体験した人
ライター・コウヅ/ランニングシューズフェチのライター。1978年生まれ。ランの頻度は週1〜2回程度。年1回のハーフマラソン出場をなんとなくの目標としている。
《MAGIC SPEED》シリーズが人気の理由
フルマラソンの完走という目標を達成した後、サブ4(フルマラソンでの4時間切り)やサブ3.5といったタイムを狙うレベルに到達すると、多くのランナーがレース用シューズにカーボンプレートを搭載したランニングシューズを使用するようになる。現在はさまざまな選択肢があるが、《MAGIC SPEED》シリーズは、特に初めての一足として高い人気を誇っている。クッション性、反発性、安定性のバランスがよく、高機能レーシングシューズであるにも関わらず価格が抑えられている(今作も税込で19,800円)のがその理由だろう。
履きこなしやすさと、推進力のサポートが魅力の《MAGIC SPEED》シリーズ。最新作《MAGIC SPEED 5》は、前作以上に高機能になり、さらにコントロールしやすくなったという。その進化ポイントを確認していこう。
【進化ポイント①】ミッドソールに軽量性と反発性に優れた新素材を採用

《MAGIC SPEED 5》のミッドソールは2層構造。前作は、トップ(プレートの上層部)、ボトム(プレートの下層部)ともにFF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)という素材を採用していたが、今作では上層部に新素材、FF LEAP(エフエフリープ)が使用された。トップレーシングシューズ《METASPEED TOKYO Series》にも使われている素材で、アシックスのクッションフォーム材の中で最も軽く、優れた反発性を発揮する。今年9月に開催された世界陸上でも、FF LEAPが採用されたレーシングシューズで多くのアスリートが躍動したが、その優れた機能性を《MAGIC SPEED 5》でも体感できるというわけだ。
【進化ポイント②】操作性重視のソール厚に

スタックハイトと言われるソール全体の厚さは、前足部が約30.5mm、踵部が約37.5mm。前作と比較すると、前足部が約5mm、踵部が約6mm薄くなっている。特にジョグ用シューズや中級者用のレーシングシューズは、クッション感やバウンス感を高めるために、年々厚底化していく傾向があったが、今作ではソール厚が薄くなったことで、地面との距離が近くなり、コントロールしやすくなった。気になるクッション性や反発性も、FF LEAPが採用されたことで十分に実感できる。
また、一般的な市民ランナーにとってはそれほど大きなポイントではないものの、厚さが40mm以下になったことで、ワールドアスレティックスが定めるレギュレーションにも適応。学生ランナーが公式のロードレースで使用できるモデルとなった。
【進化ポイント③】前作から約49g(27.0cm/片足)の大幅な軽量化を実現

ミッドソールの上層部に軽量性に優れたFF LEAPを採用したこと。そして、ソール厚が前作よりも薄くなったことで、《MAGIC SPEED 5》は軽量化を実現。前作は約245g(27.0cm/片足)だったが、今作は約196g(27.0cm/片足)。約49gも軽くなっている。
《MAGIC SPEED 5》に足を入れると、大幅に軽量化されたことがすぐに実感できる。前作と比べると地面が近く、接地感も得やすい。ソールが薄くなったこと、軽量化されたことで、ライド感はとても軽やか。足さばきがスムーズに行える印象で、自然とピッチが上がってくる。レース用シューズとして、総合力がグッとアップした感がある。春までのレースで、カーボンプレート搭載のシューズの導入を検討しているランナーには、ぜひ一度足を入れてみてもらいたい。

靴底の中央に見えているのがカーボンプレート。高反発なミッドソール素材と組み合わせることで、大きなエネルギーリターンが得られ、重心移動も滑らかに行える。レースで自己ベスト更新を目指すランナーの大きな助けとなってくれるだろう。
シンガーソングランナーSUIさんも走り心地を高く評価!
Profile
SUI(すい)/“歌い、走り、熱く生きるシンガーソングランナー”。「ランニングを始めたのは15年前。当時“ランニング女子”という言葉が出てきてブームになって。その波に乗りました(笑)」。2020年に『大阪国際女子マラソン』でサブ3を達成。2025年の『東京マラソン』は2時間55分13秒で完走し、自己ベストを更新。近作には7曲入りアルバム『ありがとう』などがある。東京都出身。

『神戸マラソン 2025』のPRアンバサダー、SUIさんが実際に《MAGIC SPEED 5》をブース内のコースで体験。「軽さ」と「安定」を実感。
11月16日に行われた『神戸マラソン 2025』。神戸国際展示場で開催された、大会を盛り上げるフェス『神戸マラソンEXPO 2025』で《MAGIC SPEED 5》がお披露目となった。
多くの出店ブースが並ぶ会場で一際の盛り上がりを見せていたアシックスのブース。発売に先駆け、《MAGIC SPEED 5》が試着できる一角には長蛇の列が。シリーズの人気の高さがうかがえる。
「今日を楽しみにしていた!というのが、みなさんの表情に出ていますよね。それだけ注目されていたんだなと実感しました」
そう話すのは、大会のPRアンバサダーのひとりであるSUIさん。“歌い、走り、熱く生きるシンガーソングランナー”だ。2020年にはサブ3を達成。現在は全国各地の大会などで目標に挑む方たちの背中を押す活動を続けている。
SUIさんに《MAGIC SPEED 5》を着用した感想を聞いてみると、まずデザインは「グリーンが綺麗な発色でかなり好み」とのこと。
「見た目が良いと気持ちが上がるので大事。実際に履くと、前作よりも柔らかくなっていると感じましたね。FF LEAPの素材感だと思います」
実際に走ってみると「前作と軽さがかなり違うので驚き」とSUIさん。加えて「安定感」も新作ならではのポイントだと感じたそうだ。
「ソールが薄くなりましたが反発性は増していて、軽くなり、より自分のカラダとの一体感を実感。操作性も上がったと思います。前作に続き、足の回転はスムーズ。反発力を得ながらもしっかり安定する。多くの方が履きやすいシューズだと思います。ヒールカップは程よく厚みがあり、安定感を感じます。明日は《MAGIC SPEED 5》を履いて、笑顔でゴールに帰って来ます!」

『神戸マラソンEXPO 2025』でのアシックスブースの様子。初披露となった《MAGIC SPEED 5》をチェックする方たちの行列が絶えない。

「好みの色だと気持ちが上がる」とSUIさん。カラーは《MAGIC SPEED 5》はグリーンとホワイトの2色展開。
Information
アシックス《MAGIC SPEED 5》
価格:19,800円(税込)
カラー:バイタルグリーン×キャリアグレー、ホワイト×ブラック
サイズ展開:22.5~29.0cm(0.5㎝刻み)、30.0cm、31.0cm、32.0cm





















