栄養価が高く、生産時の環境負荷が小さい。藻のチカラを知っていますか?

藻の一種である「ナンノクロロプシオス」が注目されている。高い栄養価もさることながら、ポイントは生産時の環境負荷が小さいことにあるという。そんな「藻」のチカラ、知っていましたか?

取材・文/神津文人 撮影/小川朋央

初出『Tarzan』No.852・2023年3月9日発売

藻のチカラ

藻は環境に優しい次世代のスーパーフード?

栄養価が非常に高く、生産時の環境負荷が小さい。次世代のスーパーフードとして、“藻”が注目されている。

「藻の一種のナンノクロロプシスは、オメガ3脂肪酸のEPAを豊富に含有しているだけでなく、12種のビタミン、11種のミネラル、18種のアミノ酸もバランスよく含んでいるんです。

オイル状ではないので、脂質の劣化、酸化の心配がない点も魅力です」と、イービス藻類産業研究所でシニアアドバイザーを務める松田あやこさん。

既に製品化している藻のサプリ

藻のチカラ

1|クラウドファンディングサービス「Makuake」で応援購入できるナンノクロロプシスを含んだプロテイン《RICHICA》。

2|カプセルタイプのサプリ《ナンノクロロプシス サプリメント》6,600円。

3|妊活、更年期対策向けに開発されたナンノクロロプシスを原料としたサプリメント《UMI》11,286円。

4|ナンノクロロプシスの粉末。

屋内のプールで藻を培養し、脱水・濃縮、殺菌・乾燥という工程を経て、ナンノクロロプシスの粉末が出来上がる。

宮城県・石巻市にあるナンノクロロプシスの培養施設

宮城県・石巻市にあるナンノクロロプシスの培養施設。水深わずか20cmのプールには、藻が沈殿しないために水車が取り付けられている。

培養に必要なのは、海水、日光、二酸化炭素のみ。

畜産のように穀物と水が大量に必要なわけではなく、生産のために特定の条件を満たす土地が不可欠ということもない。

「エネルギーを大量に使う大規模な施設は必要なく、真水を消費しないので、圧倒的に環境にやさしいんです」

健康的に生きるために、地球環境を守るために、栄養満点でサステナブルな藻の力に頼るべきかもしれない。