商品化、求む!クマの接近を見据える《KumaBand》。

山で熊と鉢合わせ、その最悪の瞬間に備える新提案。AIが導き出した熊対策のデバイスが、アウトドアの常識をアップデートする。

取材・文/編集部

初出『Tarzan』No.914・2025年11月6日発売

熊から身を守るために!

山登り中に熊と遭遇! できれば避けたいところだが、熊の被害は年々増加し、深刻なニュースが後を絶たない。そんななか、AIで熊に新たな一手を打った企業がある。

株式会社ズーマが販売するのは、熊の接近を知らせるウェアラブルデバイス……ではなく、「開発設計仕様書」。つまり発明自体が商材だ。

このウェアラブルデバイス《KumaBand》は、センサーを用いて大型野生動物の接近を知らせるという優れもので、開発にはAIを活用。代表取締役社長の古賀恵太さんに、開発に至った背景を尋ねた。

「社会問題・課題の解決につながる国内初の開発物であることに加え、特許取得も視野に入れることのできる内容物を提供したいと考えたため。開発に関しては、裏側に相当練り込んだプロンプトを仕掛けており、各項目の調査にAIが強みを出してくれます。熊被害が多発している日本北部の自治体や、通信・デバイス・工具メーカーに活用してほしいと希望しております」

気になるのはアフターフォロー。「ドキュメントはあくまで理論値。納品後にさらなるご要望や変更等があれば、人力+AIで改修の対応も行います」。最強の熊対策デバイスが、アウトドア必須アイテムになる日は遠くないかも。

《KumaBand》装着した女性

ウェアラブルデバイス《KumaBand》。3重センサーを搭載し、熊など大型野生動物の接近を知らせてくれる。

《KumaBand》

商品自体の提供ではなく、開発設計仕様書を販売中。非独占契約販売で250万円、独占販売契約は400万円〜。取材時点では購入者はおらず、一部の自治体や少数のメーカーと交渉中とのこと。WEBサイト