代の伝説的モデル《CJ―5 レネゲード》からその名を拝借。よって、キュートな見た目とは裏腹に乗り味はワイルドだという。

1974年に誕生したミドルサイズのSUV《チェロキー》。このモデルは3代目。バックドアのタイヤはウィルダネスの証しだ。

「車体が重いからグンとスピードが乗りますし、もちろん悪路はお手のもの。しかもこのルーフライトバーは、約548m先まで照らす“7万5000カンデラ”の光度があるらしくて。試したことはないけど」

愛車の荷室には、いつでもキャンプができるように、〈L.‌L.ビーン〉×〈バイヤー〉のコットや〈エディー・バウアー〉のカセットテープケース。〈モス〉のテントに、〈ペンドルトン〉のウールブランケットなどの90年代のアウトドアギアがぎっしりと積まれている。ウィルダネスとチャーミング。それは坂本さんの佇まいと、ぴたり重なる。

80年代の〈エディー・バウアー〉。珍しいカセットテープケース。

アメリカ・メイン州にある家具メーカー〈バイヤー〉と〈L.L.ビーン〉がコラボしたコットに、〈モス テント ワークス〉のテント。“LANDS”と書かれたナイロンバッグには、90年代アメリカ製のシステムグリル〈パイロミッド〉が入り、〈アウトドアリサーチ〉のケースにはこまごまとしたものを収納する。洋服もそうだが、ギアも90年代アウトドアのベーシックばかり。「デザインが格好いいし、道具としてもしっかり使える」とのこと。

JEEP CHEROKEE RENEGADE

メーターは〈タイメックス〉などの腕時計にも見られるホワイトの文字盤。赤い針でポップさが際立つ!

室内はコットン×レザーのコンビ。“ザ・アメリカンカジュアル”な仕様に、冒険心が搔き立てられる。

横開きのテールゲートは、上部のガラスハッチだけでも開閉可能。この手の仕様は今ではけっこう珍しい。

  • 全長4,495×全幅1,820×全高1,905㎜
  • エンジン=3,700cc、V型6気筒SOHC12バルブ
  • 乗車定員=5名
  • 燃費=6.9km/ℓ(10・15モード)。2003年モデル。平均中古価格は約100万円。カクタスグリーンの他にブラックカラーもあり。
Owner

坂本高久(さかもと・たかひさ)/1980年、千葉県生まれ。2019年に、東京・世田谷の松陰神社前に古着店〈ウォーミング〉をオープン。趣味のキャンプは最近ご無沙汰気味。「早く行きたい!」。