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連載「View of PICSPORT -フォトグラファーが見たアスリートの肖像-」。長年、さまざまな競技で取材を続けるスポーツフォトグラファー、岸本勉さん、中村博之さんが写真を通じて、“アスリートの素顔”に迫る。第五回は中村博之さんが捉えた【バドミントン・桃田賢斗選手】。
バドミントン男子シングルス元世界ランク1位桃田賢斗。2018年9月から約3年間ランク1位を保持し無敵を誇った。
桃田賢斗のプレーはまるでダンスのようだ、と僕は思う。綺麗なステップ、シャトルを意のままにコントロールし相手を翻弄するプレー、そして無駄のない動きでコートを自由に動き回っている姿に魅了される。
彼を本格的に撮影し始めたのは2017年で、長年バドミントンを撮り続けている大先輩のアシスタントを始めてからだ。ユニフォームの着こなし、ラケットを持つ姿、プレー中の仕草は「スマートでかっこいいなあ」と思っていた。
彼に憧れてその姿を真似しているバドミントン少年少女は沢山いるはずだ。僕自身は中学・高校と野球をしていたが、憧れていた先輩のグローブの持ち方、ユニフォームの着こなし方を一丁前に真似をしていたことを思い出す。
来年は2024年7️月にパリオリンピックが開催される。各競技、熾烈なオリンピック選考レースが始まっていて、バドミントンも同じく選手達にとって大事な大会が続いている。しかし、29歳になった桃田賢斗は苦戦している。厳しい状況だ。
世界ランク2位で迎え金メダル候補と言われた2016年リオデジャネイロオリンピックは、大会前に不祥事を起こし無期限の公式戦出場停止処分を受けコートに立てなかった。
2020年地元開催の東京オリンピックでは世界ランク1位で金メダル確実と思われていたが、大会直前の海外遠征で交通事故に遭い右眼を負傷。東京大会はコロナウィルスの影響で1年延期したが、調子を取り戻す事はなく予選リーグ敗退。
彼はオリンピックに「縁」がない。4年1度という周期は、オリンピックアスリートの人生を微妙に変えてしまう。1年前なら、1年後ならと思わずにいられない選手は毎回必ずいる。
バドミントン男子シングルスで世界ランク1位を3年間も保持するような日本人選手は今後現れるのだろうか? オリンピックの金メダルと同じように色褪せる事のない勲章を彼はすでに手にしている。
今後の試合で桃田賢斗が勝利を掴んでも、逆に戦いに敗れてボロボロになっても、その姿は間違いなく魅力的で、美しい。日本バドミントン史に必ず刻まれる桃田賢斗という選手に僕は今後も注目したい。
中村博之(なかむら・ひろゆき)/1977年生まれ、福岡県出身。1999年スポーツフォトエージェンシー『フォート・キシモト』に入社。2011年フリーランスとして活動を始める。オリンピックは夏季冬季合わせて10大会を取材。世界水泳選手権は2005年モントリオール大会から取材中。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、世界水泳連盟のオフィシャルフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)。
Instagram:@picsport_japan
撮影・文/中村博之