巻き爪や痛み、靴底の擦り減り…。足と脚のお悩みQ&A。

足は重いカラダを支えるキーパーツ。その分、負担も大きいもの。走り込むランナーならではの深刻な悩みから、足が臭いといったなかなか相談しづらいものまで。寄せられた足&脚の悩みを解決するヒントを専門家が回答。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/加納徳博 取材協力・監修/飯村剛史(足のクリニック表参道医師) 編集/星野“cap”徹

初出『Tarzan』No.920・2026年2月26日発売

足のお悩み_巻き爪・股関節痛・足の攣りの様子
教えてくれた人

飯村剛史(いいむら・たけし)/〈足のクリニック表参道〉でランニング障害特別外来を担当。自らが現役ランナーという経験を生かし、医師の診断と理学療法士による動作分析の2本立てで痛みの根本治療と再発予防を包括的にサポートする。

Q.膝と太腿の外側に痛みを感じるように。走らない方がいい?(36歳・男性)

ランニングフォームを見ている様子

A.一旦ランはお休みしてカラダの使い方を再検討する。

膝の外側が痛む場合はランニング障害の中でも「腸脛靱帯炎」が疑われます。ランニングという動的なアライメントの中で大腿骨と腸脛靱帯の摩擦が増して炎症を引き起こしている状態です。

ちなみに膝の内側が痛む場合は、「炎」が疑われます。鵞足とは半腱様筋、縫工筋、薄筋が付着する脛骨付近の部位のこと。ただ痛む部分だけにフォーカスして原因を探ったり治療をしても、一旦は良くなるもののまた同じような症状に陥るかもしれません。

そのまま走り続けるのは高リスク。股関節や足関節の使い方が原因の可能性もあるので、専門家のフォームチェックなどを含めた機能改善が必要です。(足のクリニック表参道医師・飯村剛史さん)

Q.靴の底が削れてすぐ履き潰してしまいます。歩き方が悪いせい?(38歳・男性)

靴の裏がすり減っている様子

A.外側が緩やかに削れるのはOK。それ以外は歩き方や足の形に問題が。

靴のソールのどの部分が削れやすいかが問題です。一般的には両足の踵部分の外側が削れることが多く、この場合はとくに気にする必要はないと思います。

ただし、ソールの内側ばかりが削れる、親指のところがとくに削れるという場合は歩き方に問題があるかもしれません。また、ソールの削れ方に左右差がある場合も、足の形や歩き方の癖に左右差がある可能性が高いと思います。

放っておくと痛みや足の変形が引き起こされてしまうかもしれません。医療機関にアドバイスを求めたり、専門家に治療相談をしてみましょう。

Q.長く歩いたり走ったりすると、足の裏が痛んで心配です。(54歳・男性)

歩行や走行量を減らす_例えば10000から7000へ

A.足底筋膜炎の可能性あり。まずは歩行や走行量を減らす。

踵部分や土踏まずが痛くなる場合は足底筋膜炎の可能性が高いと思います。

考えられる原因は足首が硬くて可動域に制限がかかっていることや、扁平足で足底筋膜に過剰な負担がかかっていることなどです。足の裏や足首のコンディションが悪いまま、許容できるレベルを超えた足の使い方をすることも症状を引き起こす原因になります。

1日1万歩を習慣にしたり、ランニングを頻繁に行っている人は歩いたり走ったりする量をまず減らし、足首のストレッチや足裏の機能改善トレーニングを取り入れてみましょう。

Q.巻き爪気味で、爪が伸びると痛みがあります。医者に行くべき?(27歳・女性)

足の爪が巻き爪になっている様子

A.まずは爪をスクエアカットに。医療機関で治療を受ける道も。

巻き爪の人は爪が伸びると周囲の指に食い込んで痛みが発生します。最も重要なことは適切な爪の切り方を覚えること。

多くの人は見た目がきれいなラウンドカットという先端が丸くなる爪の切り方をしますが、巻き爪の人の場合は先端が直線で角が直角なスクエアカットにすることがセオリーです。理由は前者の切り方だと爪の両端が皮膚に食い込みやすくなるからです。

また、爪の切り方だけで解決しない場合は足の形や指の使い方に問題があるかもしれません。矯正器具などで対処するだけでなく、足全体の問題と考えるとさまざまな治療パターンが検討できると思います。医療機関への相談も選択肢のひとつと考えてください。

Q.年1くらいの頻度で捻挫をします。何とかしたいです。(32歳・男性)

靱帯の筋肉をトレーニングしている様子・踵の上げ下げ

A.年1で繰り返すようなら靱帯の周りの筋肉の鍛錬を。

捻挫で一番多いパターンは「内反捻挫」という足が内側に倒れてしまう捻挫です。足の裏が内側に向く「回外」動作がクセになっている人がこの捻挫を引き起こしやすいと考えられています。

内反捻挫を繰り返していると足の外側の靱帯が緩んでくる可能性が高くなります。一度緩んだ靱帯は元に戻ることはありません。靱帯を再建するという手術もありますが、そこまでしなくてもカーフレイズなどで筋肉を鍛えたり、足首の動きの左右差を整えたりする方法はあります。何度も捻挫を繰り返す人は、まず再発予防のリハビリが受けられる施設へ。

Q.足が臭くて家族にも嫌がられています。効果的な消臭法があったら知りたいです。(45歳・男性)

カバンの中に換えの靴下をようしている様子

A.靴下のスペアを常備し、制汗スプレーやミョウバン水を活用。

足が臭い背景としては、足に汗をかきやすい、足の角質が溜まっているなどさまざまなことが考えられます。

対策として、初夏以降の湿気が多く蒸れやすい時期は通気性のいい靴を履く、予備の靴下を持ち歩いて日中に一度履き替えることなどが挙げられます。

また、足の汗を抑えるという意味では制汗スプレーを利用する手もありますが、使いすぎると常在菌を殺してしまいかえって臭いが生じることもあります。よりおすすめなのは消臭・殺菌作用のある焼きミョウバンを水に溶かしたミョウバン水を足に塗る方法です。

さらに水虫が臭いの原因という可能性もあるので、皮が剝けている場合は皮膚科などで一度検査を。

Q.外反母趾気味で合う靴がなかなかありません。(36歳・女性)

靴下の縫い目やステッチに注意している様子

A.金具や縫い目、サイズをチェック。インソールの導入もひとつの手。

外反母趾の程度にもよりますが、「靴が合わない」状態だと、特定の指の部分に当たってしまって痛みなどが生じていると考えられます。とくに指が折れ曲がっているところに靴の金具やステッチが当たると、履いた瞬間には気づかなくても、歩いているうちに徐々に痛みが生じることも。

靴を買うときには金具やステッチの位置をチェックすること、それ以前に素材が革製などハードなものは避けること、またサイズが緩すぎると靴の中で足が遊んでしまうので、緩すぎずきつすぎないサイズを選ぶことが重要です。

ちなみに外反母趾を自己流のトレーニングで改善するのは難しいので、アーチを整えるリハビリやインソールの導入などの検討も。

Q.最近、走ると股関節が痛みます。病気でしょうか?(48歳・男性)

股関節前側をマッサージしている様子

A.まずは可動域チェック。痛みが強ければ整形外科へ。

まずは骨盤や股関節の可動域チェックを試してみましょう。可動域が不十分だったり左右差があったりした場合は、可動域チェックを機能改善エクササイズとして習慣化してみるのもおすすめです。

▽あわせて読みたい
走りの質を変えたい人は必見。太腿・骨盤の基本機能。

また同じ痛みでも股関節の前側を押して痛いという場合もあれば、お尻が痛い場合、大腿骨の突起周辺が痛い場合もあります。痛みがある周辺の筋肉が張っていたら、その部位をほぐすストレッチを。

もちろん、痛みが強い場合は病気の可能性もあるので、整形外科を受診しましょう。

Q.脚がよく攣ります。激痛で嫌になります。(40歳・女性)

ミネラルの入ったドリンクを補給している様子

A.ランニング中はミネラル補給を。慢性的な症状には足首トレを。

ランニングで攣りやすいのは、いわゆる「こむらがえり」と呼ばれるふくらはぎ、または太腿裏のハムストリングス。

原因の考え方には2つの切り口があります。ひとつは走っているときに脚が攣るという場合。長時間走っていると発汗によって体内の電解質のバランスが崩れ、筋肉の過剰な収縮が促されます。こちらはマグネシウムやカルシウムを含むスポーツドリンクなどを補給するといった対策を。

一方、慢性的にふくらはぎやハムストリングスが攣る場合は、足関節の可動域に制限がかかっている場合も考えられます。足首の機能を強化するエクササイズを取り入れるのもおすすめです。

▽あわせて読みたい
ランの不調を紐解くヒントに。踝〜膝の基本機能。