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タンパク質と、何が同じで、どう違う?ジェーン・スーと〈味の素(株)〉社員が語るアミノ酸のこと。
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毎日でも食べたいエリート食材の魚は、新鮮なものを食べた方が味はもちろん栄養的にも◎。そこで、おいしい魚を売ることに執念を燃やす〈サスエ前田魚店〉5代目店主・前田尚毅に、“目利きの魚選び”を伝授してもらった。美味しい魚食を毎日の食卓へ!
前田尚毅さん
まえだ・なおき/サスエ前田魚店店主 。1974年、静岡県生まれ。学生時代から魚関連の仕事に従事し、六十余年続く〈サスエ前田魚店〉5代目を継ぐ。地元の小売店を営む傍ら国内外の飲食店に魚を卸す。
目次
「良質な魚の身質というのは、トップアスリートの筋肉と同じだよね」と話す前田尚毅さん。
「いい餌を豊富に食べている魚は、腹まわりにしっかり肉がついていて、目は大きく澄んで小顔。一方顔がデカい魚というのは、餌を食べていないことから栄養が足りず痩せていることが多いので、見極めの指針になりますね。魚を選ぶときは、一流のアスリートのカラダつきをイメージしながら選ぶといいと思います」
市場に並ぶような新鮮な魚の見た目を知っていれば、スーパーなどに並ぶパック入りの魚を見比べる際の判断基準になる。鮮度の高い魚の特徴は魚種や季節によっても異なるが、基本を押さえておくだけでも売り場で魚を選ぶ目線も変わる。
地元焼津で60年以上愛される老舗鮮魚店。自家製の天日干し干物をはじめ、種類豊富な刺し身の盛り合わせ、巻き物や丼物も人気。
捕れたての新鮮なアジは、ツヤがあり全体的に薄く黄色い発色をしている。鮮度が落ちてくると、ヒレや体全体が黒ずんできてツヤがなく濁った色合いになってくる。
腹まわりがしっかり太いものは、たくさん游いで運動している証し。弾力があるものは、繊細かつ引き締まった肉質。グニャッと柔らかいものは鮮度が落ちている可能性。
鮮度が真っ先に表れる目は要チェック。目が濁らずに澄んでいて、張りがあって本体から盛り上がっている。顔が小さく見えるものが肉質が良く脂の乗りも程よい。
脂質の含量が高い腹部にあたるトロの部分。白い脂身の線維がきめ細かな網目状のものを選ぶとグッド。白い部分の幅が広いものは筋張っている可能性。
新鮮で良質な赤身は、光沢があり透明感のある鮮やかな赤色。時間が経過しているものは身も血合いも黒ずんでくる。また不自然なほどに鮮やかな赤色は着色されている可能性も。
太刀魚のような白身の魚は、とにかく澄んだ白い身質のものを選ぶのがよし。水分が抜けておらず、透き通った乳白色、あるいはピンク色の身のものは新鮮。
縁側が濃いピンク色で透明感のあるものは新鮮。鮮度が落ちているものは全体的に色がボケてきて、赤茶色く濁った印象になる。乾いて身割れしていないものを。
天日や釜揚げにしたものを目にすることが多いシラスだが、捕れたての新鮮なものは身が透き通っている。ツヤがあり濁りのない透明感のあるものを!
イワシの稚魚であるシラスも、やはり鮮度は目に表れる。鮮度が落ちてくると目も濁ってくるので、黒くはっきりとした小さな目を見極めて。
生きたままパックで売られるアサリの鮮度は外見から鮮度を見分けるのが難しい。殻に破損がなく、口をしっかり閉じているものを。管を出しているものも元気な証し。
アサリ同様、口をしっかり閉じているものが新鮮。なかでも宍道湖産のものは黒色に少し茶色が混じったような黄色みのあるものを選ぶとgood。
編集・取材・文/西野入智紗 撮影/今津聡子
初出『Tarzan』No.873・2024年2月8日発売