
夏フェスを全力で楽しむために。管理栄養士・圓尾和紀さんがすすめる「目的別サプリメント」
何ヶ月も前から楽しみにしていたヘッドライナー。だけど、暑さと疲労で体調を崩し、泣く泣く遠くからぼんやり眺めることに。そんな悔しい経験を繰り返さないためにも、フェス前からしっかり体調を整えておきたい。炎天下での長時間フェスは、思っている以上に体力と栄養を消耗するもの。管理栄養士・圓尾和紀さんが、当日を元気に乗り切るためのサプリメントを目的別に教えてくれました。
文/白川 学 撮影/鳥羽田幹太
教えてくれた人
圓尾和紀(まるおかずき)/管理栄養士。静岡県立大学大学院生活健康科学研究科食品栄養科学専攻修士課程修了、病院勤務後にフリーランスの管理栄養士に。食事指導や講演の他、YouTubeチャンネル『カラダヨロコブ』を運営。
暑さに負けない身体づくり。
真夏の屋外で長時間を過ごす夏フェスでは、まず“脱水”と“電解質の損失”への対策が欠かせない。圓尾さんが強調するのは「水だけではなく、ミネラルも意識して補うこと」。大量の汗で失われやすいナトリウムやマグネシウムなどを効率的に補給するために、以下の2つを紹介してくれた。
《HydrationUP》(California Gold Nutrition/iHerb)

227g 3,633円(編集部調べ)、WEBサイト
《HydrationUP》は、水に溶かして飲む“電解質ドリンク“と呼ばれるサプリメント。汗をかくと水分と一緒にナトリウムなどの電解質も失われるが、このサプリメントには汗で失われるナトリウムをはじめとするミネラル分を補う成分が入っている。さらに、ビタミンCが配合されているのも嬉しいポイント。
圓尾さんのコメント
「運動をしたり暑いところに長くいると、身体にストレスがかかって、対処するためにいろんなホルモンが出ます。そのときにビタミンCがたくさん使われるので、補給しておくことが大事です。また、この製品は、1回分(付属スプーン1杯)に塩分がだいたい0.5gくらい入っていて、汗のかき方にもよりますが、他の塩分補給をしなくても済むことが多いです。塩分が多く、普段の水分補給として飲みすぎるのはよくないので、汗をかいているときにこまめに摂取するのがポイント。砂糖不使用で天然の甘味料が入っており、味も飲みやすいですよ」
《グレートマグネシウム》(ファスティングライフ)

50ml 3,078円、WEBサイト
《グレートマグネシウム》は、マグネシウムを主成分とした液体タイプのサプリメント。マグネシウムは汗とともに少しずつ失われるミネラルで、体温調節や血管の拡張、自律神経の働きに関わる栄養素として知られている。
液体タイプなので、飲み物やスープに数滴加えるだけで手軽に摂取でき、1日の目安は10〜20滴。500mlの飲み物に3滴程度を加え、こまめに取り入れよう。
圓尾さんのコメント
「マグネシウムは発汗により日々少しずつ失われてしまうため、普段から継続的に補給することが望ましい栄養素。適切に摂ることで、暑い季節の体調管理のサポートにつながると考えられます。さらに日本人はマグネシウムが不足しがちと言われているので、夏フェスシーズンに限らず、暑い時期の健康維持に向けて普段からの継続的な摂取をおすすめします」
一日中アクティブに動き回れるように。
暑さや長時間の移動、立ちっぱなしの観覧など、夏フェスの1日は思っている以上にハード。だからこそ、疲労をリセットして翌日に響かせないためのサポートも必要だ。ここからは、エネルギーの巡りを助け、疲労回復を支える栄養素を紹介しよう。
《タウリン》(NOW Foods/iHerb)

100粒入り 1,352円(編集部調べ)、WEBサイト
エネルギーを作る過程を効率化する成分として注目されているタウリン。運動を日常に取り入れている人たちの間でも広く親しまれている。1日1~3グラムくらい摂ると効果が期待でき、運動の1~3時間前に摂っておくのがおすすめ。この製品はカプセル1粒に1000mgのタウリンを含んでおり、必要量に応じて手軽に調整できる。
夏フェスのように長時間身体を動かす場面も、運動と考えて問題なく、その場合も同じタイミングでの摂取が効果的だという。
圓尾さんのコメント
「エナジードリンクにもタウリンは入っていますが、あれはカフェインや糖分、添加物も一緒に摂ることになってしまいます。サプリメントであれば純粋にタウリンだけを摂れるので、余計な成分が気になるという方におすすめです」
《ビタミンB+》(ニュー・サイエンス)

240粒入り 5,832円、WEBサイト
エネルギーを効率よく生み出すには、ビタミンB群の存在が欠かせない。とくにビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する過程で必要とされる栄養素で“疲労回復ビタミン”なんて呼ばれることも。夏場の活動量が増える時期には意識して摂取したいところ。
1日の目安摂取量は1〜4粒で、1回で摂るよりも朝・昼・夜と分けるとより効率よく吸収されるという。もし1日1回だけ摂るなら「朝食後がベスト」とのこと。
圓尾さんのコメント
「《ビタミンB+》には、これらのビタミンB群に加えて、イノシトールとコリンも含まれていて、イノシトールは、研究では気分のバランスに関わるという報告もあるんです。コリンは肝臓の代謝をサポートしてくれる成分で、肝機能が落ちると疲れやすさにつながることもあるので、身体全体の調子を整えるうえでも役立ってくれると思います」
フェスに欠かせないお酒も楽しむ。
夏フェスの楽しみのひとつに、冷えたビールやお酒があるという人も多いはず。しかし、アルコールの摂り過ぎは身体に負担をかけ、翌日の不調にもつながってしまう。
飲み過ぎで体調を崩さないためにも、しっかりと栄養素を上手に取り入れたいところ。
ビタミンC+(ニュー・サイエンス)

180粒入り 4,536円、WEBサイト
お酒を飲んだ翌朝、頭痛や吐き気に悩まされたことのある人も多いはず。その原因は、体内で分解される途中の「アセトアルデヒド」という物質。これがうまく分解されずに体内に残ると、いわゆる二日酔いを引き起こしてしまう。さらに、分解の際に発生する“活性酸素”が肝臓を傷つけてしまうことも。
ビタミンCには、そんな活性酸素の発生を抑える働きがあるとされている。さらに《ビタミンC+》には、ビタミンCの吸収を助ける「バイオフラボノイド」が配合されているのも嬉しいポイントだ。
圓尾さんのコメント
「ビタミンCは水溶性なので身体に留まりにくいんです。だから、飲酒の1時間前に1粒飲んでおくと、ちょうどいいタイミングでサポートしてくれると思います」。
《よいときOne》(キユーピー)

30粒入り 3,240円、WEBサイト
《よいときOne》は、2種類の酢酸菌酵素(アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素)を配合した、にごり酢生まれのサプリメント。
アルコールをアセトアルデヒドに変える酵素と、アセトアルデヒドを酢酸に変える酵素の両方が含まれており、アルコール分解をスムーズにして体内にアルデヒドが残る量を減らすことができる。
圓尾さんのコメント
「酢酸菌酵素を含む商品は非常に珍しく、類似品がほとんどありません。マヨネーズの原料の一つであるお酢を多く扱うキユーピーならではのノウハウから生まれた商品だと思います。1回の摂取量は1粒。タイミングは飲酒前がおすすめですが、直前や飲酒中でも問題ありません。アルコールを飲むときの“お守り”として活用できます」
夏フェスを心から楽しむためには、日々の体調管理が欠かせない。圓尾さんのアドバイスを参考に、自分に合ったサプリメントでしっかり備えて、元気に当日を迎えよう。