
体験した人/玉田曜一郎さん
クリエイティブ・エージェンシー「YL Projects」CEO。石川県金沢市出身。アメリカ、ヨーロッパ、アジアの様々な企業やブランドのグローバルブランディング、クリエイティブ開発に携わる。最近はPodcast『After Hours』にてクリエイティブ分野のトークを発信。
穏やかな波の音が響く、海岸沿いの駐車場。サーフ道具を載せた車で、玉田曜一郎さんが到着した。クリエイティブエージェンシーを主宰し、普段は都心でオフィスワークに勤しむ玉田さんは、毎週必ず海に出かける。
「波に乗っていると、携帯も見られないし、強制的にデジタルデトックスができる。何より、自然に包まれていると心も身体も本当に洗われる気がします」
仕事では、日本進出を目指す海外ブランドや、海外展開したい日本企業のストーリーテリングやブランド戦略を手がけている。
「さまざまなクリエイターに声をかけてチームを作るのはとても楽しく、充実しています。でも、やっぱりずっとスクリーンを眺めてものを考えていると、頭がぱんぱんになってくるんですよね。サーフィンでは、そうした疲れを一旦全部海に受け止めてもらえる。大体土曜日に行くサイクルになっているので、毎週、水曜日や木曜日にはもう『早く海を見たい』とうずうずします(笑)」

「サーフィン歴は3、4年くらい。コロナ禍に、フランスの友人に誘われたのがきっかけです。実は昔スケートボードを真剣にやっていたこともあり、運動はしていたほうです。でも、サーフィンはまた全く勝手の違うスポーツ。最初に友人に連れられて来たとき、全然できなかった。それが悔しくて練習を続け、1年ほどして、ショートボードに乗れるようになりました。そこで、初めて自分のボードを買ったんです」
サーフボードには、大きく分けて、ロング、ミッドレングス、ショートの3種類がある。長い方が安定力があり、短い方が乗りこなすのがより難しいとされるが、慣れた人ならばその日の波の高さに合わせて選ぶことが多い。
「上級者ほど複数枚持ちをしている印象です。そして、ロングボードは板にもよりますが、長さが2.7mくらいあるので、通常のレンタカーには詰め込めない。だから、サーファーは車を持っている率が高いんだと思います」
玉田さんも、サーフィンを始めてからマイカーを生活に取り入れた。
「以前は、都内にいるならカーシェアサービスなどで充分だと考えていました。でも、自家用車があれば思い立ったときにすぐに海に行けるし、荷物が乗るサイズの車を探す必要もない。元々運転が好きなので、僕にとって自分の車は『いつでも乗れる相棒』のような存在です」
車選びに際しては、まず、サーフィンの道具が収まることが必須。ボードと、気温に合わせて選べるように厚さの異なる2種類のウェットスーツ。着替えやタオルを入れたトートバッグに、濡れたスーツを収納するボックスも置く。

《プジョー リフター》の3列目のシートを上げ、ラゲッジスペースを拡張。「今日は波が穏やかなので、〈CRIME〉の少しボリュームのあるショートボードを持って来ました」

到着後、早速荷物を取り出す。
「この《プジョー リフター》はロングボードも積める収納力も素晴らしいし、いい意味で気を遣わずにいられるのが嬉しい。僕はいろんな人を乗せたいので、空間にゆとりがあるのはもちろん、手入れしやすいことが大事。その点この車は、しっかりした作りに、繊細すぎないファブリックや床の仕様がありがたいんです」

スーツに着替え、日焼け止めを塗って支度完了。

玉田さんは、サーフィンにまつわる時間全てを出会いと交流の機会として愛おしむ。「アプレサーフトーキョー」と名付けた活動にも、そんな想いが反映されている。玉田さんが中心となり、友人やその友人、ときには宿泊プラットフォームAirbnb から参加する旅行者と同乗して、海へ行くのだ。
「『アプレ』はフランス語で「後」という意味。みんなで浜辺に来て、波と遊んで、そのあとローカルなカフェでおしゃべりしながらランチする。色々なバックグラウンドの方が来るし、そういう人たちと触れ合うのは刺激的で楽しい。サーフィン以外の時間こそが尊いとも言えるな、と。だから、サーファーではない人も歓迎しています。僕らが海に入っている間、ビーチでのんびりしている参加者もいますよ」

いい波を味わい、一旦休憩へ。

車に戻る前にまずはシャワー。
必然、人がたくさん乗れるかどうかも、車に求めるポイントとなる。仲間たちと遠出を重ねる中で、玉田さんはある発見をした。
「席数が多い車種のうちでも、7シーターだと全員で車内トークが弾むんですよ。前から2人・3人・2人と並ぶと、前後で会話のラインが交差して、“小島”ができないというか。あとは、天井が高いと声が通りやすいので、運転席から最後列まで一体になって話すムードができます。《プジョー リフター》の7シーターはまさにそんな席配置だし、天高もあって、車内の交流という観点でも素敵ですね」
とはいえ、思い立って一人で出かけることももちろんある。そんなときは、帰路に着く前に車内でくつろぐのがルーティーンだ。

着替えの後は、トランクドアを庇代わりにしてリラックス。右上ではためくのは「アプレサーフトーキョー」のクルーT。
今日は、《プジョー リフター》の後部座席を外し、寝そべってチル。遠出ドライブで車中泊をすることもある玉田さんは、車には空気を入れるタイプの簡易マットレスを常備している。それをさっと膨らませて、シートをなくしてフラットになったところに敷く。

昼前の波音を聴きながら、身体を休める。
体力回復したら、好きな音楽をかけながら運転開始。「車高は高めだと思うのですが重心が高すぎず、走っていて安定感がありますね」と感想も漏らした。

備え付けスクリーンに自分の携帯に入る音楽アプリを開いて操作できる。
玉田さんお気に入りのスポットの一つは、千葉県の外房地域にある。サーフィン後昼前に海岸を出発すれば、午後早めには都心に戻れる距離だ。
「自家用車に乗るようになってから、東京は、車さえあればどんなアクティビティもできる都市だと気がつきました。1時間や2時間ドライブするだけで、海にも行けるし山にも入れる。これって、パリやNYにはない魅力。「アプレサーフトーキョー」を始めたのは、それを伝えたい気持ちもあったからなんです」
街と自然を行き来して趣味を楽しむ。そんな人にこそ、容量抜群ながら、ミニマムなフォルムで都会的な顔つきの《プジョー リフター》は似合う。

フロント左右のLEDライトは、ライオンの3本鉤爪をモチーフにしたもの。車体下部のホイールまわりには、SUVを思わせるブラックフェンダーアーチが取り付けられている。

2021年誕生の新ロゴでは、鬣をなびかせるライオンの横顔がデザインされている。
