屋外でメンタルを整える。北欧の「フリルフスリフ」という考え方
世界のフィットネスの話題をお伝えする「WORLD FITNESS NEWS」。今回は北欧で見直されているマインドフルネス的な考え方「フリルフスリフ」について。
edit: Takashi Osanai
初出『Tarzan』No.858・2023年6月8日発売
アウトドアに見出すマインドフルネス
コロナ禍を抜け、生活の変化が感じられるここ最近。北欧で見直されているマインドフルネスなコンセプトがある。
ノルウェー語の「フリルフスリフ(friluftsliv)」だ。これは1850年代に詩人・劇作家のヘンリック・イプセンが「屋外での時間がメンタルヘルスに好影響を与える」と提唱した際に使った言葉。
具体的な行動や習慣ではなく、アウトドアで過ごす時間全体を指すもので、「季節・年齢・人数等に関係なく、自分の身のまわりにある自然環境で思うままに過ごす時間」と考えれば、呪文のような言葉も身近に感じられてくる。
散歩も、ハイキングも、ピクニックも、外で深呼吸するだけでも、それはすべて“フリルフスリフ”。
社会における人々の距離感や生活空間に大きな変化が生じている今だからこそ、自然の中にウェルビーイングを見出そうとする人々の希望の表れかもしれない。
COORDINATOR
UTANO YOSHIKO/ヘルシンキ在住歴17年。TVの撮影帯同を中心に活動。愛犬の柴犬KIKIと森を歩くのが毎日の小さな癒やし。YouTubeチャンネル『北欧さんぽ』更新中。