キレのあるカラダをゲット。シャドーボクシングに挑戦しよう。
極端に肥大する筋肉もなく、全体的にシャープでバランスが良いボクサー体型。シャドーボクシングでスマートボディを手に入れよう。
取材・文/神津文人 撮影/内田紘倫 実演/谷口将隆
初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

教えてくれた人
佐々木 蓮(ささき・れん)/プロ時代には全日本フェザー級新人王を獲得。〈KOD LAB〉の代表は元世界王者の内山高志さん。東京都新宿区荒木町20-21 インテック88ビル2F、TEL03・3356・1110。水曜定休。入会金10,000円、月会費15,000円(一般)。
まずは3つの動きをカラダに慣らそう。
構え、パンチ、ボディワークの3ステップで基本動作を学ぶ。鏡を使ったり、動画を撮って、お手本と比べるのもよし。
使えるのはパンチだけで、ナックルパート(拳を握ったときの4本の指の、手の甲にいちばん近い関節と次の関節との間の部分)での打撃のみ有効。攻撃できる部位も限定されているため、ボクシングの動きはとてもシンプルだ。
「複雑な動きはありませんし、老若男女を問わず、誰でも気軽にエクササイズとして取り入れられるのがボクシングの魅力。楽しくカラダを動かしながら、程よく筋肉もあり、脂肪の少ないスリムなボクサー体型を目指せます。ストレス発散にもなります」と、〈KOD LAB〉のインストラクターで元プロボクサーの佐々木蓮さん。
まずは基本動作を覚え、コンビネーションとHIITでボクサー体型を目指そう。実演してくれたのは、元WBO世界ミニマム級チャンピオンの谷口将隆選手だ!
その1.基本の構え|すべての基礎は構えにあり。常にここに立ち返るべし。
- 両足を前後に肩幅程度に開いて、やや半身になって立つ。
- 膝を軽く曲げてリラックス。背すじを伸ばし、視線は前方へ。オーソドックスなら左足が前、サウスポーなら右足が前になる。
- 脇を締めて、両手を上げる。肘の角度は90度ほど。後ろ側の手は顎に添えるようなイメージで。重心は真ん中。前足に体重を乗せすぎないように注意。
その2.基本のパンチ4選|美しいパンチを目指せ!
1.ジャブ
後ろ側の足で床を蹴り、前足を少し前方にステップさせながら、左腕を伸ばす。その際、手の甲が上に向くように少し捻る。背すじは伸ばしたまま。膝が伸びないように注意。打ち終えたら構えに戻る。
NG
脇が開いてしまったり、上体が前後左右にブレてしまうのはNG。自分の顔面やボディがガラ空きになってしまう。
2.ストレート
- 後ろ側の足で床を蹴り、後ろ側にあった腰、膝、肩を同時に前方に押し出すようにしながら、後方にあった腕を伸ばす。
- 入れ替えるように前方の腕を引き、手を顎に添える。構えに戻る。
NG
顎が上がってしまったり、カラダが前後にブレてしまわないように注意。常にカラダの軸を安定させるイメージ。
3.フック
- 上体を捻り、後方にあった肩を前に出しながら、前足に重心を移動。
- 前側の肘を上げ、弧を描くようにパンチする。このとき、腕だけ先行させるのではなく、カラダ全体でパンチするイメージで行う。
4.アッパー
- 上体を捻り、後方にあった肩を前に出しながら、前足に重心を移動。この際、少しかがんで腰を落とす。
- 起き上がる力を利用しながら、パンチを突き上げる。小指側をカラダの内側に捻り込むイメージ。
その3.ボディワーク|ステップとディフェンスの動きも身につけよう!
前後ステップ
- 構えの姿勢から。前足を半歩前に出し、その分、後ろ足を前方に引き寄せる。
- 今度は後ろ足を半歩後ろに送り、前足を後方に引き寄せる。慣れてきたらリズミカルに繰り返す。手や頭は動かさない。
ダッキング
相手のパンチを回避する技術の一つ。
- 前足に重心を移動しながら腰を落とし、逆側の手で膝の外側をタッチ。
- 今度は後ろ足に重心を移動して、逆側の手で膝の外側を触る。リズミカルに繰り返す。
コンビネーションを決めてシャドーを身につける。
基本を組み合わせて連続で打つコンビネーション。10回3セットずつ繰り返して、立派なシャドーを身につけよう。
ワン・ツー・フック
- 構えの姿勢。
- ジャブを放ち、ストレートに繫げ、カラダを回旋させてフックを打つ。自分と同じ背の高さの相手を想像し、相手の顔に3つのパンチを連続して当てるイメージで行う。10回。
ワン・ツー・アッパー
- 構えの姿勢。
- ジャブを放ち、ストレートに繫げ、一瞬沈み込んで、アッパーを打つ。常に、パンチを打つ反対側の手で顎をガードしておく。パンチを当てる相手を想像しながら行う。10回。
ロープスキッピングを身につけよう。
フットワークやリズム感を養うため、そして持久力を向上させるため。ボクサーのトレーニングに欠かせないロープスキッピングにも挑戦だ!
スタンダード
まずは、基本的な両足跳びから。背すじを伸ばし、脇を締めて行う。リラックスして、リズミカルに跳ぶことを意識。高く跳ぼうとする必要はない。2分。
片足跳び
ロープを跳ぶとき片方の足を後方に振り、次に跳ぶタイミングで前方に振り出す(片足ジャンプでロープを2度跳ぶことになる)。足を入れ替えて同様に行う。これをリズミカルに繰り返す。2分。
ボクシング×HIITでカラダを絞る。
ボクサーのようにムダのない絞れたカラダを手に入れたい! それならば、運動と休憩を交互に繰り返す「HIIT」にも挑戦だ。1分の休憩を挟んで2セット行う。
HIIT|初級(各20秒×2セット)
足踏みワン・ツー
- その場で足踏みをしながら、左右のパンチを繰り返す。なるべく、スピーディかつリズミカルに行う。背すじは伸ばしたまま、視線は前方に。
前後ステップ
基本の動きで習得した前後ステップ。
- 前足を前方半歩前に出し、後ろ足を引き寄せる。
- 後ろ足を半歩後ろに送り、前足を引き寄せる。繰り返す。
足踏みアッパー
- その場で足踏みをしながら、左右のアッパーを繰り返す。なるべく、スピーディかつリズミカルに行う。背すじは伸ばしたまま、視線は前方に。
ダッキング
- 前足に重心を移動しながら腰を落とし、逆側の手で膝の外側をタッチ。
- 今度は後ろ足に重心を移動して、逆側の手で膝の外側を触る。繰り返す。
HIIT|上級(各20秒×2セット)
片足ジャンプ ワン・ツー
- 片足で小刻みにジャンプしながら、左右のパンチを繰り返す。着地時に上体が潰れたり、カラダが前後左右にブレたりしないように意識する。
片足ジャンプ ワン・ツー(逆足)
- 軸足を入れ替えて、小刻みにジャンプしながら、左右のパンチを繰り返す。片足ジャンプにより、体幹を鍛え、下半身の安定性を高めることができる。
マウンテンクライマー
- 両手は肩幅に、両足は腰幅に開いて床につき、腕を伸ばす。
- 右膝、左膝を順番に胸に引き寄せる。腰の高さを変えずに、リズミカルに繰り返す。
ジャンプスクワット
- 両足を肩幅程度に左右に開く。股関節、膝を曲げて腰を落とし、両腕を下方に伸ばす。
- 腕を振り上げながら、両足で床を蹴ってジャンプ。繰り返す。