Profile
in-d(インディー)/1993年生まれ。ヒップホップグループ・THE OTOGIBANASHI’Sに所属するラッパーで、クリエイティブクルー・CreativeDrugStoreのメンバー。
サッカー自体は幼稚園から高校に入るまでやっていたので、ヨーロッパのクラブも選手もそれなりに知ってはいたけど、海外リーグの試合をリアルタイムで観たことはありませんでしたね。
でも、ユニフォームをもらってから「そういえば、2011/12シーズンの劇的優勝をYouTubeで観たことはあったな」と少しずつ興味を持ち始めたタイミングで、ちょうどペップ(ジョゼップ・グアルディオラ)の監督就任が重なったので次第に応援するようになりました。
当時は海外といえばイタリアのイメージが強かったし、憧れていた選手もセリエAの選手でした。プレミアリーグもクリスティアーノ・ロナウドが出てきた頃だったので、マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルとかの印象が強かったです。
それに当時、実家に海外サッカーをリアルタイムで観られる環境がなかったし、年齢的にもリアルタイム観戦は難しかったから、海外クラブを応援するという考えすらなくて。日本代表やワールドカップの試合を中心に観ていましたね。当時好きだった選手はヨハン・クライフ(アヤックスやバルセロナで活躍した元オランダ代表)でした。
大袈裟に聞こえるかもしれないし、ペップのおかげもありますが、ボックス トゥ ボックス(自陣のペナルティボックスから敵陣のペナルティボックスまでをカバーする運動量豊富な選手を形容する用語)という言葉では片づけられないタスク量なのに怪我もせず、近代フットボールを変えた選手の一人だと思っています。

アストン・ヴィラに勝てば優勝の最終節、キャッシュとコウチーニョに決められて0-2で諦めかけていたら、76分から5分で3ゴールして大逆転という最高のフィナーレで。
2011/12シーズンの劇的優勝をリアルタイムで観れなかったシティズンとしての悔しさがあった分、2021/22シーズンで同じような瞬間を味わえたのは忘れられません。
個人的には、その頃のチーム状況をあまり良いと思っていなかったのですが、4-1で大勝してから上がり調子になった気がして、シーズンのターニングポイント的な試合としても覚えています。
とはいえ、マンチェスターの中心部でご飯を食べてからトラムに乗ってスタジアムに向かうまで、どんどん周りの熱がエレベーションしていく感じは凄かったです。前日にスタジアムツアーに行けたのも感動しました。
それまでは極力SNSを遮断して、LINEも開くと勝手にアルゴリズムでニュースが出てくるから薄目で返信しています(笑)。あとは、今はどのクラブも強くビッグゲームのような試合が毎節あり、1日に観たい試合が複数開催される時はプレミアリーグ好きの友人たちと一緒にパブで観ることがありますね。
ここ数年、街でユニフォームを着ている人を見かけることが増えた実感はありましたけど、ブロークコア(スタイリングにユニフォームを取り入れるトレンド)って言葉は最近まで全然知らなくて、俺の場合は本当に好きだから着ているだけですね。

だからこそ、今季のサードは初めて見た時からめっちゃ良いと思ったんですよね。日本でも現地でもシティズンの間では評判が良くないっぽいんですけど、着ていると周りの友達からは褒められるので良かったです(笑)。
個人の打開力というよりも、どのメンバーでも再現性のある時代と状況に応じた新しい戦術を、サポーターとして間近で観ることができるのは魅力ですよね。たまに、劇場型やロマン系に憧れることはありますけど(笑)。
今、シティはいろいろと問題を抱えていますが、監督が誰になろうと、状況が大きく変わろうと、何が起きても“心のクラブ”なので応援を辞めることはありません。ただ、自分が好きになってからは強いシティだけを観てきたので、苦戦している今の状況はキツいし、負けた時は最悪の気持ちで1週間を過ごしています。
それでも、他のクラブを応援してきたサポーターの方々は、冬の時代を経験しているからこその感情もあるだろうし、サポーターとしては応援することしかできませんから。
とにかく、どのタイミングでどこのクラブを好きになろうが、好きであればなんでも良いと俺は思っています。応援できるクラブがあること自体、めちゃくちゃ素晴らしいことだと思うんです。
クラブ情報
マンチェスター・シティ
創設年:1894年
本拠地:イングランド・マンチェスター
愛称:マンシティ / シティ
1880年にイングランド・マンチェスターで母体となるクラブが結成され、1894年に現在の名称に変更。以来、ホームユニフォームにはスカイブルーを採用している。初タイトルは1904年のFAカップ優勝で、1936/37シーズンには初のリーグ優勝を果たす。その後、国内外のカップ戦を何度か制するも、1980年代から2000年代にかけては冬の時代を迎え、3部まで降格したシーズンも。しかし、2008年にUAEの投資グループに買収されると、2010/11シーズンにFAカップを35季ぶりに優勝し、2011/12シーズンには44季ぶりのリーグ制覇を達成。2016/17シーズンにジョゼップ・グアルディオラが監督に就任以降は、全シーズンでトップ3圏内をキープし、2022/23シーズンには悲願のUEFAチャンピオンズリーグ制覇を含む歴史的な3冠を達成した。