
えっ、お皿を小さくするだけ?

小皿にするだけで、そんなに変わる?と思うかもしれないが、ケンブリッジ大学の研究によると、我々が何をどのくらい食べるのかを決定するのは、己の意思よりも環境の工夫に強く影響されることがわかっている。
おいしく食べるという意味では、大皿を使うと盛られた料理も喜ぶものだが、十分な量が盛られていても余白がある分、脳がまだ足りてない?と錯覚を起こし、20%ほど余計に食べてしまうという実験結果も出ているという。
つまり、人は器のサイズに合わせて料理を盛りたくなる生き物だという話なのだが、逆に酒場などでつまみの小皿をちょこちょこ頼んでいるだけなのに、お腹がふくれることは往々にしてある。
すき焼きも鍋でつつくからつい食べすぎるのだし、ナポリタンも小皿ならカロリー摂取量は少なく済む。豆皿にから揚げを一つうまそうに盛り付けるだけで心も胃袋も満たされる。
食べる際に、目の前の食事に集中して楽しむというマインドフルネスを意識することで、摂取カロリーが減らせるというのはコロラド大学の研究でも明らかに。
食べ物の匂いや食感、器の手触りまで、一口ごとにじっくりと味わうことが、太らないための意外な盲点としてあるというのは、ここに伝えておきたい。
ポイントは目にもおいしいこと。編集部おすすめの“小さめ美皿”9選。
「小皿で太らない」と言われたからと適当な器を用意しては、食のすべてを楽しんだとは言えない。かの柳宗悦らの民藝の先人たちは食事の際も「皿までおいしい」と食卓の上を味わい尽くしたが、人が一生懸命生活するところに、美しいものは生まれる。
目にもおいしい器を選び、食を楽しむ心を持ち得て初めて、家庭料理は極まれる。ここでいう小皿とは、5寸(約15cm)以下のもので、いわゆる取り分け皿くらいの大きさのものを妥当とした。
大分の小鹿田焼といった雑器から、江戸時代の藍九谷、セラミックの型ものまで、おいしそうな器をひとつひとつ手に入れた。瀬戸のキムホノさんの一皿はタイミングよく個展で手にし、岩井窯の山本教行さんの角皿は鳥取を訪れた際に工房で見つけた。
どこでどう出合えたかといったところまでが料理の隠し味。小さな器の充実が、おいしくて太らない生活のための近道となる。
1.SWIMSUIT DEPARTMENTのプレート(直径15.5cm)

80年代アメリカ的なSWIMSUIT DEPARTMENTのプレート。3,520円、問BATHHOUSE SHIBUYA、WEBサイト
2.HYEJEONG KIMのプレート(直径15.5cm)

今では希少な作家キム・へジョンの日用雑器。こちらは目にもやさしいブルーのプレート。8,800円、問プレイマウンテン、WEBサイト
3.倉敷青木窯 青木康太の5寸鉢(直径15.5cm)

島根・森山窯出身、新進気鋭の倉敷青木窯 青木康太の5寸鉢。3,850円、問工芸喜頓、WEBサイト
4.岩井窯 山本教行の黄釉搔落角皿(小)(W11.5×H8cm)

生ける民藝の心、岩井窯 山本教行の黄釉搔落角皿(小)。3,850円、問クラフト館 岩井窯、WEBサイト
5.江戸時代前期 藍九谷の小皿(直径14cm)

数周まわって超モダンな、江戸時代前期 藍九谷の小皿。33,000円、問YAMADA MPD ART CLUB、WEBサイト
6.九谷焼 NOVEMの八角皿(S)(W10.2×H10.2cm)

静かなるアクセント、九谷焼 NOVEMの八角皿(S)。1,100円、問CIBONE、WEBサイト
7.谷口嘉のガラス金縁十字皿(小)(直径12.5cm)

金彩の縁取りが美しい、谷口嘉の金縁十字皿(小)。8,800円、問日々、WEBサイト
8.小鹿田焼 坂本浩二窯の4寸皿(直径12cm)

凜々しい刷毛目、小鹿田焼 坂本浩二窯の4寸皿。1,400円、問小鹿田焼ソノモノ、WEBサイト
9.キムホノの小皿(直径13cm)

もはや芸術、キムホノの小皿。5,500円、問うつわ萬器、WEBサイト


