【糖質オフのキーワード①】「PFCバランス」の思い込みを打破せよ!

糖質を「オン」にするならどんな糖質を選ぶべき? どんな栄養素をどういうバランスでどんな順番で食べるのが効果的?

取材・文/石飛カノ イラストレーション/浦上和久 取材協力/亀川寛大(亀川ひかるクリニック院長) 参考資料/『糖質制限の外食ガイド』(亀川寛大著、マキノ出版刊)

初出『Tarzan』No.783・2020年3月12日

下記の記事で糖質無制限で太る理由、糖質制限で痩せる理由を理解したら、次はいよいよ食べ方に関する基本知識をマスターしていこう。

炭水化物は少なめ、脂質は多めに。

「PFCバランス」とは、Cは炭水化物、Fは脂質、Pはタンパク質の頭文字を取ったもの。

厚生労働省による2020年版「日本人の食事摂取基準」によると、糖質、脂質 、タンパク質の3大栄養素の推奨バランスは、糖質50〜65%、脂質20〜30%、タンパク質13〜20%という内訳。総摂取エネルギーの半分以上は糖質で賄うのがおすすめですという数値だ。

だが、糖質制限を指導する〈亀川ひかるクリニック〉院長の亀川寛大先生は、「カロリーをしっかり摂っても体脂肪合成の原因にならないものを食べれば問題ありません」と言う。

Fを多めに設定した栄養比率の一例
Fを多めに設定した栄養比率の一例。/Cは炭水化物、Fは脂質、Pはタンパク質。これまでは上段のバランスが常識。糖質制限期間はC100g、F120g、P130gという比率を導入する手もあり(1日2000kcal摂取)。

「脂質はハイカロリーですがインスリンは分泌されないんです。だから肉でも豚バラ肉、鶏肉の皮も外さずに食べてOK。摂取エネルギーを落とさないためにも脂質を多めに摂ってもいいと私は考えています」

この記事でも述べたように、糖質を制限するとともにあまりに摂取カロリーを低く抑えてしまうと、カラダは省エネモードになる。これを防ぐためにも脂質は少々多めに摂ってよしという考え方だ。

タンパク源に含まれる脂質だけではなく、バターコーヒーなど飲み物で摂取してもよし。亜麻仁油やエゴマ油などに豊富なオメガ3系の脂肪酸も積極的に取り入れたい。これらはカラダに必要な必須脂肪酸、しかもインスリンが分泌される心配なし。