温泉はさっぱり派?しゅわしゅわ派?泉質キャラ図鑑。
環境省によって定められた泉質は10種類。療養泉として認められた温泉に泉質名がつく。今回はそれぞれをキャラに見立ててご紹介。マイ泉質選びのご参考に!
取材・文/石飛カノ イラストレーション/イマイヤスフミ 取材協力・監修/早坂信哉(東京都市大学人間科学部教授、医師)
初出『Tarzan』No.913・2025年11月6日発売

教えてくれた人
早坂信哉(はやさか・しんや)/東京都市大学人間科学部教授、医師。温泉療法専門医、博士。日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。メディア出演や書籍などを通じて温泉や入浴に関する健康効果を広く発信している。
塩化物泉|ほっこり笑顔が心安らぐ癒やし系。

- におい…無臭
- 色…無色
陰イオンの主成分が塩化物(Cl)というのがこの泉質。塩化物との組み合わせはナトリウム、カルシウム、マグネシウムの主に3種類。ナトリウム塩化物泉はNaClでズバリ塩。
塩化物が皮膚に付着し、コーティング効果で体内の熱が逃げにくくなる。温熱効果は抜群なので入浴後に温泉成分を流さないのが正解。心温まる癒やし系女子。
単純温泉|おおらかで誰からも愛されるアイドル。

- におい…無臭
- 色…無色
水源採取時の温度が25度以上なら、自動的に「温泉」、その1ランク上の「療養泉」に分類される。でも、その他の温泉成分はいずれも温泉法の定める一定値には満たない。それが単純温泉だ。
テクスチャーは幅広いが、基本的に刺激が少ないので湯あたりしにくく、入浴する人を選ばないのが特徴。誰からも好かれる温泉界のアイドル。
炭酸水素塩泉|さっぱり気質のクールビューティ。

- におい…無臭
- 色…無色
陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉。陽イオンとの組み合わせはナトリウム、カルシウム、マグネシウムの主に3種類。ナトリウムと結合すると炭酸水素ナトリウム=重曹となり、汚れた皮脂や角質を洗い流す清浄効果がより期待できる。これが「美肌の湯」と呼ばれる所以。湯上がりはさっぱり。サバサバ系の美女。
硫酸塩泉|賢さを秘めた永遠のベビーフェイス。

- におい…無臭
- 色…無色
陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉。「硫酸」と聞くと劇薬をイメージするが、無色透明で刺激も少ない泉質。塩化物泉とよく似た性質で、温熱効果が高い。血管を拡張し血流を改善するため、高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できる。
肌のターンオーバーを促すことから「若返りの湯」の異名も。見た目は子どもでも仕事は有能。
含鉄泉|女性に優しい色黒の紳士。

- におい…鉄臭
- 色…茶褐色
温泉1kg中に鉄イオンが20mg以上含まれている温泉。湧出直後は無色透明だが、酸素に触れると鉄分が酸化して茶褐色に変化する。女性に不足しがちな鉄分を多く含むため、「婦人の湯」と呼ばれることも。
入浴のみではカラダに吸収されないので、飲用でその効能が期待できるとされている(禁忌症には注意)。女性の味方の色黒紳士。
酸性泉|常に刺激を振り撒くパフォーマー。

- におい…無臭
- 色…微黄褐色
1kg中に水素イオンが1mg以上含まれている温泉。酸性度が高いため口にすると酸味を感じる。皮膚表面を酸性の状態にしておくと細菌が増殖しにくく感染が起こりにくい。このため、皮膚病に有効とされている。
一方、刺激も強いので入浴後は成分を洗い流し、水気をしっかり切ることを忘れずに。刺激が強い分、効き目にも期待。
二酸化炭素泉|爽やかさ120%の超レア王子。

- におい…無臭
- 色…無色
温泉1kg中に二酸化炭素(炭酸ガス)が1000mg以上含まれている温泉。入浴すると肌に細かい炭酸の泡がくっつき、飲用するとシュワシュワの喉越し。ガスが皮膚から吸収され温熱効果が期待できる。
加温や循環で成分が失われやすいため、天然の二酸化炭素泉は非常にレア。全国に約0.6%しか存在しない。希少なる爽やか系王子。
含よう素泉|いぶし銀のストレンジャー。

- におい…薬品臭
- 色…茶褐色
1kg中によう化物イオンが10mg以上含まれている温泉。非火山性の温泉に多い泉質で、一度療養泉の分類から外れたが、2014年に無事復帰。強い酸化力を持ち、殺菌作用が期待できる。その他、よう素は甲状腺ホルモンの主要成分なので全身の代謝アップにも関与する。
飲用ではコレステロール血症の軽減効果も。いぶし銀の仕事人。
放射能泉|困った人の望みを叶える魔法使い。

- におい…無臭
- 色…無色
花崗岩類地層に多く湧き、1kg中にラドンが30×10のマイナス10乗キュリー以上含まれる温泉。湧出直後に放射線の多くが空気中に放出されるため人体に害はない。むしろ、ごく微量の放射線は痛風、炎症抑制など幅広い効用があり「万病の湯」の異名も。
10種類の泉質の中でも吸収率が高く、言うなれば願いを叶えてくれる魔法使い。
硫黄泉|存在感抜群のカリスマリーダー。

- におい…卵臭
- 色…乳白色または緑
火山性温泉に多い泉質。1kg中に含まれる硫黄は2mg以上で、色やにおいも「ザ・温泉」。色が緑の「硫黄型」と乳白色の「硫化水素型」の2タイプがあり、卵臭は後者特有。硫化水素が皮膚からカラダに吸収され温熱効果をもたらすが、皮脂を除去しすぎてしまうため、入浴後は洗い流し保湿ケアを。
文句なしの温泉界のカリスマ。

