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海面がすぐ近くにあり、足元では魚が泳ぐ。そんな秘境のようなプールがあることを知っているだろうか? 全国に20か所ほどあると言われる“海のプール”。そんな海ともプールとも違う、癒やしの存在を巡るライター・清水浩史さんにおすすめ3つを教えてもらった。
しみず・ひろし/ライター・編集者。昨年、『海のプール』(草思社)を刊行。「イチ押しの〈鴨ヶ浦塩水プール〉(石川県)が震災で利用できず。復興が待ち遠しいですね」。
海面がすぐ近くにあり、足元では魚が泳ぐ。そんな秘境のようなプールが日本にあるらしい。
「高度経済成長期の頃に、水深や地形の関係で海に入りづらい沿岸部に作られたものが多いですね。海水を利用していて、潮の干満で常に循環します。僕はそれを“海のプール”と呼んでいて。今入れるのは全国20か所程度ですね」
そう語るのは海のプールを巡るライター・清水浩史さん。今回はおすすめの3か所を挙げてくれた。共通するのはノスタルジックさと開放感。今年はここで泳ぎたい!
「浮力が高い海水は漂うだけで心地よいですし、波や気候を気にせずに入れる。海ともプールとも違う、癒やしの存在なんです」
八丈島にある海のプールは、潮だまりを最低限のコンクリートで囲ったシンプルな作り。ワイルドな自然を楽しむならここ。「水の透明度がとにかく高く、魚もたくさん泳いでいるので潜るだけでも楽しいです」。
沖縄県の南大東島で地元の子供に愛されるスポット。複雑な海岸線に位置し、迫力のある波が打ち寄せる。「子供は縁の部分に立って度胸試しをするそう。ちなみに南大東島には3つの海のプールがあります」。
もともとは近隣にあった城崎南小学校の児童用プールとして設置。現在は子供から大人まで訪れる憩いの場に。床や壁が舗装されているので安心して入れる。「海でひと泳ぎしてからこのプールで休むのが最高です」。
取材・文/山梨幸輝
初出『Tarzan』No.883・2024年7月4日発売