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団体を超えた“格闘技日本代表”が集結。2025年3月23日、ONEが日本で開催!

実に6年ぶりの日本開催となる格闘技のビッグイベント『ONE』には、武尊 vs ロッタンなどまさに史上最高クラスの顔ぶれが揃った。『ONE 172』に出場する“日本代表”の注目ファイター4人が、それぞれ深い関係にある相手とともに、今大会に懸ける思いを語り合う。

取材・文/徳原 海 撮影/矢吹健巳 ヘア&メイク/AMANO

初出『Tarzan』No.899・2025年3月19日発売

ONEってなんだ?

ONE Championship、略して〈ONE〉は2011年7月11日、現在も会長を務める日本とタイのハーフで日本人の母を持つ実業家チャトリ・シットヨートン氏によってシンガポールで設立された格闘技団体。

ONEの試合は円形のケージをベースに、カードによって5本ロープのリングも使用される。音楽や照明を駆使した会場演出も華やか。

第1回大会はシンガポール・インドア・スタジアムで行われ、18年からはMMAルールに加えてキックボクシングとムエタイルールの試合が開始。

さらにはプロボクシングの世界タイトルマッチも開催するなどカテゴリーの垣根を越えた“総合”格闘技大会として飛躍的な成長を遂げており、近年は史上最強のMMAファイターと称されるデメトリアス・ジョンソン(昨年引退を表明)をはじめMMAやキック界のトップファイターたちが続々と参戦中だ。

UFC史上最多のタイトルマッチ12勝を誇る“パウンド・フォー・パウンド”デメトリアス・ジョンソンが2018年にONEに移籍、19年ONEフライ級WGP(ワールドグランプリ)で優勝しベルトを獲得。22年8月にONEフライ級世界王座を獲得。24年9月6日に米・デンバーで開催された『ONE 168』で総合格闘技からの引退を表明し、ONE史上初の殿堂入り。

アジアに軸足を置きながらも動画配信においてグローバル規模の視聴者数を獲得し、今や世界最大の格闘技団体UFCにも迫る勢いで存在感を高めていると言っても過言ではない。

19年に修斗、パンクラスとパートナーシップ契約を結んで初開催されて以来、日本では今回の『ONE 172』で4度目の開催となる。

MMAとムエタイでは総合格闘技グローブ、キックボクシングではボクシンググローブが使用される。写真は昨年9月にタイ・ルンピニーで行われた『ONE Friday Fight 81』。武尊がタン・ジンを2回KOで破り、ONE初勝利を飾った。

ONE 172の見どころは?

3月23日に〈さいたまスーパーアリーナ〉で開催される『ONE 172』。見どころは何と言っても、日本の格闘技界を牽引するオールスター級の面々がそれぞれ世界トップと対峙する豪華ラインアップだ。

最注目は元K-1の3階級王者である武尊が元ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタンと闘うメインイベント。お互いが望む中、昨年一度は決まったもののロッタンの怪我で幻となっていた“立ち技最強”決定戦がついに実現。

他にもラジャダムナン3階級制覇の若きムエタイスター吉成名高、国内3団体のベルトを持つシュートボクシングの“最高傑作”海人が満を持して初参戦。

ともにONE初参戦となる2人。対戦するグレゴリアンに向けて「僕が世界最強を目指すうえで絶対に倒すべき相手」と語る海人(写真左)。吉成(同右)は「“美しいムエタイ”を貫きながら絶対に勝ちます」と意気込む。

K-1の2階級王者・野杁正明は現ONEフェザー級ムエタイ王者タワンチャイとのタイトル戦に挑む。

ロッタンとの待望の一戦を前に「日本対世界はずっと願ってきた形なので嬉しい」と武尊(写真左)が語れば、タイトルマッチに挑む野杁(同右)は「過去最強の相手に勝って武尊くんにいい流れを」と同門の先輩に勢いをつける。

描かれた“日本vs世界”の図式とともに新たな格闘技ムーブメントを巻き起こすONE 172。見逃す手はない!

主な対戦カード
  • フライ級キックボクシング スーパーファイト  武尊 vs ロッタン・ジットムアンノン
  • フェザー級キックボクシング暫定世界タイトルマッチ  タワンチャイ・PK・センチャイ vs 野杁正明
  • フライ級MMA世界タイトルマッチ  アドリアーノ・モラエス vs 若松佑弥
  • ライト級MMA  青木真也 vs エドゥアルド・フォラヤン
  • フェザー級キックボクシング  マラット・グレゴリアン vs 海人
  • アトム級ムエタイ  ラック・エラワン vs 吉成名高

 

3.23 ONE 172への意気込みは? トップファイター4人の誌上ドリームマッチ。

吉成名高×武尊
“共に本物を追求したい”

立ち技界を牽引する武尊(右)と彼の背中を追うムエタイのホープ吉成名高(左)。その競演も今大会特筆すべき点だ。

Profile

吉成名高(よしなり・なだか)/2001年生まれ。165cm、52kg。小学6年生で単身タイに渡る。19年に日本人として初めてムエタイの2大最高峰ラジャダムナンとルンピニーの統一王座に輝き、24年2月にはラジャダムナン3階級制覇を達成。ムエタイ通算62勝(39KO)。ONE初参戦。

武尊(たける)/1991年生まれ。168cm、61kg。K-1 WORLD GPスーパーバンタム級、フェザー級、スーパーフェザー級を制して史上初の3階級王者に輝いた現役レジェンド。今大会では2024年1月のONE 165で対戦予定だったが負傷欠場したロッタンとの待望の一戦が実現。

武尊
僕が対戦するロッタン選手は今最も自分と嚙み合うファイターなので内容的にも最高の試合がしたい。
吉成名高
自分は武尊さんがストイックに試合に挑み続け、ダウンしても最後にひっくり返すような姿にずっと心を動かされてきましたので、ONEという大舞台で共に闘えることになって本当に光栄です。
武尊
名高のラジャダムナン3階級制覇はすごい快挙。すごくリスペクトしていますし、今回ONEの舞台で名高の試合を見られることがいち格闘技ファンとしてもすごく楽しみです。「これが日本の名高だぞ」と。
吉成名高
ありがとうございます! ONEはラジャダムナンの次のステップとして明確に目標にしてきた大会ですので、このデビュー戦でしっかり自分の色を出して勝てるように頑張ります。
武尊
他にも本当に強い日本人選手が揃ったし、それぞれ対戦する外国人選手もONEのトップ中のトップ。これだけチャンピオンクラスが集まる大会を僕は見たことがないので、これを機に格闘技の中心が日本に戻るんじゃないかなっていう予感もあります。エンタメに寄りすぎず、愚直に格闘技一本で突き進んでも世界中の人に認めてもらえる。それを証明したいですね。
吉成名高
僕はこれまで、武尊選手や、格闘技を始めた当初に活躍されていた魔裟斗さんのことを立ち居振る舞いも含めて憧れてきました。今度は自分がそういう存在になれるよう、対戦相手に対するリスペクトをはじめ試合に臨む姿勢でも本物の格闘家を目指したいです。
武尊
こうして個人競技でありながら日本代表のような最強メンバーで世界トップの外国人選手たちと戦えることがすごく光栄。僕はメインなので最後しっかりと締められるように、死ぬ気で闘おうと思います!

野杁正明×海人
“あの日があるから、今がある”

かつてリング上で激闘を繰り広げた野杁正明(左)と海人(右)。いつか来る再戦の日まで、お互い勝ち続けようと誓い合う。

Profile

野杁正明(のいり・まさあき)/1993年生まれ。175cm、70kg。2017年にK-1 WORLD GPスーパーライト級、21年には同ウェルター級を制覇。今年1月のONE 170にて、ONE参戦3試合目にしてKO初勝利。今大会ではムエタイ王者タワンチャイを相手にフェザー級暫定王者決定戦に挑む。

海人(かいと)/1997年生まれ。187cm、70kg。シュートボクシング、RISE、KNOCK OUTと3団体のベルトを持ち、2022年には東京ドームで開催された『THE MATCH 2022』において野杁正明との激闘を制した。ONE初参戦。イギリスのキックボクシング団体GLORY制覇を目指している。

野杁正明
まだONEで1勝しかしていないなかで今回ベルトに挑戦させてもらえることに感謝しつつ、今回のタイトルマッチを誰よりも自分が楽しみにしています。
海人
僕はONE初参戦。それがフェザー級なら誰もが挑戦してみたいと思っているグレゴリアン選手との対戦なので同じくワクワクしていますね。
野杁正明
自分が出場していなかったら絶対にチケットを買って見に行きたいって思うくらい、すべてのカードがすごい。世界に向けて日本の格闘技レベルの高さを証明する絶好の機会になると思います。
海人
野杁さんや武尊さん、吉成くんたちとは一緒に練習しているわけではないですが、対世界という構図の中では絶対に他の日本人選手に負けてほしくないので今回は「みんなで戦う」という気持ちが強いですね。
野杁正明
うんうん。海人くんには(THE MATCH 2022で)一度負けているのでいつかはリベンジしなくてはならないライバルだと思っていますが、だからこそ他の相手に負けてほしくない。「−70㎏級の2トップ」として共に勝ち、僕はONEのベルト、海人くんはその先に目指すGLORYのベルトを獲って、再戦しましょう。
海人
僕もあのTHE MATCHの後であらためて野杁さんともう一度闘いたいなと純粋に思いました。今度はお互いしっかりベルトを巻いて、世界一を決める舞台でぜひやりましょう。
野杁正明
負けたから言うわけじゃないんですけど、海人くんの強さは構え合った瞬間にわかりました。
海人
いやいや僕なんて野杁さんのキックで足動かなくなったんですよ(笑)。二人ともあの頃より強くなってると思うので次はもっと盛り上がると思います!
野杁正明
その日のために、お互い全力で勝ちにいこう!
格闘技観るならU-NEXT。『ONE 172』も独占配信。

『ONE 172』は3月23日(日)〈U-NEXT〉が独占PPVライブ配信! 前売りチケット(5,000円)が現在発売中で、3月23日0時より当日チケット(5,500円)、大会翌日3月24日0時からはアーカイブ配信チケット(4,500円)が販売開始。なおU-NEXTでは、ONEのほかにUFC、RIZIN、DEEPをはじめ国内外の格闘技団体を広く網羅。今回の『ONE 172』の視聴を機に、格闘技観戦という沼にハマってみては!?

Information

問い合わせ先:U-NEXT
HP:https://video.unext.jp/

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