ミネラル豊富な「筍の皮」で、パンナコッタとアイスミルクティーを。| 5月のハーブ・筍の皮
人にとって有用な植物をハーブと定義し、その可能性を追求しているハーブスタンドの平野優太さん。食材のイメージが強い筍では、ほとんど廃棄されている皮に着目しています。過去の文献に当たり、有用性を引き出すべく試行錯誤をする。その過程から、新しい提案が生まれます。連載「ワンモアハーブ」第20回は、疲労回復の効果が期待できる筍の皮について。
text: Toshiya Muraoka photo: Nathalie Cantacuzino supervisor: Yuta Hirano, Shiori Kitayama(HERBSTAND) recipe: Takumi Abe


筍の皮
一般的には捨ててしまう筍の皮は、実は乾燥させて使うと素晴らしい素材になるんです。ハーブスタンドでは森の植物を使った「出汁」パックを作っているのですが、筍の皮は重要な役割を担っています。味わいは、黒糖のようなコクと鰹節のような出汁っぽさが共存している。
殺菌のために塩水に一度浸けてから天日干しで乾燥させると、不思議なことに山の素材から磯のニュアンスが出てくるんです。水分を含んでいるとそこから傷んできてしまうので、パキッと割れるくらい乾燥させてください。
日本で一般的に流通している筍は、孟宗竹、真竹など数種類ですが、どの筍でも構いません。むしろ複雑な味の奥行きを求めるならば、種類も収穫時期もミックスさせた方が美味しい。一度味わっていただければ、筍の皮という今までは不要だと思っていた部位が、とても大切な存在に見えてくるはずです。
こんなふうに使ってみるのはどう?
●「食べる」
筍パンナコッタ

ー材料ー
筍 100g
牛乳 50g
筍皮 適量
メイプルシロップ 適量
バニラビーンズ(バニラエッセンスでも) 適量
グラニュー糖 40g
生クリーム 200g
ゼラチン 4g(乾燥)
ー作り方ー
筍は牛乳と合わせると、とうもろこしのような甘い香りが立ちます。主役になれる食材なので、お店でもデザートにはあまり用いられませんが、かなりリッチな味わいになります。カラメルに筍の皮の出汁を使うことで旨味も凝縮されています。グラニュー糖だけでなく、同じく植物から作られるメープルシロップも相性がよく、醤油を入れていないのに、どこか「みたらし」のような香りになります。食物繊維が豊富で、筍の魅力を余すところなく食べられるデザートです。
●「飲む」
筍の皮の黒糖アイスミルクティー

―材料―(1杯分)
筍の皮(乾燥) 8g
水 180ml
黒糖 10g
牛乳 100ml
筍の皮にはもともと香ばしい香りがあるのですが、焙煎することで青さを消して、お茶のように仕上げます。スパイスは使いませんが、イメージは日本版のチャイのような味わい。ただ、全て牛乳で煮出すと成分が溶け込みにくいので、少量のお湯で強めに煮出してから、ミルクで割る方法で行います。筍の皮にはカリウムなどのミネラル分が多く含まれていて、むくみ予防や疲労回復の効果も期待できる。森の出汁を感じるミルクティーで、季節の変化を乗り切っていきましょう。
5月のハーブスタンドの様子

例年よりも早く、草木がやわらかく芽吹きはじめています。富士北麓では、モミやスギなど針葉樹の新芽も顔を出し、収穫の季節が始まっています。












