距離やペースの伸び悩みに。4週間で走りの伸び代を上げるドリル。

闇雲に走っているだけでは遠回り。まずは走れるカラダにアップデートすることが先決だ。4週間のドリルをこなせば、あなたの走りは確実に変わる!

取材・文/石飛カノ 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 トレーニング監修・指導/澤木一貴(SAWAKI GYM代表) 編集/星野“cap”徹

初出『Tarzan』No.920・2026年2月26日発売

ウォールニーアップをしている様子
教えてくれた人

澤木一貴(さわき・かずたか)/1971年、静岡県生まれ。SAWAKI GYM代表。全国でトレーニングセミナーを展開。日本大学卒業。整形外科で経験を積み、専門学校講師や協会理事として多くのパーソナルトレーナーを育成。一般のクライアントはもちろん、プロレスなどの格闘技選手から、小学生や高齢者まで幅広い指導経験を誇る。

距離もペースも伸びない人のための4週間改善ドリル。

今年こそはと走り始めてみたものの、一向に距離が延びない、ペースが上がらない、どちらかというと楽しさよりも苦しさが上回ってしまう。これでは長続きは望めない。原因は基本的なカラダの動かし方を会得していないこと、さらにランに必要な筋力やパワーが身についていないことだ。

そこで、腕振りと脚上げの連動、ストレッチショートニングサイクル(SSC)と呼ばれるカラダのバネを利用するコツ、ランの推進力となる背面の筋肉の強化、そして瞬発力を育むジャンプ系トレ、これら4カテゴリーのドリルを1週間ずつ順番に集中して行う提案をしたい。

全ドリルをクリアした4週間後には、カラダは自ずとラン仕様に進化。走ればテキメン、楽しさが苦しさを圧倒的に上回るはずだ。

1週目|その場マーチの動きで上半身と下半身の協調性を磨く。

走る動作では右手と左足が同時に前に出るというように対角線上の協調が必要。が、このリズムが摑めない人も多い。まずは腕振りと脚上げの動きをシンクロさせるマーチから。

シングルレッグマーチ(左右各10回×3セット)

シングルレッグマーチ

  1. 左脚を上げて膝を直角に曲げる。同時に右手を上げ、左手を後ろに引いて、それぞれの肘を直角に曲げる。
  2. この姿勢から左脚を下ろすと同時に左右の手を入れ替える。これを10回繰り返したら逆脚で同様に行う。
マーチ(20秒×3セット)

マーチ

  1. 片脚と片手のリズムの回路が繫がったら、続いて左右交互にマーチを行う。左手と右脚を同時に上げたら次に左右の手と脚を入れ替える。
  2. これをリズミカルに20秒繰り返す。肘と膝は直角をキープ。
パワースキップ(20秒×3セット)

パワースキップ

  1. マーチのリズムが刻めたら最後はスキップしながら左右の手と脚を入れ替える。まさに、これは走るときの着地の動作。軽やかに跳ぶというより、軸足の拇趾球でしっかり地面を踏み締めながら20秒。

2週目|壁を使ったトレーニングでスムーズな推進力を身につける。

事前に筋肉や腱を伸ばして脚上げの効率を上げる、ストレッチショートニングサイクル(SSC)を取り入れたトレーニング。壁を使って片脚を素早く引き付ける動きを摑む。

ウォールニーアップ(左右各10回×3セット)

ウォールニーアップをしている様子

  1. 両手の掌を壁につけて片脚立ちになり、軸脚の膝を曲げて上体を前傾させる。

ウォールニーアップをしている様子

2.後ろに伸ばした脚を反動をつけて前方に振り上げ、軸脚の膝を伸ばして爪先立ちになる。このとき膝下と軸脚を平行に保つ。

ウォールヒップエクステンション(10回×3セット)

ウォールヒップエクステンション

  1. 両足を腰幅に開いて立ち、両手の掌を壁にくっつける。
  2. 膝を曲げて上体を前傾させた姿勢から脚のバネを使って一気に立ち上がって爪先立ちになる。このとき腹に力を入れて頭から踵までを一直線に。
ウォールエクスチェンジ(左右各10回×3セット)

ウォールエクスチェンジをしている様子

ウォールエクスチェンジをしている様子

ウォールエクスチェンジをしている様子

  1. 最後は壁に両手の掌をつけて脚上げの練習。左→右→左と軸脚を素早く入れ替えて1回。
  2. 次は右→左→右と軸脚を入れ替えて2回。これをリズミカルに繰り返す。足首を固定して地面をしっかり捉えよう。

3週目|お尻と太腿裏の筋力を養い、力強い走りに繫げる。

3週目はランニングのアクセル役である大臀筋、ハムストリングスの筋力を養う。同時に骨盤の位置をキープする中臀筋に刺激を入れ、ブースターの馬力をアップ。

チェアバックキック(左右各10回×3セット)

チェアバックキックをしている様子

  1. 椅子の座面に両手をつき片脚立ちになる。上げた脚の膝は曲げ、軸脚の踵を上げる。
  2. 椅子を両手で押し込むようなイメージで上げた脚を後ろにまっすぐ伸ばす。踵で後ろの壁を蹴るイメージで。
マウンテンクライマー(20秒×3セット)

マウンテンクライマーをしている様子

  1. 床に両手をついてプッシュアップの姿勢をとる。
  2. そのまま片脚の膝を左右交互に曲げて前に引き寄せる。お尻が浮かないように、床スレスレのポジションで左右の脚を入れ替えることを意識。
ラテラルバウンド(20秒×3セット)

ラテラルバウンドをしている様子

  1. まっすぐに立った姿勢から真横にジャンプして外側の足で着地。
  2. 次は逆サイドに跳んで片足着地。頭をセンターに残すイメージで体軸が「ハ」の字を描くようにリズミカルにジャンプ。中臀筋の刺激になる。

4週目|最後の仕上げはジャンプ系でランニングパワーを盛る。

ランニング動作とはジャンプの連続。その衝撃に耐え得るだけの下半身の筋持久力はマスト。スクワット系のジャンプとバーピーでランニングのためのパワーを底上げしよう。

ジャンピングヒンズースクワット(20秒×3セット)

ジャンピングヒンズースクワットをしている様子

  1. 両足を肩幅で立ち、両膝を深く曲げて上体を前傾させ、両手を大きく後ろに振り上げる。
  2. そこから膝を伸ばして両手を前に引きつけながら後方に一歩ジャンプ。着地時にカラダが一直線になるように。
バーピージャンプ(20秒×3セット)

バーピージャンプしている様子

バーピージャンプしている様子

バーピージャンプしている様子

バーピージャンプしている様子

  1. 直立姿勢から屈み、両手を地面につける。両足で地面を蹴って後方に着地。カラダは一直線に。
  2. 再び両足でジャンプして屈み姿勢に戻り、最後は真上にジャンプ。太腿の前後、お尻の筋肉を総動員。
シザースジャンプ(20秒×3セット)

シザースジャンプしている様子

  1. ランの動きに寄せたジャンプ系トレ。両脚を前後に開き、膝を深く曲げて上体を沈めたら両手を上げて真上にジャンプ。

シザースジャンプしている様子

2.ジャンプと同時に左右の脚を入れ替え、膝を曲げて着地。これをリズミカルに繰り返す。