ラッパー・Awichは、なぜ鍛えるのか?
カラダをもっと大切にすると語るのは、アーティスト・Awich。いまの時代のウェルネスを、彼女ほど言葉と態度で語れる人はいない。走って、整えて、鍛える。「強さ」のつくり方を紐解いてくれた。
text: Kenji Inoue photo: Yusuke Abe styling: Marie Higuchi hair & make-up: Tori
『Tarzan』No.924 on sale April 23

Profile
Awich(エーウィッチ)/沖縄出身のラッパー。本名の漢字を直訳した、Asia Wish Childを略した名を持つ。独自の歴史と文化を持つ沖縄の精神性をルーツに、個人的な喪失や数々の困難を乗り越え、その経験を表現へと昇華。揺るぎない覚悟と意志をもって、日本ヒップホップシーンのクイーンとしての地位を確立してきた。日本武道館公演やアリーナ規模のライブ、海外フェスティバルへの出演など、音楽・カルチャー・ファッションの境界を越えながら活動領域を拡張。日本発ヒップホップを象徴するアーティストのひとりとして、幅広い分野で強い共鳴を生み出している。
自身のカラダを客観的に解析する。
──取材前に、自身のカラダを分析した手書きのノートを写真で見せていただいたのですが(※本誌参照)、内容の緻密さが衝撃でした。
私、感覚派じゃなくて理論派なんです。楽曲制作でも「どういう言葉をどの割合で入れるか」を考え抜くタイプ。ノートも同じ。自分のカラダの課題を研究して、人体解剖図などを参考にしながらメモしたもの。
トレーナーやピラティス、整体の先生にも見てもらって、意見を聞いて、修正を重ねています。娘に「これを『Tarzan』に送るよ」って言ったら、「最初に『笑わないでください』って書いたら?」って進言されました(笑)。
──笑うなんてとんでもない。見つかった課題は?
ずっとアメリカに憧れてたのに、背も低いし、カラダのボリュームもないのがコンプレックスで。20代までは大きく見せるために高いヒールを履いて、反り腰で見栄を張ってた。
その結果、足元からインナーの力が抜けて軸が定まらなくなり、アウターで虚勢を張ってごまかす日々。
これじゃダメだって気づいたのが30代後半でした。何をどう変えるべきかまではわからなかったけど、いまはその「外剛内虚」を、外側はリラックスさせて内側を充実させる「外虚内剛」に変えるべきだと納得できた。これが「内外修正」です。
それ以外に前後の歪みを整える「前後修正」、左右の偏りを矯正する「左右修正」がある。左右修正は道半ば。でも、内外修正と前後修正はかなり進みました。
カラダを忘れると感受性が落ちる。

──真剣にカラダと向き合い始めたきっかけは?
毎年1月1日に沖縄に帰って、前年の記録を読み返しながら、その年の目標を立てるのが恒例なんです。今年の目標に掲げたのが「カラダをもっと大切にする」。考え事が大好きで、じっと坐っていろと言われたら一日中でも坐って考え続けられる。
親譲りでめっちゃ体育会系だったのに、気づいたらカラダを置いてけぼりにしている時間が長くなっていた。カラダと脳はつながっているから、カラダを忘れると感受性が落ちる。心が揺さぶられるものや、刺激的な何かに出合っても、深く感動できなくなる。それがだんだん気持ち悪くなったんです。
それで以前は週2〜3回だったトレーニングを今年1月から毎日やるようになりました。朝起きたらまず30分くらい走る。その後自宅にトレーナーを招いて鍛えたり、ピラティスや整体に出かけたりします。
『Tarzan』924号「絶対に続けられる自宅トレーニング。」では、インタビューのフルVer.のほか、冒頭で話題に上った分析ノートや、実際にAwichさんがトレーニングに取り組んでいる様子も掲載。
理論に裏打ちされたボディメイクの全貌は、本誌でチェック!


