アベベ・ビキラ(マラソン)|ターザンのスクラップブック
真似しようとしても決して叶わない、独自のスタイルを持ったアスリートたち。色褪せない永遠のスタイルアイコンを日替わりで紹介します。
文/白川 学 写真/アフロ

Rome, 09/10/1960. Rome Olympics. Abebe Bikila, a member of the Imperial Guard of the Emperor of Ethiopia, wins the Olympic marathon running barefoot. In the image, the athlete reaches the Arch of Constantine. Credit: Album / Archivo ABC
アベベ・ビキラ(1932-1973)|エチオピア
(マラソン)
1960年のローマ五輪。マラソン競技のゴール地点であるコンスタンティヌス凱旋門に現れたのは優勝候補の選手ではなく、裸足のエチオピア人だった。レース直前にシューズが壊れてしまい裸足で走ることになったが、アベベはそれをものともせず、当時としては驚異的な2時間15分16秒2という世界記録を叩き出したのだ。その後の東京五輪でも2時間12分11秒2でフィニッシュと、再び世界記録を塗り替えた。五輪でのマラソン競技2連覇はアベベが初である。そんな輝かしいキャリアを持つ彼だが、68年のメキシコ五輪では怪我で棄権、その翌年には自動車事故で下半身不随となり、73年に41歳の若さでこの世を去ってしまう。キャリアこそ短かったが、アフリカに初めてのメダルをもたらした彼の功績は今後も輝き続けるだろう。