HYROXが「鍛える人の目指す最高峰」である理由。
筋肉を持つ意味は、見た目だけでは測れない。走力、筋力、持久力、そして最後まで動き続ける力。「HYROX」に身を置けば、自分のカラダに何が備わっているのかが、嫌でも見えてくる。2026年8月に開催され、国内最大規模の約1万2000人を動員した『AirAsia HYROX Chiba』出場者の声とともに、熱気をお届け。
text: Ryo Ishii photo: Naoto Date
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鍛える人の目指す最高峰が、ここにあります。
8月6日、真夏の幕張メッセは、むせ返るような熱に満ちていた。ウェイトプレートが積まれたソリを全力で押す者、砂が詰まったサンドバッグを担ぐ者。その傍らを、別の参加者が荒い息遣いで駆け抜ける。「HYROX」は、1kmのランニングと8つのワークアウトを交互に繰り返し、そのタイムを競うフィットネスレースだ。
発祥は2017年のドイツ。欧米や韓国、香港などを中心に爆発的に成長しており、ヨーロッパでは、1大会で数千人の参加者が集まるほど。競技の魅力は、その仕組みが実に明快なことにある。
走る、押す、引く、跳ぶ、漕ぐ、運ぶ。ジムや日常のトレーニングでも馴染みのある動作が中心で、観る側にも直感的にわかりやすい。しかも基本フォーマットは世界共通。自分の記録を別の大会や世界中の参加者と比べることもできる。
日本では2025年に横浜で初めて開催され、その規模は回を増すごとに拡大。8月6日から4日間かけて行われた千葉大会は、前回比48%増の約1万2000人を動員し、最大規模となった。
『AirAsia HYROX Chiba』

2026年8月6日〜9日、幕張メッセで開催された『AirAsia HYROX Chiba』。多彩なカテゴリーが用意され、約1万2000人が参加。元プロ野球選手の糸井嘉男さんなど著名アスリートも出場し、会場を沸かせた。
『Tarzan』が取材に訪れた8月6日は、シングルとダブルスのオープン、ミックスダブルスが開催。参加者たちの声を聞くと、口を揃えて言うのは「シンプルだからこそキツい」ということ。技術でカバーできる部分が少ないからこそ、ごまかしは一切利かないのだ。
例えば男子オープンのスレッドプッシュでは152kgのソリを50m押し進め、ファーマーズキャリーでは両手に計48kgのケトルベルを提げて歩く。これら8つの高負荷種目の間に1kmのランニングが挟まるとあれば、筋力も心肺機能も限界まで削られる。レース中は「早く終わってほしい」と願う参加者も多いというのも納得だ。
それでも彼らが歩みを止めないのは、プライドだけではない。大音量で鳴り響くDJプレイ、そして観客との極めて近い距離。心が折れそうな瞬間、仲間からの声援が己の限界を超えさせてくれる。完走直後は「二度とやりたくない」と思っても、数時間後には「次も出たい」、と語った参加者の顔はとても晴れやかだ。この中毒性こそが、「HYROX」の神髄なのかもしれない。











