
SPFは高いほどいいわけではない!? 正しく日焼け止めを選ぶためのポイントとは。
紫外線を防御しつつ肌にも優しい日焼け止めは、成分の表記で見極められる。SPF値やPA値の意味から、効果的な塗り方までを、日比野佐和子先生に聞いた。
文/佐々木 彩 編集/黒木許子 撮影/河野翔大 スタイリスト/渡邊 薫 ヘア&メイク/外山友香(mod's hair) モデル/Kris
SPFにPA。その表記ルールとは?
「日傘を差したり、機能性ウェアを着たり、サプリを摂ったとしても、日焼け止めを塗らないことには紫外線対策は意味がありません。肌表面に保護膜を作り、紫外線を物理的に防ぐことが一番有効です」(日比野先生)
手軽でありながら効果実感の高い日焼け止めは、その選び方に気を配ることで、肌を優しく守りながら紫外線カットを実現したい。
まずそもそも、紫外線には種類があることをご存じだろうか?
紫外線の種類を表す3つの「UVA波」「UVB波」「UVC波」は、それぞれの波長の長さによって振り分けられている。このうちの「UVC波」は地表までは到達しないため、肌への影響はないものと思って問題ない。
つまり日焼け止めを見分けるときは、製品に書かれている「UVA波」と「UVB波」にそれぞれ対応する指標「PA」と「SPF」の具体的な数値を確認する必要がある。
「SPF」はSun Protection Factorの略で、「UVB波」による、肌表面が赤くなったり水膨れになったりするサンバーンを防ぐ目安だ。1から50+まで数値があり、何も塗らない場合と比べ、炎症をどのぐらいの時間防御できるかを表していて、数値が高いほどその時間も長くなる。
もう一つの指標である「PA」は、Protection Grade of UVAの略で、「UVA波」を防ぐ効果を表している。+の数が1つから4つまで設定されていて、数が多いほど高いカット力を意味する。そして日焼け止めの主な紫外線防御成分には、化学物質である「紫外線吸収剤」と、降り注いでくる紫外線を散乱させて肌への透過を防ぐ「紫外線散乱剤」とがある。
「SPF値、PA値が高いものほど紫外線吸収剤を用いているケースが多いです。しかし紫外線吸収剤は紫外線を吸収した物質が皮膚の上にずっと置かれている状態になるので、肌がダメージを受けやすくなってしまいます。そのため、紫外線散乱剤の方が肌に優しい。よく用いられている散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛です。最近は、紫外線吸収剤フリーでも高SPF値を実現しているものもありますので、表示されている成分を調べて選ぶといいと思います」(日比野先生)
さらに、日焼け止めは選び方だけでなく、塗る際にも重要な点がある。
「日焼け止めは、2時間おきぐらいにこまめに塗り直すことが大切です。汗で流れてしまったり、手で擦って摩擦で落ちてしまったりするので、トイレに行く時や、休憩のたびに塗り直すぐらいの感覚でちょうどいいと思います」(日比野先生)

(左)UV プロテクションベース SPF50+ PA+++ 30ml 3,740円(ナチュラグラッセ HP:https://www.naturesway.jp)(中)チャントアチャーム UVミルク SPF50+ PA++ 100ml 3,410円(チャントアチャーム HP:https://www.naturesway.jp)(右)UVプロテクト スキンミルク SPF30 PA+++ 50ml 3,300円(エッフェオーガニック HP:https://f-organics.jp/)

ダブルプロテクション デイシールド n SPF50+ PA++++ 60ml 5,500円(バウム HP: https://www.baumjapan.com)

(左)オールライトサンスクリーンクリーム SPF29 PA+++ 40g 4,620円 (アムリターラ HP:https://www.amritara.com)(右)ノンケミカルUVミルク SPF50+ PA++++ 50ml 2,420円(ママベビー HP:https://mammababy.jp/)
肌にも環境にも優しい紫外線吸収剤フリーのUVミルク。
日焼け止めを顔全体に塗る適量は、ミルクなら五百円玉大ほど。面積が広く高さのある頬は、顔の中でも一番日焼けしやすい部分なので、そこを中心にしっかりと塗り広げていく。もちろん首や腕などにも塗布することを忘れずに。
〈ナチュラグラッセ〉は、紫外線のほかブルーライトと近赤外線もカットしながら、 美容成分を配合した高機能スキンケアUV。みずみずしいテクスチャーで自然なトーンアップも叶える。
植物性セラミドを配合し肌の潤い補給をしながらUVカットする〈チャントアチャーム〉は自然由来成分100%で石鹸でのオフが可能。ハーブエキス配合で肌荒れも防いでくれる。
〈エッフェオーガニック〉は、強い日差しにより乾燥しがちな肌に潤いをチャージし、バリア機能をアップさせる。珊瑚礁や海の生態系への影響にも配慮した処方。
〈バウム〉は檜を軸にした樹木由来のさわやかな香りが心地よいUVミルク。アルコールフリーをかなえ、肌に優しく耐水性も高い。
レアアースの一種であるセリウムを紫外線散乱剤として配合しているのが〈アムリターラ〉。紫外線はもちろん、ブルーライトも97%カットし肌を光老化から守っていく。
敏感肌にも優しい〈ママベビー〉もビーチフレンドリーな設計。酸化チタンを100%植物成分でコーティングし、白浮きせず軋まないテクスチャー。

左から順に:トーン ブライトニング リップ バームUV SPF21 PA++ 3.6g 2,640円(トーン HP:https://toonecosmetics.com)スリー バランシング プロテクティブ リップ バー SPF20PA++ 3g 3,190円(スリー HP:https://www.threecosmetics.com/)プロテクティブ リップバーム SPF30 5,5g 2,750円(イソップ HP:https://www.aesop.com/jp/)
モデル着用アイテム:〈アズール〉の《Silk Tank Top》55,000円(ギャルリー・ヴィー 丸の内店 TEL:03-5224-8677)、〈クリスタセヤ〉の《MAXI LARGE PANTS WITH DRAWSTRINGS》126,720円(ビオトープ https://www.junonline.jp/biotop/product/pants/pants/BLS15100 )
唇の乾燥は紫外線から? UVカット効果のリップバームで、潤いをキープ。
肌を保護したら、唇のケアも忘れずに。紫外線を浴びると唇も乾燥していくため、UVカット機能を持ったリップバームの携帯を。もちろん紫外線吸収剤フリーのものを選びたい。塗り方もひと工夫。小刻みに縦に動かし、唇の縦皺に沿って塗り込むとしっかりフィットする。
〈トーン〉は、ビタミンCやビタミンEを含む高密着な植物オイルが、紫外線により乾燥し硬くなりやすい唇をケア。とろけるように柔らかな〈スリー〉のバームは、ビタミンCを豊富に含んだハマナス花エキスや植物オイルの力で潤いたっぷりに。〈イソップ〉のリップバームは、UVA波とUVB波との両方から保護する酸化亜鉛とビタミンEを配合。滑らかだけどベタつかない少し硬めのテクスチャー。動物由来成分もフリー。

左上から時計回りに:ミネラルUVパウダー スノーホワイト SPF50 PA++++ 5g 3,630円 ※数量限定(エトヴォス HP:https://etvos.com)ミネラルUVパウダーSクールコンフォート EX01ナチュラル SPF50+ PA++++ 8g 3,960円(オンリーミネラル HP:https://www.onlyminerals.jp)ボディーパウダーサンスクリーン SPF50+ PA++++ 8.5g 5,500円(エムアイエムシー HP:https://www.mimc.co.jp)
“塗り直しの習慣化”には、UVパウダーもアリ。
持っておくと重宝するのがパウダータイプの日焼け止め。メイク直しと同じような感覚で肌に乗せられるので使いやすいアイテム。バッグの中に一つ入れておくと塗り直しが楽にできる。
〈エトヴォス〉は、素肌感を損なわない軽やかな付け心地。重ねるほどに明るく透明感を引き出してくれる塗り直しの味方。パウダーファンデーションのようなコンパクトタイプの〈オンリーミネラル〉は暑い夏に最適。ブラシでひと塗りすれば、ひんやりとする処方で、さらりとした涼感肌へ導いてくれる。首や腕などボディにも使える〈エムアイエムシー〉は酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムを黄金比率でブレンド。ボディソープで簡単にオフできるのにSPF50+、PA++++を叶えた高機能パウダー。

〈ザ・ノース・フェイス〉の《ロングスリーブハーフドームシャツ》20,900円(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター HP:https://www.goldwin.co.jp)〈アモーメント〉の《SILKY MAXI DRESS》21,560円(アモーメント HP:https://amomento.jp)、《SHIRRING ORGANZA SKIRT》28,160円(アモーメント HP:https://amomento.jp)、《PLATFORM FLIPFLOP》52,800円(アモーメント HP: https://amomento.jp)〈ブラン〉の《B0043》38,500円(ライト HP:https://store.blanc-products.com )〈アエタ〉の《BONSAC 別注》47,300円(スーパー エー マーケット青山 HP:https://store.tomorrowland.co.jp )
トップ画像モデル着用アイテム:〈クリスタセヤ〉の《HANDMADE CLASSIC COLLAR SHIRT》128,150円(ビオトープhttps://www.junonline.jp/biotop/product/tops/shirt-blouse/BLH15090 )
、《MAXI LARGE PANTS WITH DRAWSTRINGS》126,720円(ビオトープ https://www.junonline.jp/biotop/product/pants/pants/BLS15100 )〈ギャルリーヴィー〉の《ワイドリブクルーネックプルオーバー》39,600円(ギャルリー・ヴィー https://store.tomorrowland.co.jp/item/galerie-vie/23025102102.html )