炭水化物は白より茶色を。疲れ知らずの食事術。
多忙を理由に、食がおろそかになってはいないか? 食事は疲労対策の大チャンス。これを逃す手はない。食材や栄養素をよく知って、味方につけよう。
text: Kano Ishitobi illustration: Yui Watanabe expert advisor: Reiko Kawamura
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教えてくれた人
河村玲子(かわむら・れいこ)/パーソナルコンディショニングスタジオRAF代表。管理栄養士と機能改善トレーナーの二刀流で活動。ボディメイクと食の科学を融合させた指導に定評あり。
主食|炭水化物は白より茶色。

もち麦、発芽玄米、蕎麦
血糖値の乱高下予防とリラックス効果に期待。
もち麦に含まれる水溶性食物繊維・β—グルカンは、血糖値の急上昇を招きにくい。朝食べることでその後の食事での血糖値コントロールにも効果を発揮する。加えて、血糖値の乱高下による集中力低下予防に。
続いて、玄米に期待できる疲労回復成分はギャバ。腸を介して、脳に鎮静効果をもたらすことが知られている機能性成分だ。さらに玄米に豊富なビタミンB群は代謝を促し、ビタミンEは血行を促してくれる。
もち麦と玄米、どちらも自宅で炊く手間を省きたいならコンビニのおにぎりなどを活用したい。麺類ならば、やはりギャバとビタミンB群が豊富な蕎麦がおすすめ。疲労回復に役立つ主食の共通点は、どれも白ではなく茶色ということ。
主菜|メインのおかずは生・煮る・蒸す。

カツオ、鮭、レバー、鶏胸肉
さまざまな機能性成分を調理法を生かして摂取。
主菜のタンパク質で選びたいのは、マグロやカツオ、牛肉の赤身など、色が赤い魚や肉。赤色の由来は鉄分。内臓などに蓄えられていて、必要時に動員される貯蔵鉄が不足すると疲労感が増す。日頃から摂取すれば、鉄欠乏を防ぐための強い味方に。
鮭に含まれるアスタキサンチンは強力な抗酸化作用を発揮し、疲労の原因の酸化を防ぐ。イミダゾールジペプチドという抗疲労成分を含む鶏肉も積極的に摂りたい食材。部位でいうと特に胸肉に豊富なので、サラチキなどを利用してもよし。
また、これらの主菜を摂る際に注意したいのが調理法。炒める、揚げるなどの高温調理では糖化に関わるAGEsが大量に発生するので、生か茹でる、蒸すなどの調理法でいただきたい。
副菜|野菜は色の濃いものを狙え!

ホウレンソウ、ニンジン、トマト、黒豆
野菜の小鉢やサラダで抗酸化パワーをいただく。
和食の美点は副菜の小鉢がもれなくついてくるところ。不足しがちな野菜類をばっちり摂れる仕組みになっている。
まず食材として取り入れたいのは、ニンジンやホウレンソウ、ブロッコリーやカボチャなどの緑黄色野菜。これらは抗酸化作用が期待できるβ—カロテンの宝庫。より強い抗酸化力のあるリコピンを含むトマトも、副菜のデイリーメンバーに加えたい。
黒または紫の食材の色素成分・アントシアニンも抗酸化作用で知られる機能性成分。こちらは脳に直接送られて健康作用をもたらすので、黒豆の煮物などの副菜で利用したい。
ちなみに副菜をサラダで摂る場合は酢やレモンを使ったドレッシングを活用すると、クエン酸の疲労回復効果が見込める。
汁物|味噌と具材のW効果に期待。

味噌汁、メカブ、ネギ、アサリ
ニッポンの心の味、味噌汁で心身に栄養を。
疲労回復に役立つ汁物として断然おすすめなのは味噌汁。発酵食品の代表格として腸内環境の改善を促し、さまざまな健康効果が期待できる。また、ギャバも含まれているので、リラックス効果もあり。
具材は緑黄色野菜、なかでもホウレンソウがおすすめ。理由は自律神経の調節に関わるマグネシウムが豊富に含まれているから。味噌汁の具の定番、アサリもマグネシウムの補給源。
こちらは脳の神経活動を促すビタミンB12も含まれているので、選択肢の中にあったら迷わずチョイスしたいところ。
そして味噌汁のトッピングで活用したいのはネギ。栄養成分のアリシンが体内でビタミンB1と結合して強力な疲労回復物質・アリチアミンが得られる。
デザート|果物の力でストレスに対抗。

キウイ、グレープフルーツ、ブルーベリー
果物のビタミンCと抗酸化力に頼る。
ストレスがかかると副腎皮質からコルチゾールというホルモンが大量に分泌される。血糖値を上げて心拍を上昇させ、ストレスに対抗し生命を繫ぐためだ。
そのコルチゾールの材料となるのが、ビタミンC。よって、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘系のフルーツをデザートとして取り入れれば、手っ取り早く摂取することができる。
柑橘系に負けないほどのビタミンCが含まれているキウイもおすすめ。食物繊維も豊富なので、腸内環境の整備にも役立つ。
ブルーベリーやクランベリーなど、アントシアニンが豊富なベリー類もデザートに加えたい。朝食でヨーグルトとともにいただけば、こちらも腸内環境改善と抗酸化作用のダブル効果で疲労を未然に防げる可能性大。
外食|和洋中いかなる分野でも疲労予防の選択を。
疲れている日は自ら料理をする気力が湧かないもの。自動的に外食に頼ることになるが、チョイスの仕方によってはより疲労が溜まることになりかねない。そこで、ここまで紹介してきた食材と調理法を見極めて、外食の選択眼を磨いてほしい。
丼であれば鉄分補給ができる鉄火丼やイミダゾールジペプチド狙いの親子丼。定食のおかずは鶏肉を揚げるのではなく、蒸したバンバンジーに生の刺し身や煮た魚。
麺なら、牛肉赤身を寄り添わせた肉そばやクエン酸が摂れる冷や中。緑黄色野菜を狙うなら本場インドのサグカレー、もしくはミネストローネ、ナムルというセレクトもよし。
疲れた日に食べたい外食リスト。
- 鉄火丼
- 親子丼
- バンバンジー定食
- 刺し身定食
- 煮魚定食
- 肉そば
- 冷やし中華
- ホウレンソウカレー
- ミネストローネ
- ナムル



