生理痛と氷入りアイスコーヒー(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は生理痛と氷入りのアイスコーヒーについて。
冷たいドリンクが生理痛の引き金に?
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
暑い日が増えました。氷入りのアイスコーヒーを持った人がカフェやコンビニから出てくるのをよく見かけますね。外は気温・湿度ともに高く、冷たい飲み物が欲しくなります。
でもちょっと待ってください! その氷入りのアイスコーヒー、あなたに生理痛を引き起こしている張本人かもしれません!
巡りの悪さが痛みをむ
漢方の痛みの原則は不通則痛。通ぜざれば則ち痛む、つまり巡りが悪いと痛くなるよということです。生理痛も例外ではありません。血の巡りが悪いことが痛みの一因です。では血の巡りの悪さはどうして起こるのでしょうか。
アイスコーヒーと言えばカフェインが入っていますよね。カフェインには血管を収縮させる作用があります。当然、血液の流れは影響を受けます。さらに氷の冷たさも血管を収縮させますから、アイスコーヒーによって血流は二重に阻まれていることになります。
栄養不足も痛みを生む
痛みの原則にはもう一つ不栄則痛があります。栄えざれば則ち痛む、栄養不足でも痛くなるよの意味です。私たちのカラダは飲食物からエネルギーを作り出し、これをもとに血そのものを増やしたり、血を巡らせる力にしたりしています。
エネルギーを得るには消化器系が健全に機能していることが必須なわけですが、冷たい飲食を日常的に続けていると消化器の働きは低下していきます。当然、良質の血は作られなくなり、また巡らせる力も不足してしまう事態になります。これでは痛みの発生は必至です。
外が暑いから、季節的になんとなく、そんな理由でアイスコーヒーを日課にしているなら即、見直しを。外気による暑さを飲食で中和しようとしても、必要以上にカラダの内側が冷えてしまいます。空調のきいた空間に長居するならなおさらです。常温以上のものを摂るようにしてください。
そして効きすぎた空調もまた痛みにつながる冷えを生じることが多いです。内臓や筋肉は常にほど良く温まった状態をキープできるように意識しましょう。
特に生理痛で毎月しんどい思いをしていらっしゃる女性の方々、飲み物選びを変えるだけであなたの症状は良くなるかもしれませんよ。