
UV対策ファッションは暗色が鍵。紫外線を正しく防ぎ、コーディネートも楽しめるアイテムの選び方。
スキンケアは肌の露出している箇所に注力しがちだが、紫外線は当然ながら全身に降り注いでいる。だからこそ、日々の着こなしの中での対策が肝心だ。紫外線対策に取り入れたいファッションアイテムは、黒が鍵を握る。日傘や帽子はダークカラーを味方につけ、サングラスは暗すぎるレンズは避ける。医師の日比野佐和子先生に詳しい選び方を聞いた。
文/佐々木 彩 編集/黒木許子 撮影/河野翔大 スタイリスト/渡邊 薫 ヘア&メイク/外山友香(mod's hair) モデル/Kris
真っ黒なレンズのサングラスはNG!?
おしゃれのための小物や服を、紫外線カット効果のあるアイテムに置き換える。たったそれだけで、未来の自分の光老化をはじめ、皮膚がんや白内障といった病気の予防にもつながる。紫外線から目や肌を守るため、毎日のコーディネートに今すぐ取り入れたいのは、サングラス、日傘、帽子、そして紫外線カット効果のあるシャツの4点。選ぶ時にチェックしたいポイントは?
「服や帽子、傘といった布製のものは、“UPF値”と呼ばれる紫外線カットを表す遮蔽率の数値を見ると選びやすいと思います。UPF値は50が最大値。でも30程度あれば、十分に効果を感じられると思います。また、布の場合は、白以外であれば色自体が紫外線を吸収して、透過させないという特徴があります。だから、最も吸収率が高い黒は特におすすめです。一方でサングラスは、紫外線カット率が95%以上であれば、レンズの色は好きなもので構いません。むしろ真っ黒なレンズは瞳孔が開いてしまい、より紫外線を吸収する可能性もあるので避けたほうがいいですね」(日比野先生)

〈フォックスアンブレラズ〉の《TL15 Small Maple Crook》 36,960円(グリニッジショールーム HP:https://greenwich-showroom.com)〈ザ・ノース・フェイス〉の《ロングスリーブハーフドームシャツ》20,900円(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター HP:https://www.goldwin.co.jp)〈アモーメント〉の《SILKY MAXI DRESS》38,500円(アモーメント HP:https://amomento.jp/products/silky-knit-maxi-dress-burgundy)、《SHIRRING ORGANZA SKIRT》28,600円(アモーメント HP:https://amomento.jp/products/shirring-organza-skirt-2-colors)、《PLATFORM FLIPFLOP》52,800円(アモーメント HP:https://amomento.jp)〈ブラン〉の《B0043》38,500円(ライト HP:https://store.blanc-products.com)〈アエタ〉の《BONSAC 別注》47,300円(スーパー エー マーケット青山 HP:https://store.tomorrowland.co.jp )

〈ブラン〉の《B0043》38,500円(ライト HP:https://store.blanc-products.com )

(上):〈アイヴォル〉の《LEIFER3(51)-FP》35,200円(アイヴォル トウキョウ ストア HP:https://eyevol.com )、(中):〈ルノア〉の《A5、clip on》53,900円・29,700円(グローブスペックス エージェント HP:http://www.globespecs.co.jp)(下):〈アーレム〉の《Colisee》 79,200円(グローブスペックス エージェント HP:http://www.globespecs.co.jp)
もはや医療アイテムとして必須のサングラス。
サングラスは、目への紫外線の影響を防ぐことができる。
「紫外線を目から浴び続けることで、紫外線角膜炎や白内障へとつながる可能性もあります。また、肌のメラノサイト細胞を刺激して、しみを増加させる原因にもなるため、サングラスをかけてケアすることは何よりも大切です」(日比野先生)
でも、目を保護するためとはいえ、顔まわりの印象を大きく左右するのがサングラス。ここでは、紫外線対策はもちろん、形にも色にもこだわって選んだ3種類をご紹介。
クリアなフレームにグレーのレンズをセットした〈アイヴォル〉は、スポーツを楽しむ時にも着用可能な優れたフィット感が魅力。すぐに明るい視界に切り替えられる、跳ね上げ式のレンズも嬉しい。
〈アーレム〉のように、真っ黒ではなく少し暗めのレンズならば、眩しさは軽減でき、瞳孔についても心配なし。
アンティークのような繊細なデザインの〈ルノア〉は、眼鏡感覚でサングラスを選びたい人に相応しい知的なムード。

左から順に:〈東京デザインスタジオ ニューバランス〉の《Light Nylon Rip Stop Running Cap》7,700円(ニューバランス お客様相談室 HP:https://shop.newbalance.jp) 〈ミレー〉の《ブリーズバリヤー II サンシェード ハット》 6,930円(ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン HP:https://www.millet.jp ) 〈シェア ザ ファンタジー〉の《ロングブリムキャップ》 9,900円(ヨウエイ HP: https://stf.theshop.jp)
紫外線透過率は色で決まる? 帽子選びのルール。
目元や顔に直接日光が降り注がないようにケアできる帽子。つばの広さが関係してくるが、生地の厚みや色も一考したい。
〈シェア ザ ファンタジー〉のベージュのキャップは、つばの長さが特徴。当たり前だけれど、つばの長さが長いほど顔に降りかかる光を防御できる。ベージュも淡い色ながら紫外線透過率が低い。
白は紫外線を透過するため、白い帽子を選ぶ時には、紫外線カット効果のあるものを選びたい。フランス生まれの老舗登山ブランドである〈ミレー〉の帽子は、ネック部分にサンシェード付き。
黒は、その色自体が機能付き生地でなくても十分に役割を果たしてくれるので選択肢が豊富。〈東京デザインスタジオ ニューバランス〉のキャップは極薄生地で撥水性や透湿性にも優れる。

〈フォックスアンブレラズ〉の《TL15 Small Maple Crook》 36,960円(グリニッジショールーム HP:https://greenwich-showroom.com)〈ブレック〉の《スカーフ》22,000円(エディション 表参道ヒルズ店 TEL:03-3403-8086)

手前から時計回りに:〈モンベル〉の《サンブロックアンブレラ 55》6,380円(モンベル・カスタマー・サービス HP: https://www.montbell.jp/)〈ザ・ノース・フェイス〉の《Module Umbrella》 9,900円(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター HP:https://www.goldwin.co.jp)〈スノーピーク〉の《スノーピークアンブレラUL グレー》 6,336円(スノーピーク HP:https://ec.snowpeak.co.jp )
裏地にも注目。外出時の日傘携帯は今やスタンダード。
「紫外線を防御する上で、日焼け止めの次に効果が高いのが、日傘を差すことです。自分に対して広い面積で影を作り、直射日光を遮ることができるので、紫外線をガードするアイテムとしては効果実感が高いと思います」(日比野先生)
近年の日傘はほとんどが晴雨兼用なので、雨傘を買うくらいならば、いつもカバンに一本忍ばせておきたいもの。
日傘は布製なので、帽子と同様にUPF値を確認したり、紫外線を吸収する黒をはじめとした濃い色を意識して選びたい。白や明るい色でも、紫外線カット効果のある生地が使われていれば、光も反射してくれるため、熱がこもらないというメリットも。さらに、傘の内側に黒い生地が張られていると、地面から跳ね返る紫外線を吸収してくれるのでなお良い。
上品な佇まいを優先するなら、英国王室も愛用する〈フォックスアンブレラズ〉の日傘を手に取りたい。色は、それ自体に紫外線カット効果のあるブラウンをチョイス。
日本のアウトドアブランド〈モンベル〉の《サンブロックアンブレラ 55》は、紫外線遮蔽率99.7%の高いUVカット率を備えている。表面は生地に日射しを反射するシルバーコーティングを施すことで、優れた遮熱効果を実現。〈ザ・ノース・フェイス〉の日傘は、7本構造の骨組みによる強度と、アルミと強化プラスチックにより軽さも両立。UPF値は15~30で、紫外線を85%以上カットしてくれる。わずか150gの超軽量な日傘は〈スノーピーク〉のもの。UVカット効果のあるグレーの生地は、黒よりも軽やかな印象に。

〈クリスタセヤ〉の《HANDMADE CLASSIC COLLAR SHIRT》128,150円(ビオトープ https://www.junonline.jp/biotop/product/tops/shirt-blouse/BLH15090 )
、《MAXI LARGE PANTS WITH DRAWSTRINGS》126,720円(ビオトープ https://www.junonline.jp/biotop/product/pants/pants/BLS15100 )〈ギャルリー・ヴィー〉の《ワイドリブクルーネックプルオーバー》39,600円(ギャルリー・ヴィー 丸の内店 https://store.tomorrowland.co.jp/item/galerie-vie/23025102102.html )

左から順に:〈ニュートラルワークス.〉の《NOWTER / SUN SHADE SHIRTS》20,900円(ニュートラルワークス. HP: https://www.neutralworks.jp/)
〈アークテリクス〉の《スカイライン ロングスリーブ シャツ メンズ》17,600円(アークテリクス カスタマーサポートセンター HP: https://arcteryx.jp/)〈ミーンズワイル〉の《NYLON COVERALL》 26,400円(ミーンズワイル HP: https://store.meanswhile.net)
気軽に羽織れて重宝する、紫外線を防ぐ高機能シャツ。
年々発売するメーカーが増えている紫外線カット効果のある生地を用いた機能性ウェア。なかでも襟付きの長袖シャツは、日焼け止めを忘れがちな首や腕をカバーできること、スポーティすぎずに毎日のコーディネートに取り入れやすいことから、クローゼットに備えておいて損はないアイテム。
Tシャツやスリーブレストップスを着ている日も、紫外線カットシャツを持ち歩いていれば、日差しが気になるときにサッと羽織れて重宝する。
「白シャツなど紫外線透過率が高い色のトップスは、UVカット機能がついているものが望ましいです。一方で、黒やブラウン、青や緑、少し淡い色合いのベージュなどでも、色のついた生地はそれだけでUVカット効果があります」(日比野先生)
〈ニュートラルワークス.〉のサンシェードシャツはUVカット効果があるラッシュ素材なので、清潔感のある白シャツも選択肢に入れられる。速乾性と耐塩素機能も備えた水陸両用。
紫外線カットはもちろんのこと、湿気を逃がして涼しさをキープしてくれるのは〈アークテリクス〉のシャツ。比翼仕立てのデザインでカジュアルすぎずにスタイリングできる。
アウトドアのエッセンスをデザインに盛り込む〈ミーンズワイル〉のシャツは、紫外線カットの効果を得られる深いブルーの一枚を。大きめの襟はスタンドカラーになるため、首元の対策としても頼もしい。
