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HANAKAとマンチェスター・ユナイテッド | そのユニ、どこの? vol.3

ユニフォームには、選手や監督、サポーターが積み重ねてきた歴史と、その地に根付いたカルチャーが詰まっている。この連載では、ひたむきに一つのチームを応援し続ける人々に注目。お気に入りのユニフォームを纏ってもらい、一途な愛を掘り下げます。第3回は、パリコレクションのランウェイやメゾンブランドのビジュアルなど、ファッションシーンの第一線で活躍するモデルのHANAKAさんが登場。プレミアリーグに所属するフットボールクラブ、マンチェスター・ユナイテッドについて語ります。

取材・文/小川陸 撮影/園山友基

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Profile

HANAKA(はなか)/2000年生まれ。モデルデビューからわずか3か月でパリ・コレクションデビューを果たし、数多くのメゾンのショーやワールドキャンペーンに出演するなど国内外で活躍中。現在は日本を拠点に活動し、趣味はフットボール観戦と音楽イベントに行くこと。@iam_hanaka_

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まずは、サッカーを好きになったきっかけからお伺いできればと思います。
HANAKA
私は新潟出身なので、サポーターと言えるほどではないのですが、地元クラブのアルビレックス新潟がずっと身近な存在でした。それに、幼い頃から母親が日本代表戦を必ずチェックしていたので、一緒にギャーギャーと騒ぎながら観ていましたね。
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その後、どのような経緯でマンチェスター・ユナイテッド(以下マンユナイテッド)をサポートすることになったのでしょうか?
HANAKA
10年ほど前の高校生の頃、よく通っていた洋服屋さん繋がりで同い年の2人の男の子と知り合ったら、どちらも熱狂的なマンユナイテッドのサポーターだったんです。当時はあまり興味がなかったとはいえ、少し前に香川真司(2012〜2014年まで所属していた元日本代表MF)がいたり、2人の話す内容から自然と情報が入ってきていました。それから18歳で上京して、すぐに出会った友達もマンユナイテッドのサポーターで(笑)。

なので、せっかくだからと思い彼らを私経由でマッチングさせたら一緒に試合を観るほど仲良くなり、そこに私も加わるようになったんです。それが2021-22シーズンで、最初はルールも選手もよくわからなかったけど、熱狂的に応援している友達とのフットボール観戦がとても楽しいと気付き、どんどんハマって好きになりました。……でも正直に言うと、エディソン・カバーニ(驚異的な得点力と闘志が持ち味の元ウルグアイ代表FW)がカッコよすぎて観始めたのもあります(笑)。

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カバーニは、男も惚れる漢ですからね(笑)。サポートする前のマンユナイテッドの印象はいかがですか?
HANAKA
クリスティアーノ・ロナウド(歴代最高選手の1人に数えられるポルトガル代表FW)のイメージもあって敵なしの強いクラブのイメージ、でした…(笑)。私が応援し始めてからは、ちょっと調子が悪いですね…。(注:1991-92シーズンから22季連続でリーグ戦で4位以下になったことはなかったが、昨季は15位に沈むなど低迷)
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では、これまでサポートしてきた中で、最も好きな選手を教えていただけますか?
HANAKA
ブルーノ・フェルナンデスです(卓越したパスセンスと豊富な運動量で知られるポルトガル代表MF)。2023-24シーズンから主将を任されているキャプテンシーやチャンスクリエイト能力の高さ、そしてスルーパスがとにかく鮮やか。スルーパスでスタジアムを沸かせられるのは、本当にカッコいいです。そのうえ人柄も良いし、彼はもともとマンユナイテッドのサポーターということもあり、クラブへの愛が溢れているのが素敵。

私は、内面も込みで選手を好きになることが多いので、同じく熱心なマンユナイテッドサポーターで今季加入したマテウス・クーニャ(突破力に優れた万能型のブラジル代表FW)も惹かれる選手の1人です。あとは、コビー・メイヌー(卓越した技術とボール保持能力が武器のイングランド代表MF)で、ここ最近は全然起用されずに悲しいですが(注:取材時リーグ戦10試合中、1度もスタメン起用なし)、彼はそれでも腐らず真面目に練習に取り組んでいるのが応援できますね。

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特に思い出深いシーズンはありますか?
HANAKA
やっぱり、良くも悪くも昨季ですね。シーズン途中の11月にルベン・アモリム(柔軟な戦術幅が強みの元ポルトガル代表MFで現指導者)が監督に就任し、リーグ戦はクラブ史上最低順位の15位でフィニッシュするなど、悪い意味で数々の記録を更新したかと思えば、EL(ヨーロッパのクラブが出場する国際大会)は負けましたけど決勝まで駒を進めるという、激動でした。それに、現地観戦の夢も叶えられたんです。
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現地観戦は、どの試合を観に行かれたのですか?
HANAKA
私にマンユナイテッドを教えてくれた2人と、半年以上前から計画を練って年末年始に渡英し、オールド トラッフォード(マンユナイテッドのホームスタジアム)でのニューカッスル・ユナイテッド戦を観戦しました!肝心の試合は、1点もゴールを奪えず0-2で負けてしまったんですが、地響きのような歓声や人が階段から転げ落ちそうな盛り上がり、崩れそうだけど荘厳な雰囲気(注:1910年開場)など、オールド トラッフォードに行けたことは本当に感動でしたね。一緒に行った2人が、マンユナイテッドを好きになったきっかけの友人だったこともあり、入場する前からずっと泣いていました(笑)。
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イギリスでは、マンユナイテッド以外の試合も観戦されましたか?
HANAKA
行ってみたかったフラム(ロンドン西部・フラム地区のクラブ)のホームスタジアムのクレイヴン・コテージで、イプスウィッチ・タウン(イプスウィッチのクラブで、現在は2部相当のEFLチャンピオンシップに所属)戦も観ることができました。オールド トラッフォードより規模が小さいスタジアムということもあり、最上段の席だったんですけどピッチまでの距離が近くて、少し目線を上げるとスタジアムの屋根越しにロンドンの街並みが見えたのも素敵な光景でしたし、道中のテムズ川沿いにあるパブで1杯飲んでから行けたのが現地の人っぽくて良かったです(笑)。それと、パブでマンユナイテッド対リヴァプール戦も観ましたね。

この時とは別にパリのパブでもチェルシー戦を観たことがあるんですが、その時は荒っぽいチェルシーのサポーターばかりで、私と初老の男性の2人くらいしか仲間がいなかったので、マンユナイテッドがゴールを決めた時は2人でこっそり喜んだのが良い思い出です(笑)。

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今後、現地観戦の予定はありますか?
HANAKA
今のところ計画はしていないんですが、もし仕事でイギリスに行くことがあれば、父親の地元であるボーンマス(注:グレートブリテン島の南海岸に位置する街)のバイタリティー スタジアムを訪れてみたいですね。
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日常的には、どのように観戦していますか?
HANAKA
全試合リアルタイム観戦を心がけているものの、翌日が早い時間の撮影だったりする場合は我慢して寝ています。それでも気になっちゃうから、寝てるか寝てないか分からないくらいの浅い睡眠になっちゃうんですけどね(笑)。大抵、深夜帯のキックオフなので家で1人で観ていて、早い時間帯だと高田馬場にあるブリティッシュパブ「セカンドハーフ」に行くことが多いです。オーナーの方がマンユナイテッドのサポーターなのですが、いわゆるマンユナイテッドのサポーター専用のパブではなく、プレミアリーグ好きが集まるような場所。私のような歴が浅いサポーターにも優しくしてくださる親切な方々ばかりですし、海外からのお客さんも多く現地のパブのような湧き方も楽しめておすすめです!
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観戦の際は、ユニフォームを着ますか?

HANAKA
ビッグマッチの時は、家で1人でも気合いを入れるために着て、ずっとクッションを抱えながら観ているので、これには相当な冷や汗と涙が染み込んでいると思います…。クッションはデザイン的にはすごく気に入っているんですが、あるだけで部屋が一気に少年の部屋っぽくなってしまうのが難点で(笑)。パブに行く場合は、着ていくことが多いですね。

HANAKAさんの私物であるマンチェスターユナイテッドのグッズ

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ユニフォームを着用する際は、どのようなスタイリングを意識していますか?
HANAKA
例えば、2024-25シーズンのメイソン・マウント(高い戦術理解度と豊富な運動量で貢献する元イングランド代表MF)のアウェイを着てストリートスナップされた時は、バック部分にユニオンジャックのデザインが入っているデニムを着用したり、どこかにUKっぽさを取り入れています。

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HANAKA
今日も、モッズカルチャーを代表するモッズコートにイングランド発祥のドクターマーチンのブーツをあわせて、ベルトはパンクっぽいダブルバック仕様で、靴下はマンユナイテッドのクラブカラーの赤色です。普段から試合がない日でもユニフォームを着ることは多く、今日もこのインタビューの前にオーディションがあったのですが、2025-26シーズンのブライアン・エンベウモ(豊富な運動量と決定力に優れたカメルーン代表FW)のサードを着て行きました(笑)。

ただ、以前ユニフォームでオーディションに臨んだら、担当者の方に「あれ?マンユナイテッドサポーターですか?」と話しかけていただき、仲間だと思ったらグーナー(注:アーセナルのサポーターの愛称)で、それが原因かはわかりませんがご縁がなかったですね(笑)。

マンチェスターユナイテッドのユニフォームを着たHanakaさん
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やはり、クラブカラーの赤色を基調としたホームユニフォームよりも、アウェイやサードの方が私服には落とし込みやすいですか?
HANAKA
シーズンによりますが、その傾向はあります。ユニフォームに限らず襟付きのアイテムが好きなので、2024-25シーズンのマウントのアウェイは本当に日常的に着ていますが、実はキッズサイズなんですよ。ウィメンズのユニフォームはメンズとはシルエットが異なり少しウエストが絞り気味で、それが私の好みではなくて。なので、メンズをそのままサイズダウンしたキッズの大きめを買いました。

ちなみに、2025-26シーズンのサードを購入した理由はデザインももちろん、発表された時のイメージビジュアルがめちゃくちゃカッコよくて!どこか和風なテイストで、いつか私もモデルとして出てみたいです。

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今、ユニフォームはどれくらいお持ちですか?
HANAKA
全部で5枚で、サポートし始めた2021-22シーズンから毎シーズン1枚は買うようにしています。買えるのであれば全てそろえたいですが、なかなかそうもいかず1枚では何も変わらないと分かりつつ、クラブにお金を落とす気持ちですね(笑)。
Tarzan Web
初めて購入された2021-22シーズンのユニフォームは、ホームではなくアウェイだったそうですね。
HANAKA
初めてのユニフォームだったのでホームも欲しかったんですけど、TVのスノーノイズっぽい柄が新鮮で色味も可愛かったアウェイを選びました。次の2022-23シーズンは、ホームが襟付きだったので発表された瞬間から買うことを決めて、周りでも持っている人が多い気がします。襟付きだと、途端に私服でも着やすくなるし、デザインの完成度も全体として高いので気に入っていますね。

2021-22シーズンのアウェイと2022-23シーズンのホームは、どちらも背番号と選手名の無いブランクのユニフォームを買ったんですが、今になって後悔していて(笑)。なので、2023-24シーズンのホームはブルーノ、2024-25シーズンのアウェイはマウント、2025-26シーズンのサードはエンベウモと、絶対に入れるようにしています。

Tarzan Web
サポートし始めた2021-22シーズンからの5枚とは別に、レジェンドプレーヤーのポール・スコールズ(1990年代から2000年代にかけての黄金期を支えた万能型司令塔の元イングランド代表MF)のユニフォームもお持ちなんですね。
HANAKA
スコールズのリアルタイム世代ではないので知らなかったのですが、高田馬場のブリティッシュパブ「セカンドハーフ」で知り合った昔からのマンユナイテッドのサポーターの方に彼の偉大さを教えていただき、その影響から購入しました。

これは、1998-99シーズンのCL(ヨーロッパのクラブが出場する国際大会)優勝を記念した1999-00シーズンのホームです。私が好きな襟付きだし、胸スポンサーのSHARPと優勝を記念したディテールが気に入っていたんですが、最近偽物だと気付き…皆さんもお気を付けください(涙)。

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なんと…。最近、偽物が市場に出回っているから注意が必要ですね。他に最近買い足したいユニフォームはありますか?
HANAKA
マンユナイテッドのオフィシャルストア限定で販売されている、2025-26シーズンのピンクのGK用ユニフォームが気になっています。でも、アンドレ・オナナ(現在、トルコのトラブゾンスポルに期限付き移籍中のカメルーン代表GK)が好きなので、ちょっと迷ってる感じですね。
マンチェスターユナイテッドのユニフォームを着たHANAKAさん
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では、今季のプレミアリーグの順位予想を教えてください。
HANAKA
今は10戦5勝3敗2分の8位(注:取材時)で、勝ち点だけ見ればチェルシーとスパーズと並んでいて、昨季と比べれば相当復調していますが、予想は本当に難しいですね。でも、1位って言いたいし、1位しか見えていません。2012-13シーズン以来の優勝を願っています!
Tarzan Web
最後に、マンユナイテッドの魅力とは?
HANAKA
メイヌーをはじめ、退団してしまいましたがマーカス・ラッシュフォード(左サイドからのカットインシュートとスプリント力が持ち味のイングランド代表FW)やスコット・マクトミネイ(恵まれた体格と持久力でチームを支えるスコットランド代表MF)など、アカデミーから上がってきた選手が多く、彼らが大人になるにつれて活躍していくのを見るのは楽しみの1つです。

でも何より、ホームスタジアムのオールド トラッフォードは、名試合が多いことから“The Theatre of Dreams(夢の劇場)”の異名を持っている通り、ドラマチックな試合が多いのが魅力。負けるかもしれないと思った試合をひっくり返した時は、観ていて本当に気持ちが良い。夢を抱かせてくれる、素敵なクラブです。

クラブ情報

マンチェスター・ユナイテッド

創設年:1878年
本拠地:イングランド・マンチェスター
愛称:マンユナイテッド / ユナイテッド

1878年にマンチェスターの鉄道員が中心となり前身クラブが結成され、1902年に現在のマンチェスター・ユナイテッドに改称し、これよりユニフォームは伝統的にレッドが基調。1911年までにリーグとカップ戦で5度のタイトルを獲得するも、以降は長い低迷期に突入。そして、1940年代に第一次黄金期を迎え、国内屈指の強豪に数えられるようになった矢先、1958年に選手とスタッフの搭乗した飛行機が墜落する悲劇に見舞われる。この苦難を乗り越え、1960年代に第二次黄金期が訪れるが、世代交代に失敗して1974年には2部降格。しかし、1986年にアレックス・ファーガソンが監督に就任すると、瞬く間に世界的強豪へと成長を遂げ、1998-99シーズンにはヨーロッパ王者を含むトレブル(3冠)を達成。その後、同監督退任以降は14シーズンで11人の監督(暫定含む)を招聘するなど迷走期だったが、今季は復調の兆しを見せている。