

山茶花
サザンカは、チャノキと同じツバキ科ツバキ属の植物です。同じ科で同じ属性の仲間がいるのに、どうしてお茶はチャノキでしか作られないのだろう。その疑問が、ツバキやサザンカの可能性を探求するきっかけでした。
チャノキもサザンカも、葉の表面が艶々とした照葉樹で、自分たちの身を守るために葉がコーティングされている。外の攻撃から守られているために、中の成分を抽出しづらいんです。ツバキは、初め、乾燥させただけではまったく味が出なかった。そこで細胞を壊さなければ香りが出せないことに気づき、チャノキのお茶の製法を取り入れてみたんです。蒸したり、焙煎したり、揉んだり。さまざまな加工を試してみたところ、ツバキからも日本茶の味を出すことができました。しかも面白いのは、ツバキの葉では、カフェインの含有量がかなり少ないこと。もしかしたら、新たなノンカフェインのお茶を作ってしまったかもしれません。
一方でサザンカは、乾燥させただけでも香りが出たんです。山茶花とも書くサザンカはツバキと非常に似た種で、しかも掛け合わされて多様な品種があるので、まだ明確にどの品種が美味しいのか研究しきれていないのですが、スパイシーで、料理にも重宝する。チャノキやツバキ同様に、香り豊かなお茶にもなる。そして、ツバキ油で知られているように、サザンカも抗酸化作用にも優れた植物。ぜひ暮らしに取り入れてもらいたいハーブです。
こんなふうに使ってみるのはどう?
●「食べる」
サザンカの花フリット、サザンカと生姜のガリ

ー材料ー
フリット
サザンカ花 適量
小麦粉 60g
片栗粉 30g
炭酸水 100g
米油 揚油として
塩 砂糖 適量
ガリ
生姜(時期に応じて。今回はひね生姜を使用)300g
椿花 50g
米酢 200g
砂糖 100g
塩 10g
ー作り方ー
サザンカの花を使ったお茶請けを二種類、考えました。タンニンが含まれているために雌しべは苦いので、花びらを使います。花びらに含まれるアントシアニンが、お酢の酸に反応すると赤くなるので、赤くて美しいガリができます。サザンカ本来の香りを活かしたいので、米酢を使っています。花びらには甘みがあって、その後に余韻をひくようにしてほのかな苦味が残ります。フリットにすると、その繊細さを丸ごと味わうことができるはず。甘みから渋みのような苦味へ。その変化を強調するために、塩と砂糖を振って食べることをオススメします。
●「飲む」
サザンカの重ね茶

―材料―
寒茶 3g
サザンカの蕾 1個
湯 300ml
サザンカとツバキは非常に近い種でミックスもされているため、実は同定がすごく難しいんです。似た特徴を持っているので、サザンカの花は、ツバキの花でも応用できます。1〜2月に収穫されたお茶を使った寒茶は、カテキンやタンニンが少なく、甘い味わい。そこに冬の花であるサザンカの花を合わせました。お茶でお茶を出す手法を重ね茶と呼ぶのですが、今回は寒茶にサザンカの花の香りを移していきます。雌しべ雄しべの苦味が強いので、蕾を使って花びらだけにお湯が当たるようにしました。フローラルな香りの加わった穏やかなお茶は、柔らかく心身を温めてくれます。
2月のハーブスタンドの様子

富士北麓は厳しい寒さが続いています。植物たちは静かに春を待ち、雪の上には動物たちの足跡が残ります。この土地に息づく命の気配が、はっきりと感じられる季節です。











