鎮静効果の高い「レモンバーベナ」で、ラープガイと桃のスムージーを。| 9月のハーブ・レモンバーベナ

多様な植物に関する豊富な知識を持つ〈ハーブスタンド〉主催の平野優太さんが「トップクラスに好きなハーブ」という、レモンバーベナ。フランスでは、食後の定番として、ハーブティーが愛飲されています。植物の新しい可能性を紐解く連載「ワンモア・ハーブ」第23回は、香り高き「レモンバーベナ」について。

text: Toshiya Muraoka photo: Nathalie Cantacuzino supervisor: Yuta Hirano, Shiori Kitayama(HERBSTAND) recipe: Takumi Abe

レモンバーベナ

レモンバーベナは、フランスではヴェルヴェーヌと呼ばれ、食後にハーブティーとしてよく飲まれています。胃腸を整える効能があって、さらに食事をとることで優位になった交感神経を鎮めてくれる作用もあるんです。それは柑橘系のハーブによく含まれる、リナロールという成分によるもの。とても上品な柑橘系の香りと味なので、食後の口もすっきりリセットしてくれます。

原産は、アルゼンチンやチリ、ペルーといった南米で、ヨーロッパでは地中海のカラッとした気候で育てられています。比較的、暑さには強いですが、湿気と冬の寒さには弱いので、〈ハーブスタンド〉のある富士吉田では越冬できないことも。ですが、僕も本当に大好きなハーブなので、どうにか育てたいと試行錯誤しています。

ハーブティーとしてお茶とブレンドしてもいいですし、アイスの材料にしてもいい。葉と好みのオイルをミキサーで混ぜ、フレーバーオイルにしてもとても美味しいです。葉の先端の柔らかいところはサラダとして食べても。とにかく万能な、推しハーブのひとつです。

こんなふうに使ってみるのはどう?

●「食べる」
ラープガイ(鶏ひき肉とレモンバーベナのハーブサラダ)

ー材料ー

鶏ひき肉 200g
赤玉ねぎ 100g
生姜 30g
小ネギ 30g
ミント 20g
レモンバーベナ 50g
ナンプラー 15g
塩 適量
レモン汁 15g
一味唐辛子 5g
※パクチーはお好みで

ー作り方ー

レモンバーベナの葉を茎から外す。茎を持って引っ張れば簡単に外れる。

レモンバーベナ、ミントをざく切り、小ネギは太めの小口切り、赤玉ねぎは薄切りにしておく。

ナンプラー、レモン汁、塩、一味をボウルに合わせておく。

フライパンに水を100ml程入れて沸騰させ、鶏ひき肉を入れ、菜箸でほぐすように中火で炒める。油の代わりに水で炒めるイメージ。肉の色が変わり、そぼろ状になってきたら、水気を飛ばすように強火で炒める。

鶏ひき肉が熱いうちに調味料と和えてから、ハーブ類も加えて完成。

ラオスやタイ北部のイサーン地方の料理であるラープを作ります。ガイは、鶏肉のこと。レモングラスを使うことも多いですが、今回は代わりにレモンバーベナで、少し上品な味わいに仕上げたいと思います。ハーブを薬味として使うのではなく、イメージはハーブのサラダ。そこに湯がいた鶏ひき肉を合わせるので、とてもヘルシーな料理です。しかも、手軽です。このラープを作るために、ミントとレモンバーベナを育ててもいいくらい。サッと作れて、まだまだ暑い日が続く残暑にも美味しい料理です。

●「飲む」
桃とレモンバーベナのスムージー

―材料―(1杯分)

凍らせた桃 200g
レモンバーベナの葉(フレッシュ) 20枚
冷水 100ml
レモン果汁 3ml
甘味適量(完熟桃なら不要)

ダイスカットにして凍らした桃、レモンバーベナの葉を用意する。

冷水、レモン果汁を加え、ミキサーにかける。甘味が足りなければ、砂糖を少し。好みの硬さで止めて完成。

レモンバーベナは、レモンのシャープな香りの元である「シトラール」という成分を多く含んでいます。そこに、レモンキャンディのような甘さとすっきりした青さも兼ね備えた香りが特徴的なハーブです。今回はその香りを生かして、スムージーにしました。桃の熟度と甘さによっては、ミントのような香りの強さも味わえるはず。ミキサーを回すための水は、少しずつ調整しながら加えてください。

9月のハーブスタンドの様子

9月の富士北麓は、朝晩の空気がぐっと冷え込み、一足早く秋の気配に包まれます。紫式部やハマナスの実、山葡萄などの果実も少しずつ熟し始め、色とりどりに森を彩ります。

作り方のムービーはInstagramにて。