【棚橋弘至・連載】第21回:後輩の愛に見守られて…。逸念発起で目指す“マッチョ逸材”
新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が綴る、大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム。第21回のテーマは「ビッグマッチに向けた、最後の追い込み」について。
残り1か月。最後まで抗っていこう
早くも12月に突入! 新日本プロレス、最大のビッグマッチ、“イッテンヨン”東京ドーム大会まで、約1か月となりました。
いやー1年って、本当に早いですね。僕はこのコラムを通して肉体改造と、とくにダイエットに四苦八苦する様子をリアルタイムでお伝えしてきました(泣)。それもこれも、すべては東京ドーム大会に、最高のコンディションで登場する自分を鼓舞するためもありました。いわゆる伏線ってやつですね。
で、現在の棚橋は、どうなっているのかと言いますと…まだ、全然、仕上がっていません! おかしいなー。12月1日の藤波さんとのシングルマッチまでには、バキッと仕上げる予定だったのに、年末進行にずれ込んでしまいました。
現在、このコラムを書いているのが12/2の試合前なので、本当に残り1か月なのです。と、頭を抱えているわけなのですが、もう無理!っと、投げ出すのは嫌いなので、最後まで抗っていこうと考えています。
何を続けて、何を止めるべきか
では、具体的に何を始めて、何を続けて、何を止めるのかを考えていきましょう。まず、トレーニングにプラスしようと考えているのは、強度が高めの有酸素運動。これまでは、ウォーキング中心だったので、強度高めのエアロバイクをプラスします。継続するのはウォーキングですね。
ただ、朝食前に歩くのは、心が折れて怠けることも多いので、歩くのに最も適した時間にしっかり歩こうと思います。そして、1番重要なポイントは「止めることは何か?」って、ところですね。思い当たるダメポイントを挙げていくと…
- 睡眠時間が短い
- 有酸素運動前に心折れる
- 夜の時間帯のキレ食い
どれも体脂肪を溜め込んでしまうダメな習慣ですね。最近は、同じく新日本プロレスのマスター・ワト選手に食事関係は見張られているので、夜のキレ食いは減ってきました。
ちょうどお腹が減ってくる夜の11時くらいに毎日ワト選手から「おやすみなさい」とLINEがきます。
このLINEには、手の掛かる先輩への愛が詰まっていますね。ワト選手が、まだ学生の頃、僕が出版した『逸材ボディの作り方』という名著のサイン会に参加してくれたことがあったのです。
そして、プロレスラーになる夢を叶えたワト選手に見張られているダメ先輩という現状…。これは、一念発起、いや、逸念発起するしかないな、と。
お弁当を手に取ったら、スタッフさんが「ワト選手から『棚橋さんにお弁当を与えないで下さい』と言われています」と。
ワトめ、やるじゃないか
— 棚橋 弘至 (@tanahashi1_100) November 18, 2022
マネージャーさんから送られてきました… pic.twitter.com/dM6b67HLOi
— Master Wato (@Master_Wato) November 24, 2022
ワト先生からがコーラいただきました🙇♂️ pic.twitter.com/ln7mSJcwhf
— 棚橋 弘至 (@tanahashi1_100) November 19, 2022
炭水化物を3倍にして、起死回生を図る
ここ2年くらい、減量が上手くいかず、YouTubeを観ては、色んな方法を試して、挫折の繰り返し。完全にダイエットの迷宮で、出口が見つからない、ダイエット迷子でした。食事もアンダーカロリーになるように極力食べる量を減らしてきました。
しかし、ここで、カロリーを減らし過ぎていたのではないか? という疑問が生じました。確かにアンダーカロリーはダイエットの基本ではありますが、低カロリーを続けると、カラダはそのカロリーで、生命維持をやっていかなくてはならず、基礎代謝量も低下してしまいます。ということは、いつの間にかものすごく代謝の悪いカラダになっていた可能性もある、と。
それならば、摂取カロリーを増やしてみるのも、ひとつの手である。ということで、現在、朝と昼の炭水化物をこれまでの3倍くらいに増やしています。3倍というと、えっ! となるかもしれませんが、今までが、ごはん100gだったのを、300gにしただけです。
300gというと、ちょっと大きめのお茶碗に山盛り程度くらいです。白米をたくさん食べられる喜びを、2つの意味で噛みしめながら、ちょっとこれでやってみます。
え?大丈夫なの? と、多くの方が不安視しているのも、読まれる前に感じていたりもしますが、大丈夫! 新日本プロレス”イッテンヨン”東京ドーム大会が待っていますから!
若き日の藤波さんが「マッチョドラゴン」と呼ばれていたように、近い将来「マッチョ逸材」もしくは「マッチョエース」が、あの伝説の入場曲「マッチョドラゴン」の令和アレンジバージョンで、入場してくるかも知れません。いや、そんな未来がもう見えています (笑)
棚橋弘至
たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。