6:00 p.m. at Ryogoku Kokugikan
友人同士でチームスポーツを楽しんだり、あてもなく歩いてみたり、ただぼうっと佇んでいたり。同じ空間で同じひとときを過ごす人々をスナップした連載企画。vol.7は、世界最高峰のブレイキンバトルを求めて、世界中のファンとブレイカーが集まった、両国国技館での『Red Bull BC One World Final Tokyo 2025』が舞台。バトルを観に来た人、仲間の背中を押しにきたサポーター、初めてブレイキンの世界に触れた人。それぞれの思いを胸に国技館へ向かう来場者の姿を、スナップで切り取った。
取材・文/岡島みのり 撮影/キム・マルセロ

Red Bull BC One World Final Tokyo 2025
11月9日(日)に東京・両国国技館で開催された『Red Bull BC One World Final Tokyo 2025』は、日本で9年ぶりの開催となるブレイキンの世界大会。会場周辺は朝から熱気に包まれ、国境も言語も越えて、踊ることを愛する人々が集結した。
ISSIN(ダンサー)
大会前は軸をぶらさないことを大切にしているというISSINさん。「優勝よりも、自分の踊りを人の目に焼き付けたいんですよ。見た人が忘れられないムーブを入れることだけ意識してプレーします。バトル前は、AC/DCを爆音で聴いて気持ちを上げげていますね」。身体作りについて尋ねると「基本はブレイクだけ。それから体重のコントロールも大切なので、食事制限も。終わったらたくさん食べたいです! 」。@bboyissin
AMI(ダンサー)
「大会本番ももちろん大切ですが、それまでの練習期間で、ベストを尽くせた! と言い切れるように取り組むことを大切にしています」とAmiさん。ファッションのポイントはアクセサリーだそう。「アクセサリーは、世界中の大会に参加したときに少しずつ買い足しています。最近のお気に入りは〈Pandora〉のブレスレット。チャームがカスタムできて可愛いんです」@gfc_ami
Shigekix(ダンサー)
「これまで積み重ねてきたものを、今どれだけ体現できるかが大事」と語るShigekixさん。国内外を飛び回り次世代の育成にも力を注ぎながら、「プレーヤーとしては今もヤングガンズと同じ熱量で挑んでいます。追われても追ってもいるし、結局は自分の限界を追求し続けたい。BC ONEのステージでも最高の結果を取りにいきます」と静かに闘志を燃やしていた。@bboyshigekix
7722名の観客で満員となった両国国技館では、土俵上にダンスサークルが組まれ、相撲太鼓の響きとともに世界大会が開幕した。B-GirlはRikoが圧倒的な強さで優勝。B-Boyは同門対決となり、ISSINとharutoが死力を尽くす接戦を展開し、ISSINが世界王者の座を勝ち取った。
Katimi AI(アーティスト)
試合前にキャッチしたカティさんは、ヴィンテージウェアを中心にまとめた存在感あるスタイリング。「今日は友達と来ました。実はバトルで流れる音楽を今回制作していて、自分の曲が会場で流れるのはなかなかないんです。だからすごく楽しみ!」@dj_katimi_ai
Grav1s(ダンサー)
試合を終えたタイミングでキャッチした彼は、中国から来場したという。パープルのジャケットには缶バッヂをびっしり並べてオリジナルアレンジ。「自分の色を出したかった」と語り、遠征先でも表現者らしい遊び心を忘れない。@grav1ss
Amber Rose(インフルエンサー)
イギリスの人気番組『Love Island』にも出演したアンバーさん。ディオールのコルセットに白シャツを組み合わせた端正なスタイルで来場した彼女は、「ブレイキンは詳しくなかったけど、知識も言語も関係なかった。見てるだけでめちゃくちゃ楽しい!」と笑顔で語ってくれた。ジュエリーやアイウェア、シューズも煌めきを忘れずに。@amberrosegill
Jolie/Revo(ショップスタッフ、ダンサー/ダンサー)
「今回の大会に出場しているJakeが友達で、応援しに海外から日本へ来たんだ(Revo)」。「初めて両国国技館に来たけど、会場が大きくてびっくりしました! すごく興奮したし、自分も音楽に合わせて踊ってしまいますね(Jolie)」。@bjoley@r3vosoul
Tom(RedBull販売スタッフ)
会場販売スタッフのTomさんは、背中にさまざまな種類のレッドブルを詰めたバックパックを背負い、フロアを軽快に巡回。動きやすさを優先した装いの中に、ワークパンツや小物使いでストリートの要素を自然にミックスし、自分らしいスタイルを作っている。
フッキー(会社員)
友人に誘われて来場したというフッキーさん。〈KIDSUPER〉×〈PUMA〉のユニフォームにを主役に、〈BuddyOptical〉の眼鏡を合わせた軽やかなスタイルで会場へ。「ブレイキンはあまり知らない世界だったけど、生で見ると本当に興奮しますね」と、初体験の熱気を満喫していた。
日本開催での優勝にRikoは「原点に立ち返り、自分らしいダンスを貫いた結果」と語り、苦手意識のあったNickaとの対戦を全力で突破できた喜びを噛みしめた。ISSINも「倒したい相手に勝てた。仲間の支えがあったからこそ優勝できた」と、自身が所属するクルー「BODY CARNIVAL」への感謝を口にした。
両国国技館という歴史ある空間に鳴り響いた歓声とフロアの熱気は、ブレイキンがいま世界中で愛されるカルチャーであることを改めて示していた。技もスタイルも背景も異なるダンサーたちが同じステージでぶつかり合い、その瞬間を観るために人々が集う。その景色こそ、この大会が持つ唯一無二の魅力なのかもしれない。































































