まったり走るのが気持ちいい《TOYOTA CROWN STATION WAGON SUPER CUSTOM》|クルマと好日

アウトドアフィールドに、あるいはちょっとした小旅行に。クルマがあれば、お気に入りのギアを積んで、思い立った時にどこへでも出かけられる。こだわりの愛車を所有する人たちに、クルマのある暮らしを見せてもらいました。

text: Koji Toyota photo: Noto Date

『Tarzan』No.789 on sale June 25, 2020.

昭和の風情を色濃く残したワゴンタイプのクラウンが、生活に“ゆるさ”をもたらす。

「友人から“中古車店〈いすゞスポーツ〉にいいクルマが入ったらしいよ”と連絡が来て。どれどれと足を運んだら、クラウンのステーションワゴンでした。〈いすゞ〉の店で、クラウン。そのギャップも可笑しくて、つい契約してしまったんです」

出合ったいきさつを楽しそうに話してくれた近藤丈二さん。さまざまなイベント企画を軸に、音楽レーベル〈FABIENNE〉を運営したり、『rooms』などの展示会の空間作りも手掛けるなど、多岐にわたって活動。多忙な毎日を送っている。

「嬉しいことに空間作りの仕事も多くて。正直、大きなクルマでちょうどよかった。このクラウンは横長だから、長い板や道具は入るし、荷室もちゃんと広い。それに、ゴールドとブラウンのボディカラーも、どこまでも潔く直線のみで統一したスクエアフォルムも、自分の趣味にドンピシャだったんです」

四角いヘッドライトに渋い魅力のグリルが、1979年〜83年まで発売されていた6代目クラウンの特徴。少し厳つい見た目から好事家たちの間では“鬼クラ”と呼ばれている。

“いつかはクラウン”じゃなくて“たまたまクラウン”なのに、こんなにフィーリングが合うなんて。出合うべくして出合うとは、まさにこういうことなのだろう。

「そうかもしれませんね。実際に乗り出したら本当に調子いいですし。しかも、昭和の高級車だっただけにゆったりとした作りのシートが堪らなく最高で。ソファか! っていうくらいに座り心地がいいんです。だから、運転するときは、自然とリラックスした気分になれる。まったり走るのがまた気持ちいいクルマなんですよ」

目下の近藤さんの一番の趣味は、クラウンでのクルージング。友人のバンドのCDやジャズの名盤などをどっさりと積み込んで、ちょっと遠くまで出かけているそうだ。

「去年の夏、逗子の映画祭を目的にプチロングドライブしたのですが、会場まで行かないでそのまま帰ってきちゃったんです。このクルマのピラーが華奢だからフロントガラスが広くて、抜けがとにかく気持ちいい。逗子海岸線を走っているとき、流れていく車窓からの景色がスクリーンを眺めているみたいにドラマチックで。映画よりも映画を感じちゃったんですよね(笑)」

多岐にわたる収集も趣味のひとつ。ヨーダにデロリアンの模型、『スター・ウォーズ』のライトセーバー、指オルガンなどは、近藤さんのアイデアソース!? 最近は縄跳びに夢中とか。

色褪せて渋さの増したゴールドボディには、クラウンのエンブレムがよく似合う。リアガラスには〈いすゞスポーツ〉のステッカー。

TOYOTA CROWN STATION WAGON SUPER CUSTOM

レザーハンドルの中央には風格が漂うエンブレムが鎮座。スイッチはアナログ式。「ターンテーブルのツマミみたい」と近藤さん。

シートクッションは細かいヘリンボーン柄。ベージュレザーのヘッドレストと相まって英国的な気品すら感じる。

荷室の下には“第4の席”が隠されている。ご丁寧にもシートベルトも付いているが、まだ誰も乗せたことがないらしい。

ルーフトップに近藤さんが自ら取り付けたキャリアは業務用で有名な〈ロッキー〉製。黒光りしたステンレスが、またヘビーデューティな雰囲気だ。

フェンダーミラーに前下がりのボンネットも“昭和の男”のクルマって感じで格好いい。

  • 全長4,690×全幅1,690×全高1,515mm
  • エンジン=1,988cc、直列6気筒OHC
  • 乗車定員=6名。中古平均は約50万円。でも、古いだけに修理する部分がややあって、最終的には総額200万円近くかかったとか。
Owner

こんどう・じょーじ/1985年、東京都生まれ。空間演出家、料理人、DJ。uto Ltd./HOME PLANET/FABIENNE/Movin’ Studio/ °HiGE’ORGE”DJA吉STUDIOなど、数々のイベントや演出を手掛ける。井の頭公園駅前のKEBAB屋 〈YUM NUB !〉が26年8月よりスタート。@higeorge_hello